特集:アフリカの大地に刻む日本の技術 アルジェリア東西高速道路建設工事を訪ねて![]() |
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![]() 今回の事業は,アルジェリア政府が主導する一大国家プロジェクト。国内を東西に横断し,東のチュニジア国境から西のモロッコ国境までを結ぶ,総延長1,200kmの高速道路を建設する。全体は3つの工区(東工区,中工区,西工区)に分割され,中,西工区は中国の企業連合が施工中。当社を代表とする日本企業連合COJAAL(Consortium Japonais Pour l'Autoroute Algérienne)は国際競争入札により,2006年9月,チュニジア国境からアルジェリア中部までの東工区を担当することとなった。 現状では,チュニジア国境からモロッコ国境までは車で2〜3日程度かかるが,高速道路の完成により大幅に短縮される。アルジェリア国内の交通,物流の大動脈として,国の経済発展に大きく寄与することが期待されている。 過去最大級の海外インフラ工事 COJAALが担当する東工区の区間延長は約400km。片側3車線,上下線6車線の高速道路で,日本の東名高速道路・東京〜大垣(岐阜県大垣市)間とほぼ同規模となる。路線中には,本線橋43か所,トンネル3か所などの構造物が含まれ,これらを,調査・設計・施工を含め40か月の工期でつくり上げる。日本企業が海外で請負う社会インフラ整備事業としては過去最大級で,土工事量は約1億1,000万m3(東京ドーム約89個分),コンクリート工事量は約193万m3(東京ドーム約1.6個分)となる見込みだ。受注に際しては,アルジェリアが地震国であることを意識した耐震設計技術に加え,GPSなどのIT施工を駆使した技術力が高く評価された。 工事では,建設路線上に7つのキャンプを配置している。キャンプごとに主たる施工会社を決め,同時進行で施工する体制がとられている。路線のほぼ中央にあたる国内第3の都市コンスタンティーヌにはHQ(HEAD QUARTER:総合事務所)がおかれ,各キャンプを統括している。また,首都のアルジェには発注者対応の拠点が置かれている。 東工区全体で当社社員約90名,その他日本人社員・スタッフ約570名が駐在。作業員はアルジェリア人が約1万500人,東南アジア系などその他の外国人が約6,000人。大型重機の多くは日本から持ち込まれ,約5,000台がフル稼動している(2008年10月現在)。 |
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HEAD QUARTER(HQ:総合事務所)の役割 |
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HQでは東工区全体の管理・運営のほか,各キャンプの工事管理業務,重機や資材の集中調達業務,総務や人事などの事務統括業務などを担っている。週に一度,COJAAL幹部,各キャンプ所長が出席する全体会議が開催されるほか,土工部会,構造部会などの専門部会が定期的に開催され,キャンプ間の情報の共有化が図られている。 | |
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【東工区全体工事概要】 工事名:アルジェリア東西高速道路建設工事(東工区) 発注者:アルジェリア公共事業省高速道路公団 規模:道路―片側3車線上下6車線高速道路(約400km)/ 構造物―トンネル6本(延長9.4km),本線橋梁43ヵ所,横断道路橋88ヵ所,横断道路トンネル109ヵ所/土工事量 約1億1,000万m3/コンクリート工事量 約193万m3 工期:2006年9月〜2010年1月(40ヵ月) (鹿島・大成・西松・ハザマ・伊藤忠共同企業体施工) |
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■ CHAPTER
1 プロジェクトの概要 ■ CHAPTER 2 キャンプでの日常生活 ■ CHAPTER 3 interview ■ CHAPTER 4 各キャンプの施工の様子 |