特集:上水道のエンジニアリング

自然環境との調和を考える

 清浄な水を得るためには,何よりも自然環境の保全が最大の特効薬となる。当社では,自然環境との調和を第一義に考え,自然環境と共生できる施工や技術提案をを行っている。
 特に自然豊かなロケーションにある水道水源の施工に際しては,環境モニタリング調査を実施するなど,生態系の保護に最大限の努力をしている。
 また,エンジニアリングの分野では,水道事業者に対して,環境関連の保有技術を駆使した提案を展開している。


●山口貯水池における動植物生態系保護
 現在,堤体強化工事を施工中の山口貯水池に関しては,専門技術者による綿密な周辺環境のモニタリング調査を実施している。
 この調査の結果,稀少野生動物のオオタカ,危急種とされるシソ科植物のミゾコウジュなど多くの保護が必要な動植物が発見された。オオタカについては,営巣期が1月〜7月であることに配慮し,この生息地付近となる上流部仮締切工事では,全て夜間作業とした。また,ミゾコウジョについては,工事用道路設置予定地で確認されたため,移植を行った。

モニタリング調査
水辺での環境モニタリング調査


●自然エネルギー利用型浄水場
 わが国では,上水道の供給段階で消費する電力は,わが国の総電力の約0.9%となっている。このため,複数の水道事業者は,地球環境温暖化対策の観点で,消費電力の削減とその代替として自然エネルギーの導入を検討している。
 当社では,上水道関連施設の中で最も電力エネルギーを消費する浄水場について,風力発電,太陽光発電,小規模水力発電などの自然エネルギーを利用した自家発電システムや,自家発電の発生熱を利用して浄化処理時に発生する汚泥の乾燥を行うコージェネレーションシステムなど様々な提案を行っている。

自然エネルギー利用型浄水場
環境共生のコンセプトをとりいれた自然エネルギー利用型浄水場の提案





鹿島の上水道への取組み
安全な水を確保する
更なる安全性と質の向上を図る
|自然環境との調和を考える
施設と周辺環境との調和を提案する
インタビュー:水循環社会に向けたエンジニアリング