特集:新エネルギー最前線

特集:新エネルギー最前線

新エネルギーとは?
 地球には,太古の昔から太陽の恵みで成長した動植物を起源とする膨大なエネルギーの蓄積がある。石炭,石油である。しかし,これらの化石エネルギーは,一度使われてしまうと,再生するのが極めて困難であり,地球温暖化の原因となる二酸化炭素も同時に排出してしまう。その点,水力・原子力エネルギーは二酸化炭素の排出が少ないエネルギー源と言える。化石エネルギーを現在のペースで使い続けていくと,有限であるためいつかは枯渇する。
 こうした中,いま注目を集めているもう一つのエネルギーが新エネルギーである。新エネルギーは二酸化炭素の排出が極めて小さく,クリーンなエネルギーとして注目されており,エネルギー源の性質により,大きく3つの形態に分類される。
 「再生可能エネルギー(自然エネルギー)」は,汲み尽くすことのないエネルギー。すなわち地球を育んでいる太陽エネルギーをもとに発生するエネルギーのことで,太陽光発電,風力発電などが挙げられる。次に「リサイクルエネルギー」は,家庭・事業系から出るごみや,河川水,下水,工場などの排熱からエネルギー回収を図るもので,廃棄物発電やバイオマス発電が該当する。さらに「従来型エネルギーの新しい利用形態」には,水素と酸素を化学反応させて発電する燃料電池やエネルギーの高度な有効利用を実現したコージェネレーションなどがある。

新エネルギーの3つの形態

新エネルギーのメリット 1 再生可能エネルギー(自然エネルギー)……無尽蔵で枯渇の心配がなく,二酸化炭素を発生させない
2 リサイクルエネルギー……今まで捨てていたエネルギーや資源を有効に利用できる
3 従来型エネルギーの新利用形態……二酸化炭素の発生が少なく,エネルギーを効率よく利用できる

新エネルギーの現状と当社の取組み
 新エネルギーは,主にヨーロッパやアメリカなどを中心に積極的に導入されているが,風力発電やバイオマス発電の進んだドイツ,デンマークなどでは,全体の20%以上を再生可能エネルギーで賄おうとしている。わが国でも,地球温暖化防止対策上,新エネルギーを急速に普及させることが求められている。
 日本では,新エネルギーはまだエネルギー供給の1%程度に過ぎないが,政府は2010年度までに,現在の約3倍まで引き上げる目標を掲げている。とりわけ,太陽光発電,風力発電,廃棄物発電,バイオマス発電は,実用段階にある新エネルギーとして政府の導入目標も高い。
 しかし新エネルギーは,従来の火力発電,水力発電,原子力発電に比べ,エネルギーの密度が低く,大規模発電には現時点では向いていないのが現状である。しかし,分散型電源としての期待は大きく,継続的な取組みが必要である。また,太陽光発電,風力発電などは気象条件に左右されやすいといった欠点もある。したがって,地域特性や立地条件,周辺施設のエネルギー需要を詳細に把握し,発電効率,経済性,景観,生態系への影響など総合的な見地から最適な規模とシステムを選択し,導入することが重要である。
 このように,新エネルギーは,まさに総合エンジニアリング力が試される場である。当社はいち早くから,新エネルギーに取り組み,様々な研究開発やエンジニアリングを通じて実績をあげてきた。そして独自技術と都市・地域開発で培ったノウハウをもとに,調査,システム提案,設計,建設及びメンテナンスまで,お客様のニーズに合わせた新エネルギーのトータルエンジニアリングを提供している。


新エネルギーの供給目標




生ごみ発電

風力発電

太陽光発電