特集:集客の仕掛けを創り込む ――新しい時代の商業施設![]() |
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ブランドが持つ世界観を反映する施設。コアなファンが購入したい物を買いに行ったり,目的を持って行く場所。 分かりづらい場所であっても,探索する楽しみを持って客が訪れる。 |
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CHROME HEARTS TOKYO ブランドショップが建ち並ぶ青山。「CHROME HEARTS TOKYO」は,骨董通りから少し入り込んだ場所にある。知る人ぞ知るという場所に,ブランド愛好者は特別感を持って訪れる。クロムハーツが持つブランドのイメージを具現化した建物に,訪れた人はある種の高揚感さえ感じてしまう。 |
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【建物概要】 場所:東京都港区 発注者:株式会社ユナイテッドアローズ 設計:当社建築設計本部 規模:RC造 B1,3F 延べ 822m2 2008年4月竣工(東京建築支店施工) |
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ブランドの価値観を表現する ブランド創始者のリチャード・スターク氏は愛車ハーレーへ乗る時に身につけるウェアーなどをハンドメイドで作り,様々なアイテムを生み出した。これがブランドの始まりである。現在もシルバーアクセサリーやレザーウェアーを中心にトップブランドとしての地位を築いている。 こうしたブランドショップ本店の改修・増築工事を当社が依頼された。設計を担当した建築設計本部の丹羽雄一チーフは,最初の打合せでリチャード氏より「新旧および相反するものの融合と共存」というブランドコンセプトとそれを表現することの重要さを直接伝えられた。 |
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高密度な都市に与えられたオープンスペース 青山という土地柄,敷地いっぱいに造る建物が多い中,あえてオープンスペースを設けた。来客のアプローチにもなるこの空間は,既存と増築,新旧それぞれのファサードを対峙させて,新旧融合のブランドコンセプトを実現している。訪れる人々が敷地内に足を踏み入れた瞬間からブランドの世界観に浸れる目論見だ。 |
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表現へのこだわり −廃墟をイメージした手摺− ![]() クロスモチーフが刻まれた階段手摺は世界中の店舗共通。それらが全て木製であるのに対し,今回の計画ではコンクリートの持つ廃墟的なイメージで作ることにリチャード氏がこだわった。最終打合せで丹羽チーフが「コンクリートで木製と同じ形にするのは難しい」と伝えると,リチャード氏は徹夜で原寸大モデルを作り,周囲を説得する熱意を持っていた。その熱意に現場も応えた。原寸大モデルを元に特殊型枠を作成。細かい凹凸を表現するため骨材の粒径を小さくするなどの工夫をした。型枠をはずす際に細部が欠けたが,それを見たリチャード氏が「一生懸命やった結果で欠けたのは,むしろ廃墟に相応しい」と言った言葉が丹羽チーフの印象に残った。 |
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ワイ・エム・スクウェア表参道(ナイキ原宿) 原宿駅近くは若者文化の街である。駅からけやき並木の表参道沿いに,緩やかな下り坂を行くと「ワイ・エム・スクウェア表参道」がある。洋菓子メーカーのヨックモックホールディングス所有の建物にスポーツブランド・ナイキがテナントとして入る。代々木公園に近い立地も意識し,店舗デザインのコンセプトは「プレイグラウンド」。国内外の有名ブランドからも引く手あまたのインテリアデザイナー・片山正通氏,ナイキ,そして当社がコラボレーションを行った。 |
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【建物概要】 場所:東京都渋谷区 発注者:株式会社ヨックモックホールディングス 総合企画:三井不動産株式会社 設計:当社建築設計本部 規模:S造 3F 延べ 1,466m2 2009年10月竣工(東京建築支店施工) |
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散策感覚でショッピング ![]() 建物の入口は両脇に2つ,少し角度をつけて設置されている。「人の流れに沿うかたちで,通りから自然に散歩するような感覚で入れる店構えにしました」と建築設計本部・柴田 作統括グループリーダーはいう。角度をつけたガラス面から店内が見えることで,期待感を盛り上げる。 都会で自然を感じる けやき並木を意識して,建物の高さを3層にしたことで街並みとの調和が図られている。「透明感の高いガラスのファサードは,外からと内からの両方の眺めを楽しめます」(建築設計本部・新村喜幸チーフ)。店内から見えるけやきは手が届きそうなほど間近に感じられ,都会にいながら自然を感じつつ買い物が楽しめる仕掛けだ。 |
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ディスプレイで作り出す動線 建物に入ると,まずトラックレーンと跳び箱型のショーケースが目に入る。まさに「プレイグラウンド」だ。2階へ上がる大きな階段の頭上には500足のシューズで作られた「シューズ・シャンデリア」がディスプレイされ,自然に上階に導かれる工夫がされている。2階かららせん階段を上がると人工芝の敷かれたフットボール専門のフロア。ここには500足の真っ白いサッカーシューズがファサードのガラス面に浮かぶようにディスプレイされ,表参道を行き交う人々にインパクトを与えている。 |
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