私たちにとって最も大切な「水」は飲み水である。安定的に水道水を確保できなければ,生命や健康を維持していくことができない。そのために不可欠なのが飲み水や農業用水を貯えるダムだ。
近年の少雨傾向で慢性的な水不足に悩んでいた長崎県佐世保市では,水道水の安定的な供給確保を図るため,貯水量を増やす事業を進めてきた。その一環として,
1968年に当社が施工した下の原(しものはる)ダムをリニューアルして貯水量を増やす工事が,2006年,当社JVの施工で完成した。
下の原ダムは,佐世保市を流れる小森川水系鷹巣川をせきとめた水道用水を貯える重力式コンクリートダム。竣工以来40年近くが経過し,近年の水需要の増加に対応できなくなりつつあった。既存のダムの堤体を嵩上げし経済的に貯水量を増やす工事が,水道用水を供給するという機能を維持したまま行われた。工事は2003年9月に着工して2006年12月に完成し,貯水量は従来の1.7倍に増えた。
このような既存のダムのリニューアルは全国各地で広く行われている。水道用水や農業用水用のダムでは,下の原ダム以外に東京都・山口貯水池(埼玉県所沢市)や東北農政局・山王海ダム(岩手県紫波町)など,当社は多くの施工実績を持っている。 |