快適な風、光、室内環境を求めて

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 技術研究所西調布実験場22号館は、技術研究所で一番新しい施設である。 ここでは、風と光とコンクリートの実験を行う。
風洞実験施設
 風洞実験施設は、幅4.5m、高さ2.5mの巨大なトンネル状の風洞が、全周121.9mの楕円になっているもので、そよ風から台風規模の風まで発生させることができる。 ここでは今後ますます複雑化するビル風や、高層化・大型化する構造物の耐風設計のための実験、大規模地域開発のための実験などが行われる。
 また建物周りの複雑な風の流れを解明するために、本来見ることのできない空気の流れを見えるようにした 可視化風洞 や、ビル風などの実験・調査を行う 汎用境界層風洞 もある。
可視化風洞

汎用境界層風洞

光・視環境実験室
 光・視環境実験室では、建物への自然光の利用法や、人工光の演出法、内装材の反射特性などの物理・生理・心理効果の実験・研究が行われている。 大空間建築の人工光、自然光によるぎらつきやまぶしさの防止技術や、 太陽の直射光を天井に反射させて、室内にむらなく行き渡らせるための直射光有効利用システムの研究、 VDT作業における視環境の改善や眼精疲労を防止するための研究が行われている。


 快適な環境を作り出すためには、目に見えない対象物にも配慮が必要である。 テレビ電波やOA機器への電磁波対策などもそのひとつである。
電波透過型カーテンウォール

 テレビ電波は高層ビルの壁面で反射し、ゴースト現象が起きる。 技術研究所では、この電波反射障害を建物側で防止する電波透過型VFRCカーテンウォールを世界で初めて開発した。 カーテンウォールに、鉄筋の代わりに電波を通す非金属のアラミド繊維筋やビニロン短繊維が使われている。 フェライトを全面的に用いた従来型のものより軽量化、低コスト化が図れ、デザイン性にも優れている。 技術研究所ではこのカーテンウォールを使って反射特性の実大実験を行い、効果を確認した。 今後のオフィス環境に欠かせない電磁対策の有効手段として、活用が期待される。



写真は鹿島月報より転載

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