特集:ユーザー志向のe-KAJIMA

KDNS
Kajima Digital Network Servicesの展開

シンプルで誰でもが使いやすいシステムを目指して

 当社では,2001〜2003年度の経営基本方針として「新生3ヵ年計画」を定め,各分野の経営機構改革を推進している。「KDNS(Kajima Digital Network Services)」とは,新生3ヵ年計画の主要施策に位置づけられた全社IT推進活動の総称である。
 その目標は,顧客への付加価値の提供,スピード経営,生産性向上といったスローガンを掲げているが,具体的には,次の4つの視点から業務形態を変えていくことを狙いとしている。

1.建設プロセスの並行化と縮約
 業務のプロセスごとに分断してきた情報を,上流から下流へコンカレント(同時並行)に流しプロセスを圧縮することで,大幅な生産性の向上を実現していく

2.スケール・メリットの活用
 コンピュータ機器の集中管理・集約発注や電子発注分野,さらにはグループ会社との連携によるライフサイクル分野への事業領域の拡大など,鹿島グループ全体のスケール・メリットを活かしていく

3.「ワンストップ・サービス」を目指したネットワーク利用の業務サービス
 KDNS構築の後は,各種データベースや工事記録などが,すべてイントラネット経由で,現場・拠点のどこからでも同じ情報にアクセスすることが可能となる

4.情報階層のフラット化
 今後は中間階層や間接業務をできるだけ排除し,現場からトップまでの情報階層をフラットにしていくことで,スピード経営を実現するとともに,組織自体も一層の簡素化・スリム化を実現していく

 KDNSのシステムはつくって終わりではない。実際に使われて,さらに良いシステムへと改善・改良を加え,真に定着するまで育て上げていかなくてはならない。これが,KDNSの「S」を「システム」ではなく,「サービス」とした由縁だ。
 これらの全社的な活動を通じ,既存の業務のやり方を見直していくことで,建設事業本来のコア業務への集中・強化が重要である。KDNSの目指すところは,ものづくりと顧客サービスの最前線である現場と支店の日々の業務環境を,ITを活用することで効率的かつ簡便なシステムに変え,「生産性と利益の向上」を実現することにある。
 顧客へのサービス提供を第一に考え,現場・拠点から社員ひとり一人までが,鹿島のノウハウ・技術を最大限利用して能力を発揮していくことをKDNSはサポートしていくのだ。
「KDNS」のイントラトップページ 「KDNS」のイントラ
「KDNS」のイントラトップページ(左)。全社IT推進活動の総本山となり,業務形態の革新を推進する。方針を社員の会話形式で分かりやすく解説するページもあり(右),ITリテラシーに対するバリアフリー化を図っている
何でも掲示板 KDNS建築ITサポートセンター
「何でも掲示板」はいわば鹿島版チャット。社員個人のデータや知識,意見を「組織の資産」として交換・蓄積されていく。「生産システムの進化論」について議論が繰り広げられるなど,内容は多岐にわたる 「KDNS建築ITサポートセンター」のトップページ。建築部門が利用するさまざまなデータベースやアプリケーション類が集約され,業務でのITの運用と展開をサポートする

KDNS心得
1.
建設基幹システムは全社統一する
2. データの二重入力を排して簡素化・ 効率化する
3. 社員は自分でセルフ入力・活用する (中間・中継業務の排除)
4. データや知識などの情報を「組織の資産」と考え,部署・部門を横断して活用する


e-Concept 鹿島のITサービス
e-Communication 顧客ニーズとのインターフェイス
e-Construction 建設プロセスのインターフェイス
e-Company 組織と社員をつなぐインターフェイス
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