特集:集客の仕掛けを創り込む ――新しい時代の商業施設![]() |
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都市の駅前,または駅の徒歩圏内にある。高層で,老舗店舗やブランドショップ,レストランなどが入る。 都市が持つブランド力を維持し,都市の活性化を推し進める。 |
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三越銀座店 わが国のリテール業界を牽引してきた銀座。世界に知られるショッピングタウンである。 この地で1930年以来営業している「三越銀座店」が新館建設を進めている。 買い物客だけでなく,地元に開かれた施設を。新たな試みが銀座4丁目に新風を巻き起こす。 |
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【建物概要】 場所:東京都中央区 発注者:株式会社三越,田中不動産株式会社, 最所慶子・野村隆,有限会社藤木酒店,有限会社美松 設計:当社建築設計本部 規模:SRC造一部S造(CFT構造) B6,13F 延べ 81,500m2 工期:2008年7月〜2011年2月 (東京建築支店JV施工) |
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本館と新館をつなぐパサ−ジュ空間の創出 ![]() 当社は,三越銀座店の本館建設に始まり,以後も改修工事に関わってきた。新館と本館とはパサージュ(通路)上空で接続して一体化される。 「本館と新館のスムーズな人の流れを,創出したい」という施主の要望を,両館の一体化とその間に生まれるパサージュの工夫で応えた。パサージュと新館の天井面に同じデザインを踏襲することで,エントランスに広がりのある空間が演出できる。周辺の柱は鏡のような素材で覆い,買い物客や通りを歩く人,通過する車などの賑わいを映し込む。 「万華鏡のように刻々と変化することで,人を引き付けることができる。パサージュとエントランスの一体化したスペースは,従来の単なる通路や買い物客が出入りする通り抜けの場ではありません。賑わいを連続させ,広がりを持たせることを意図したのです」と,設計を担当する建築設計本部の坂本弘之グループリーダーはいう。 |
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銀座の街に「広場」を 「銀座に憩いの場が欲しい」。銀座を訪れる人の長年の要望だ。本館の屋上と新館9階を一体化することにより,街に開放された銀座テラスを創り出す。地上31mのテラスには,木を植え,ベンチを作り,緩やかな起伏をもった芝生広場を設けて,イベントなどフレキシブルに利用する。整然とした銀座の街路から開放された安らぎと憩いの空間だ。 |
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3つの階層に分かれたファサード 銀座には31mのスカイラインがあった。建物の軒高を100尺以下に制限していた時代の名残で,これが統一された街並みを形成する基となった。現在では地区計画の変更で,56mの高さまで建てられるようになっている。 新館の外壁は,パサージュを含む列柱とガラスサッシで形成する低層ライン,銀座の街の落ち着いた雰囲気に調和した石張りの31mライン,ガラスカーテンウォールからなる56mの新しいスカイラインという3層からなる。これらのデザインが銀座に相応しい,上品でエレガントな印象を与える。 |
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世界の銀座の真ん中で |
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(仮称)三越銀座店 新館共同ビル建築JV工事 中村圭治 所長 ![]() |
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新館工事を担当する中村圭治所長が目指すのは「顧客・JV・協力会社・近隣住民・歩行者など,現場に関わる全ての人が安全で,安心できる現場づくり」。現場は世界有数の繁華街・銀座のど真ん中にある。 全ての作業で,2重,3重の安全策を設けている。少しの落下物が大事故に繋がりかねない。「安心」に対する工夫は詳細なところにも及ぶ。 本館の営業を継続しながらの新館建設であり,商品の搬入動線の確保は絶対命題。通常,建築工事の仮設計画の動線は1パターンだが,本工事では,工事の進捗に伴い10を超えるステップを踏むという。 また騒音・振動にも細心の注意が必要で,営業中の本館の隣,ひいては,人通りの絶えない銀座の中心での工事であるため,昼間,夜間,深夜早朝を問わず,適切な時間帯での作業工程を計画・実施している。 「めざせ安心第一現場!をスローガンに,施主の思いを最大限に汲み上げて,銀座の核となるような立派な商業施設を創り上げたい」と,中村所長は話す。 |
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