環境保全に心配りした技術

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AIRS(エアーズ:AIR REFRIGERANT SYSTEM)というシステムがある。 空気のみを冷媒として冷却する新しい冷凍・製氷システムである。 AIRSは、熱を遮断して圧縮した空気を膨張させると温度が下がるという元来あった原理の利用から始まっている。 それに加え、冷却装置だけでなく、システム全体の性能アップをめざして研究開発が進められた。 オゾン層の破壊や土壌汚染、水質汚染などのない、空気を冷媒とした冷凍・製氷技術の適用第1号は冷蔵倉庫に決まった。 空気と水と電気だけを使った環境に優しい冷却システムは、今後物流、貯蔵、空調、レジャー、エネルギーなど様々な分野での活用が期待される。
 このシステムにたどりつくには、既に開発が先行していたフラッシュフリーズシステムの成果が生かされている。 フラッシュフリーズは、直接接触製氷技術による氷蓄熱システムで、水と冷媒を混合状態でノズルから吹き、真空中で冷媒を蒸発させ、氷を作る。 このシステムは、熱交換率が高いため、コストダウンやコンパクト化を図ることができる。 冷媒は地球にも人体にも無害で、人工血液にも使われているパーフルオロペンタン(C5F12)を使用している。 研究は10年以上前から行われていたが、このほど技術研究所西調布実験場22号館に、実用化第1号が完成した。



写真は鹿島月報より転載

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