特集:アフリカの大地に刻む日本の技術 アルジェリア東西高速道路建設工事を訪ねて![]() |
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東工区全体の7つのキャンプのうち,当社が主として施工を担当するのは,キャンプ2,キャンプ4,キャンプ7。それぞれに特徴を持つ3つのキャンプを紹介する。 |
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地平線に向かって施工する キャンプ2の担当工区は,総延長104km。全体でもキャンプ7に次ぐ2番目の長さだ。全体的に平坦で,周囲に遮るものもなく遠くまで見渡せることから「地平線工区」と呼ばれている。 ここでは,工区全体にわたりIT施工を採用。GPSを活用し,重機の動きや測量業務などを管理している。GPSアンテナを装備したモーターグレーダーは,ブレードの高さや角度が自動的に調整できるので,オペレータの前後進操作で,精度の高い作業が可能となる。IT施工を担当する平岡耕介さんは,「当初,外国人オペレータはシステム自体を信用してくれず,教育には予想以上の時間がかかりました」と話す。 国内でもIT施工は実施されているが,今回は規模が桁違いのため,その効力も絶大。今後,他のキャンプでも実施される予定である。 |
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作家の曽野綾子さんが現場を訪問 |
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2008年3月,作家の曽野綾子さんがアルジェリアを訪れた。現場をくまなく取材し,大型重機にも試乗されたほか,社員と同じ宿舎に宿泊された。そのときの様子は多くのメディアに発信されたが,雑誌「Voice」(2008年6月号
PHP研究所発行)では,次のように紹介している。 「なぜこれほどの仕事をしている現場が日本では全く報道されないのだろう,と私は不思議だった(中略)私は昔から土木の現場は,その国を理解する細部のデータが日々集まる情報の宝庫だと思っている(中略)現場には500人の日本人の技術者集団と500台の重機の大部隊が集結している。大まかに言うと,40ヵ月で400キロの道を作ることが可能かどうかの厳しい試練が始まったのである。(中略)厖大な量の土砂を,どかしたり盛り立てたりしなければならない。これは才覚や気の持ちようでできる仕事ではない。」 |
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地すべり地帯での慎重な作業 キャンプ4は,HQから車で40分ほどのコンスタンティーヌ市郊外の山の上にある。標高は約1,000mで,市街を一望できる。 ![]() アルジェリア国内では,治安の状況から火薬に対する規制が厳しく,発破作業に大きな影響を及ぼしている。現場では,工程を促進すべく,トンネルの前後から掘り進めるだけでなく,中央付近からも掘削するために,トンネル中心部に向けて作業用トンネルも掘削中である。 |
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梅田会長と中村社長が現地の社員を激励 |
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梅田会長は,2008年4月12日から6日間にわたって現場を訪問。キャンプ1から5までを入念に視察し社員を激励した。懇親会では多くの社員と交流を図り,労をねぎらった。滞在中には,アルジェリア公共事業省のグール大臣とも面会し,ともに現地メディアの取材に対応した。 中村社長は,2007年7月8日から10日にかけて現場を視察。社員を激励するとともに,懇親会で社員と交流を図った。帰国後,「会社の総力をあげるプロジェクト。国内とは全く違う危険や不安に晒されている社員を,全社でバックアップしたい」とコメントしている。 |
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キャンプ7の担当工区は,チュニジア国境からアルジェリア側への124kmで,全キャンプの中で一番長い。周辺は海に近く,緑も豊富な地域だ。高速道路は,国境付近で「エル・カラ国立公園」を横断することから,道路の下に,羊のほか蛙などの小動物が通ることを想定した通路が設けられ,環境と生態系の保全に配慮された設計となっている。 他のキャンプに比べ正式契約までに時間を要したため,当社だけではなく,COJAAL各社からも社員や工事関係者が配置され,COJAAL全社の総力で今後更なる工程の促進を目指す。 |
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キャンプ周辺の街 |
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首都のアルジェは人口およそ550万人の大都会。中心部では,ファーストフードやインターネットカフェなどが軒を連ねる。COJAALのアルジェ事務所は治安の良いヒドラ地区と呼ばれる住宅街にあり,多くの日本企業がこの地区に拠点を構えている。日中,多くの人々が行き交い,賑わいをみせるのがマルシェ(市場)。食料品から衣料品,日用雑貨を取り扱う店が並び,新鮮な海産物や野菜が所狭しと並べられる。この市場が街の人々の生活を支えている。 HQのあるコンスタンティーヌは,「橋の街」と呼ばれている。植民地時代にフランスの土木技術などが導入され,市内を流れるルメール川の絶壁に様々な形の美しい橋が架けられた。街のいたる所にこれらの眺望ポイントがあり,「橋の街」を堪能できる。 アルジェリア国内には世界遺産に指定されている「ジャミラ」や「ティパサ」,「ティムガッド」などのローマ時代の遺跡群も存在し,あまり知られていないが観光資源は豊富である。 |
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■ CHAPTER
1 プロジェクトの概要 ■ CHAPTER 2 キャンプでの日常生活 ■ CHAPTER 3 interview ■ CHAPTER 4 各キャンプの施工の様子 |