特集:アフリカの大地に刻む日本の技術 アルジェリア東西高速道路建設工事を訪ねて
CHAPTER 2 キャンプでの日常生活
充実したキャンプ施設
 HQを訪れたのは10月初旬。現地ではそろそろ雨季に入る時期だった。日差しが強く日中の気温は30度を超えるが,空気は乾燥しており,日本のような蒸し暑さは感じない。一転,朝,夕は吐く息が白くなるほどの肌寒さとなる。
 治安上の問題から,工事関係者はキャンプ施設内での生活を余儀なくされる。HQのキャンプ敷地は約2.5mの高い塀で囲まれ,見張台では警備員が24時間体制で社員の安全確保に余念がない。敷地面積は約3.6ha(東京ドーム0.8個分)で,その中に事務所棟,宿舎棟,食堂棟,娯楽室棟などがあリ,100名程度が生活している。(うち当社社員18名)
 社員用の宿舎棟の部屋は,10畳程度のワンルームに風呂とトイレが併設され,ビジネスホテルのような印象だ。大きな窓からは日差しが入り込み,室内は明るい。テレビは,日本の番組も1チャンネルだけ視聴可能だ。アルジェリアに赴任以来2年になるHQの田坂剛一工務課長は「設備面での不自由は感じません。社員は敷地の中での生活を楽しもうと,各自が工夫しています」と言う。
 HQのキャンプ内にはテニスコートやグラウンドなどが整備されている。野球場やゴルフ練習施設が完備されているキャンプもあり,休日に体を動かす社員も多い。定期的にキャンプ対抗のソフトボール大会なども開催され,健康増進と社員間の交流が図られている。
MAP キャンプの各所に見張台が設置されている
キャンプ敷地全景。長屋のような横に細長い平屋の仮設建屋が並ぶ。中央から右側が事務所エリアとグラウンド,左側が宿泊,食事,娯楽エリア(写真はキャンプ4)
HQの宿泊棟。1棟あたり18〜26部屋で,5棟120人分の部屋が用意されている HQの社員用の部屋 HQの社員用の部屋
家族とのコミュニケーション
 社員の現地赴任に際し,家族の帯同は認められていない。日本の家族とのコミュニケーション手段として,最近,社員の間で流行っているのが,インターネット回線を利用するテレビ電話だ。キャンプ2の岡田浩司工事課長は「キャンプ内ではLANの環境が整えられており,インターネット通信にストレスは感じません。家族とは毎日会話しています」と利便性を語る。
専用のマイク付ヘッドフォンで家族と通話中の岡田課長
HQキャンプのテニスコート COJAAL全体で編成されているラグビー部は,発足して半年。対外試合も予定されておりHQの下川恒司監督(右から2人目)の指導にも熱が入る ソフトボール大会の様子
column キャンプでの食生活
キャンプでの食生活 HQの食堂では,ホテルなどで30年の調理経験をもつ日本人コックが腕を振るっていた。メニューは,魚,肉,麺類などバランスのとれた日本食。食材は3ヵ月毎に日本から調達しており,各キャンプに届けられる。毎週金曜日の休日は,アルジェリア人コックが現地料理を提供している。
 HQでは月に1回程度,懇親会が開催されるが,その際はパーティメニューが用意される。取材初日も,焼き鳥やマグロの刺身などが提供され,会場は日本の居酒屋さながらの雰囲気だった。
1週間のメニュー例
サイドメニューも充実 食堂の様子

 CHAPTER 1 プロジェクトの概要
 CHAPTER 2 キャンプでの日常生活
 CHAPTER 3 interview
 CHAPTER 4 各キャンプの施工の様子