ページトップ

いきまち通信 その他の話題

コアジサシ営巣地整備!(第三回目)

2015年5月

鹿島では2012年よりNPO法人リトルターン・プロジェクトに協力し、東京都森が崎水再生センター屋上にあるコアジサシの営巣地整備のボランティアに参加しています。一昨年、昨年のバカ貝の貝殻撒きだしに続き、3年目の今年は屋上に生えた草抜きに社員やその家族、グループ企業の社員が参加しました。

昨年まで行っていた貝殻の撒きだしと比べると少し地味なイメージのある草抜きですが、これもコアジサシの営巣地を守るための重要な作業の一つです。というのもコアジサシは草の生えていない裸地を好み営巣します。しかし、現在営巣場所となっている箇所の一部はコンクリートガラが用いられており、それが経年劣化とともに細粒化、雑草が繁茂しやすい環境となってしまっています。草抜きも、コアジサシが営巣しやすい環境を維持するためには欠かせない作業なのです。

はじめにNPOリトルターン・プロジェクトの北村代表より屋上営巣地の概要と本日のスケジュール、作業内容の説明がありました。その最中、上空を見上げると優雅に舞うコアジサシの姿が!この森ケ崎の営巣場所では今シーズン初めての飛来との事で、参加者のモチベーションがぐっと上がるのが感じ取れました。

写真:空を舞うコアジサシ(手持ちのカメラの性能上これが精一杯でした)

空を舞うコアジサシ(手持ちのカメラの性能上これが精一杯でした)

午前中の作業は東側の営巣地の草抜きを行いました。鎌や熊手を使い根からしっかりと抜きます。まだ、入梅前という事で雑草もそこまで大きく育っておらず、熊手で引掻くとすぐに抜けます。これが梅雨に入ると根を更に伸ばし大きく成長してしまうため、まさに今が抜きどきです。

写真:草抜きの様子

改ページ

ただ、中には小さなものに混じってこんな大物もいました。

写真:草抜きの様子

昼休みにはコアジサシについての勉強会があり、コアジサシが食べている餌や、残念にも羽化ができなかった卵や雛の剥製、骨格標本などを見ながら学びました。

写真:コアジサシについての勉強会

写真:コアジサシについての勉強会

改ページ

卵にいたっては実際に手にとって観察する機会があり、参加者にとって、とても貴重な体験となりました。
また、最近の研究でコアジサシの渡りのルートが解明されつつあるとの紹介もありました。以前よりコアジサシはオーストラリアやニュージーランドまで渡っていることが確認されていましたが、詳しい経路まではわかっていませんでした。そこでジオロケーターと呼ばれる日の出日の入りの時間から緯度経度を割り出す機械をコアジサシに付け、森ケ崎から放鳥した結果、全体的な傾向として、陸伝いにフィリピン、インドネシアを通って越冬地との間を往復することがわかったそうです。
そして最後は「コアジサシ」の名前の由来に関するクイズです。皆さんも、なぜ「コアジサシ」というか考えてみてください(正解は文章末にてご紹介します)。

この日は小雨がぱらぱらと降っては止んでといった天候でした。そこで、天候が悪化する前に集合写真を撮ることに。参加者全員で「コアジサ、シー」の掛け声で撮影。

写真:集合写真

午後は午前と同様草抜きに加え、機械除草後の刈り屑集めを実施しました。実は、機械除草したエリアはコアジサシの営巣場所ではありません。森ケ崎の屋上では一部が草地化したことに伴い、草地を好むヒバリが営巣を始めたとのことです。また、草地は昆虫類が生息し冬場には小鳥類の餌場として越冬利用されるなど草地の重要性が見直されてきているそうです。コアジサシだけでなく、屋上が多様な鳥類の営巣場所、餌場になっているのは興味深いことです。

昨年は227巣と11年ぶりにコアジサシの営巣が多かった年でした。今年もコアジサシの更なる営巣の増加を願いつつ、草抜きボランティアを終了しました。

コアジサシの由来:餌の鯵を捕まえる際、刺すように水面に飛び込む様が名前になったとの事です。
コ(小さな)アジ(鯵)サシ(刺し)

写真:コ(小さな)アジ(鯵)サシ(刺し)

漢字でこのように書くようです

いきまち通信のインデックスへ

改ページ

「ウナギの家づくり」の取組みを紹介しました

2015年2月

生き物目線で「どのような水域を整備していくか?」は、常に大きなテーマですが、近年、日本人と関わりの深い「ウナギ」が注目され、益々その重要性がクローズアップされています。今回は、その「ウナギ」に関連した取組みをご紹介致します。

昨年末、生物多様性と社会との関わりについて様々な角度から議論を重ねてきた「生物多様性協働フォーラム」の第8回フォーラムが大阪市内で開催されました。今回は絶滅危惧種に指定され、今後、食べられなくなるのではと心配されているニホンウナギの資源保護再生に関して、「ウナギの未来をつなげよう~うまいもんが結ぶ人の縁、水のつながり、生きもののくらし~」をテーマに、研究者の基調講演と、実際にウナギ保護再生活動を行っている専門家によるパネルディスカッションが行われました。最近、メディアでも取り上げられることが多いテーマでもあり、当初予定していた300名の定員を大きくオーバーし、420名の参加がありました。

写真:フォーラムの様子

フォーラムの様子

パネルディスカッションでは、ウナギ研究者でもある鹿島環境本部の柵瀬信夫がパネラーとして参加しました。発表では、ウナギの家づくりの技術概要と、その技術を実用化している鹿児島県、福岡県での産官学・漁協・市民団体による協働活動を紹介し、開発から実用化に至るこれまでの経緯を説明しました。

写真:パネラーとしてコメントする柵瀬

パネラーとしてコメントする柵瀬

ウナギの産卵場の特定や人工産卵研究が進んでも、私たちの目の前の身近な河川での親ウナギが生息できる環境を作らなければ、30年前から危惧されてきたウナギの稚魚(シラスウナギ)減少の根本的な解決にはなりません。鹿島ではこのような基本的な考え方から、足元の水域でのウナギ保護再生を目的に20年前から伝統工法や漁法を参考に、ウナギの家づくりに取り組んできました。

改ページ

鹿島ではウナギも含め、カニ、エビ、ハゼなどの家を付加した護岸コンクリートパネルを20年前から実用し、各地に適用例があります。しかし、護岸コンクリートパネルを用いた工事は時間と費用がかかるため、緊急を要するウナギ家づくりのために、より簡易で低価格の石倉カゴを九州大学大学院望岡教授、粕谷製網株式会社、株式会社フタバコーケンと共同開発しました。石倉カゴは、石を川床に積んで、ウナギが入ったところを捕える伝統漁法(石倉漁)と、古くから河川改修などに用いられてきた蛇カゴを組み合わせ、ウナギの家を形成する方法です。この方法は2年前に水産庁のウナギ保護技術として採用され、普及しはじめています。

写真:石倉カゴの設置

石倉カゴの設置

写真:石倉カゴを家にし、捕獲されたウナギ40個体

石倉カゴを家にし、捕獲されたウナギ40個体

写真:捕獲個体調査

捕獲個体調査

これに加えて、この石倉カゴを応用し世界初の這行性魚介類魚道(ウナギ石倉カゴ魚道)を開発しました。これまで堰堤、ダムなどに適用されてきたアユやマス類の飛越を基本とする既在魚道は、ウナギや回遊性甲殻類(カニ、エビなど)の遡上を阻んでいましたが、石倉カゴを柱状に用いることで、堰堤における這行性魚介類のアクセスを可能としました。その他に、コンクリート三面張水路における生き物家づくりなど、簡易で低価格、すぐにでも確実に効果が示せる技術を実用し、普及につとめています。

改ページ

写真:石倉カゴ魚道実用事例(魚道を遡上したウナギ、ヌマエビ、ベンケイガニなど)

石倉カゴ魚道実用事例(魚道を遡上したウナギ、ヌマエビ、ベンケイガニなど)

写真:三面張水路における生き物家づくり

三面張水路における生き物家づくり

鹿島では30年前に設立された水産研究室を中心に、古くから内陸水域や沿岸域にも着目し、様々な技術開発を行ってきました。今後もゼネコンだからこそできる取組みとして、水辺の生き物の家づくりを展開していきたいと考えています。

いきまち通信のインデックスへ

改ページ

コウモリ巣箱(バットボックスプロジェクト)

2014年11月

皆さんはコウモリと聞くとどんなイメージを持たれますか。“血を吸う”“怖い”“不気味”“汚い”などあまりいいイメージを抱かない方も多いと思います。今回はそんなイメージを一新させる取組みの紹介です。

コウモリ巣箱(バットボックスプロジェクト)

コウモリの生態

コウモリは哺乳類の中で唯一完全な飛翔能力を持った生き物です。国内では現在35種が生息していると言われており、これは国内の陸上哺乳類の約3分の1を占める種数です。

※The Wild Mammals of Japan(Ohdachi et al 2009)より

コウモリは生態系のバランスを維持する上で欠くことのできない動物です。国内に2種生息するオオコウモリは果実に加え花粉、蜜などを摂食するため、種子や花粉を運びますし、その他33種のコウモリは飛翔性昆虫の捕食者として重要な生態的地位を占めています。捕食されている昆虫には農林業や衛生上の害虫も多数含まれ、コウモリがいなくなったら農業にはもちろん、我々都市の生活にも大きな影響を与えると言われています。

写真:クビワコウモリ(長野県)

クビワコウモリ(長野県)

写真:クビワオオコウモリ(沖縄県)

クビワオオコウモリ(沖縄県)

※コウモリは鳥獣保護法で保護されており、許可なく捕獲などできません。この写真は許可を得た上で撮影しています。

改ページ

コウモリは大食漢

先述した通り、オオコウモリ以外の国内33種のコウモリは、主に昆虫を捕食しています。その捕り方はとても独特で、飛行中に口や鼻から超音波を出し、その反響を聞くことで餌となる昆虫の位置や大きさを判断し捕食をします(エコーローケション)。そして、驚くのはその量です。例えば体重6gのヒナコウモリの場合、一晩に食べる餌の量は体重の半分、蚊で言うと500匹程度にもなると言われています。コウモリが蚊などの衛生害虫から私たちを守ってくれているのもイメージできるかと思います。しかし、その一方で、コウモリはある問題にさらされています。

問題 その1:住む所がない!

コウモリがさらされている問題、それは棲家となる場所の減少です。コウモリは洞窟や樹洞などの環境の他、家の屋根裏、戸袋、瓦の隙間など人家を棲家にします。開発による洞窟や樹洞などの環境が減少していることに加え、住宅の近代化や屋根裏に侵入したコウモリの駆除などにより棲家が失われています。

問題 その2:イメージが悪い!

冒頭でも触れましたが、コウモリに対するイメージの悪さです。かつて日本ではコウモリが家に棲みつくと縁起が良いとされており、めでたい動物として親しまれていました。しかし、明治時代以降、イソップ物語やドラキュラ伝説など西洋からの怪奇小説が広まると「コウモリは不吉な動物である」というイメージが浸透してしまいました。

大食漢×棲家創出×イメージアップ

虫を食べてくれるなど、生態系で重要な位置を占めているにも関わらず、棲家がなくなっている。この問題を解決する1つの方法が今回紹介するコウモリ用人工巣箱(バットボックス)です。野鳥用の巣箱と違い、箱の下部に細長い切れ目状の出入り口があるものが一般的で、樹木や建物の壁面に据え付けることで新たな棲家を創出します。このバットボックス、国内では主にコウモリの保全対策として用いられていました。
今回、そのバットボックスを当間高原リゾート(新潟県十日町市)のご依頼を受け、自然に配慮した快適空間の創出を目的として設置しました。調査では既にコウモリが周辺に生息していることは確認されていましたが、バットボックスの設置によりコウモリが活動しやすい環境を整備し、蚊やユスリカなどの衛生害虫を食べてもらう試みです。

※鹿島グループ会社の総合リゾート施設です。

写真:バットボックス

写真:バットボックス

また、このバットボックスプロジェクトは単にバットボックスを設置するだけではなく、コウモリに対するリテラシー向上にも取り組んでいます。コウモリに関するクイズや、バットディテクターという装置を使って飛んでいるコウモリを観察してもらうコウモリ観察会を行いました。ちなみにこのバットディテクターという装置はコウモリが出す超音波を人間が聞こえる可聴域に変換する機械です。コウモリの超音波を拾うと「タ、タ、タ、タ、タ、、、、、、」(MP3コウモリの超音波をきく)といった感じの音がなります。普段聞こえない超音波が聞こえることもあって、参加した皆さんは夢中になって、コウモリを探していました。

改ページ

写真:コウモリ観察会

写真:コウモリ観察会

コウモリクイズに挑戦しよう!(正解は記事の最後に)

コウモリクイズ

コウモリクイズ

今回紹介したバットボックス、海外では広く普及しており、米国ディズニーワールド内に設置されていたり、イタリアミラノ市では蚊を駆除する予算を割いてバットボックスを市内の公園や学校500箇所設置されています。一方、国内では近年ハロウィンなどの影響もあり、コウモリのキャラクターやグッズを見かけることは多くなったものの、益獣としての認識は広まっていないのが現状です。このバットボックスプロジェクトを広く展開していくことでコウモリに対する正しい知識の普及とイメージアップを行っていけたらと考えています。

クイズ答え:
Q3 昆虫、果物、お魚、血
(ちなみに、血を吸うコウモリは1,000種以上確認されているコウモリの中でわずか3種)
Q4 お茶碗100杯以上
(※人間の体重を60㎏、お茶碗のお米200gと仮定した場合)

いきまち通信のインデックスへ

改ページ

コアジサシ営巣地整備!(第二回目)

2014年4月

東京都大田区森が崎水再生センター屋上では、2001年にコアジサシの営巣が確認されて以来、営巣地整備や調査などが実施されてきました。絶滅が心配されている渡り鳥「コアジサシ」(環境省「絶滅危惧Ⅱ類」指定)保全のための環境整備や観察会などを実施しているNPO法人 リトルターン・プロジェクトに協力し、昨年に引き続き鹿島では支店やグループ企業の社員有志の男女13名のボランティアが整備作業に参加しました。

写真:コアジサシ

 

コアジサシは春にオーストラリアなどから日本に渡ってきます。日本に到着したコアジサシは、5~8月の繁殖期に海岸の砂浜や河川の河原・中州で子育てを行いますが、営巣可能な河原や砂浜は減少しやむなく駐車場や空き地に営巣するなど、日本におけるコアジサシの子育ては年々困難になっています。

写真:コアジサシ、ってどんな鳥?

改ページ

コアジサシは地面に卵を産みますが、外敵の眼から卵を守るため、白っぽくなった場所に好んで営巣します。その習性に配慮して、屋上の黒ずんできた砂利の上に貝殻を撒くことで、地面を白く変え、コアジサシが営巣しやすい環境を整備するのが今回の作業となります。写真は2012年の営巣の様子です。

写真:2012年の営巣の様子

当日は、千葉県富津市から届いたトラック2台分のバカ貝を、台車で営巣地に運搬します。

写真:千葉県富津市から届いたトラック2台分のバカ貝を、台車で営巣地に運搬します

写真:千葉県富津市から届いたトラック2台分のバカ貝を、台車で営巣地に運搬します

写真:各営巣地に割り当てられた貝殻の袋を配布し、人力で散布します

写真:各営巣地に割り当てられた貝殻の袋を配布し、人力で散布します

各営巣地に割り当てられた貝殻の袋を配布し、人力で散布します。
散布時には茶色の貝殻もしばらくたつと紫外線劣化によりコアジサシの産卵に適した白色に変化します。

写真:各巣営地と散布した貝殻

改ページ

森が崎水再生センター屋上には昨年144巣の営巣が確認されたそうです。
今回の環境整備作業が実を結び、今年も多くの営巣やかわいい雛、そして巣立ちが観察できることを願って作業を終了しました。

写真:今年も多くの営巣やかわいい雛、そして巣立ちが観察できることを願って作業を終了しました

鹿島では生物多様性都市づくりを目指し、今後とも様々な活動を展開していきます。

いきまち通信のインデックスへ

改ページ

コアジサシの観察会

2012年7月

東京都森が崎水再生センター屋上に絶滅が心配されている渡り鳥コアジサシが毎年子育てのために渡ってきます。当社では、NPO法人リトルターン・プロジェクトに協力し、4月に貝殻の散布などを行い、コアジサシの営巣地整備に協力しました。

今回、この春に渡ってきたコアジサシの子育ての様子などを観察する会がリトルターン・プロジェクト主催で開催され参加してきました。

まずは、コアジサシのえさ場となっている沖合の干潟を観察します。

写真:コアジサシのえさ場となっている沖合の干潟を観察します

屋形船の手前に見える干潟には、ウミネコ、アオサギ、カワウ、コチドリなどが観察できました。 さらによく観察すると・・・

写真:3羽ほどのコアジサシを発見できました

3羽ほどのコアジサシを発見できました。上空から魚を探し、水の中に飛び込んで上手に魚を捕えています。
他の鳥と比較すると圧倒的に小さい体ですが、「キュイ、キュイ」と元気に鳴いています。
実は、コアジサシの鳴き声は「ききみみずきん」にも収録しています。実験したところうまくキャッチできました。

改ページ

写真:ききみみずきん

しばらく干潟を観察した後は、いよいよ屋上で営巣地の観察です。ヒナが見れのるか楽しみです。

春に整備を協力した屋上には散布した貝殻が白く変色していました。これが保護色になり、コアジサシはカラスなどの捕食者からヒナや卵を守る事が出来ます。また、営巣地の周囲にはカラス除けの糸が張り巡らされています。

写真:屋上で営巣地の観察

これは、デコイです。コアジサシが上空で見て、卵を温めているようと思うように、2羽毎に配置されているそうです。

写真:デコイ

コアジサシを脅かしてはいけないため、離れた場所からの観察となります。

当日は蜃気楼もあり、不慣れな人にはなかなか見つけにくい状況でしたが、関係者の皆さんに教えていただきついに発見しました!

中央部で抱卵しています、わかりますか?(カメラの性能が不十分でこれが精一杯でした)。

写真:中央部で抱卵しています

改ページ

ヒナを見つけた方もいましたが、当方は残念ながらカメラに収めることはできませんでした。

上空には、餌を運ぶ親鳥たちが海と営巣地を何度も往復しています。

写真:上空には、餌を運ぶ親鳥たちが海と営巣地を何度も往復しています

写真:上空には、餌を運ぶ親鳥たちが海と営巣地を何度も往復しています

最後に、コアジサシの餌を見せてもらいました。カタクチイワシ、サッパ、コノシロ、アユ、ウグイ、そしてサンマなどです。このサンプルは実際にコアジサシが運んでいる途中で落とした餌だそうです。コアジサシは一度落とした餌は拾わないとのことでした。

写真:コアジサシが運んでいる途中で落とした餌

昼前に観察会は無事終了です。親鳥たちの懸命な子育ての様子、そしてそれを見守るプロジェクト関係者の思いを知り、無事ヒナが巣立つよう祈らずにはいられませんでした。

リトルターン・プロジェクトの皆様、ご案内誠にありがとうございました。

いきまち通信のインデックスへ

改ページ

ききみみずきん

2012年5月

鹿島では、野鳥などの鳴き声を記録し聞き分けることにより、野鳥の種類の特定を支援するスマートフォンのアプリケーションソフト「ききみみずきん for iPhone」の開発、運営を共同で実施しています。

写真:ききみみずきん

このソフトは、公園や森の中など鳴き声を聴いたその場で、可能性の高い野鳥種などの選択肢を提示するもので、GPS機能を用いて、野生生物種の特定結果と観察場所の位置情報を記録することが可能です。

写真:GPS機能を用いて、野生生物種の特定結果と観察場所の位置情報を記録

このアプリは、個人で野鳥観察などを楽しむだけでなく、取得した種類、位置、時間などの観察データをアップロード機能により登録することで、野鳥の生息状況などを記録するモニタリングデータベースとしての活用も期待されています。

今回、本アプリーケーションの発売開始から1周年を記念して、「ウグイスの初鳴き前線」調査の呼びかけを行い、南は九州から北は東北までのユーザーのご協力の下、「前線マップ」を作成しました。

写真:ウグイスの初鳴き前線マップ

今回は取得データ数も限られていたこと、また、試験的な取組ということもあり、詳細なマップを作る事はできませんでした。
今後経年的な調査を積み重ねるとともに、他の種類に関してもモニタリングデータを蓄積していく予定です。

ユーザーの皆様のご協力、よろしくお願いいたします。

写真:新宿御苑で実施したユーザー会

新宿御苑で実施したユーザー会

いきまち通信のインデックスへ

改ページ

コアジサシ営巣地整備に協力!

2012年4月

コアジサシは絶滅が心配されている渡り鳥(環境省「絶滅危惧Ⅱ類」指定)でオーストラリアなどから日本に渡ってきます。

写真:コアジサシ

春に日本に到着したコアジサシは、5〜8月の繁殖期に海岸の砂浜や河川の河原・中州で営巣し子育てを行います。しかし、コアジサシが営巣可能な河原や砂浜は減少し、日本におけるコアジサシの子育ては年々困難になっています。
そのコアジサシを保護するため、NPO法人 リトルターン・プロジェクトが中心となり東京都森が崎水再生センター屋上をコアジサシの営巣地として整備しています。

写真:

今回、当社の社員有志が沢山のコアジサシを迎えるためにボランティアとして整備作業に参加いたしました。

写真:

この作業は、白い地面に卵を産むコアジサシの習性に配慮して、千葉県から運搬したバカ貝の撒き出しを行ったものです。

10tトラック2台分のバカ貝が千葉県富津市から届きました。
各営巣地に割り当てられた量のバカ貝を台車で運搬します。

写真:10tトラック2台分のバカ貝が千葉県富津市から届きました。各営巣地に割り当てられた量のバカ貝を台車で運搬します。

写真:10tトラック2台分のバカ貝が千葉県富津市から届きました。各営巣地に割り当てられた量のバカ貝を台車で運搬します。

最後は人力で貝を撒き出します。茶色い貝殻も2週間ほどで白く変色し、
コアジサシの営巣地に適した状況に変化します。

写真:最後は人力で貝を撒き出します。茶色い貝殻も2週間ほどで白く変色し、コアジサシの営巣地に適した状況に変化します。

写真:最後は人力で貝を撒き出します。茶色い貝殻も2週間ほどで白く変色し、コアジサシの営巣地に適した状況に変化します。

上手くいけばこの貝の上に産卵し、さらにはかわいい雛が観察できることになります。
楽しみですね。

写真:上手くいけばこの貝の上に産卵し、さらにはかわいい雛が観察できることになります。楽しみですね。

写真:上手くいけばこの貝の上に産卵し、さらにはかわいい雛が観察できることになります。楽しみですね。

鹿島では生物多様性都市づくりを目指し、今後とも様々な活動を展開していきます。

写真:

いきまち通信のインデックスへ

お問い合わせ

ページの先頭へ