特集:上水道のエンジニアリング

水関連技術:安全な水を確保する


 上水道事業では,水質汚濁の早期発見が,安全の確保の面から何よりも重要となっている。
 例えば,水道水源(ダム・貯水池)には,そこへ流入する河川に汚れた生活排水が混入する可能性や,貯水池自身に藻などが発生して水質汚濁を起こす可能性も考えられる。この意味から,汚濁が発生した場合,どのように汚濁が進行するかを予測することが水質管理上の大きなテーマとなる。
 ここでは,これらの監視システムと評価・予測システムを紹介する。

●流域水環境評価システム「オンディーヌ」

オンディーヌ
河川の流域を対象に,気象・地形・土地利用のデータを利用して,流域の水質・推量の変化をシミュレーションする。漂流水だけでなく地下水についても解析できる高精度なシステムである。

●水質拡散予測システム「エコール」
エコール
海域,湖沼(水道水源含む)での物質の拡散状況を予測するシステム。水温,風向,密度差なおの様々な外力の流れによって生じる水流をスーパーコンピュータで解析・予測する。


●遠隔監視システム「アクアライン」
アクアライン
複数の施設に監視センサーを設置し,その情報を通信回線でホストコンピュータに送り,一括監視するシステム。水道汚濁や渇水,施設の運転不全など緊急事態が発生した場合,リンクする他の施設にも警告する。




鹿島の上水道への取組み
|安全な水を確保する
更なる安全性と質の向上を図る
自然環境との調和を考える
施設と周辺環境との調和を提案する
インタビュー:水循環社会に向けたエンジニアリング