特集:安全文化を築く

トップダウンの安全管理
中村社長は2005年6月の就任以来,常に陣頭指揮で安全管理活動に取り組んでいる。
社内外へのメッセージにおいても,折に触れて「安全なくして信頼なし」との考えを示し,
自ら安全ポスターのモデルになるなど,安全に対する「個々の意識改革」を実施してきた。
その中から,社員研修での講話と現場パトロールについて紹介する。
研修参加者に語りかける中村社長社員の安全環境教育で直接思いを伝える
 2007年6月7日,社員安全環境教育の一環として当社ドーミー木場研修室で開催された「所長研修」で,中村社長が講話を行った。33名の研修参加者は,安全や品質に関する会社トップの意向に真剣な面持ちで耳を傾けた。
 講話要旨は以下のとおり。

 お客様は現場所長を「鹿島の顔」と考えている。所長が鹿島の顔であり,当社組織は,全て現場のための組織でなければならない。管理部門は問題を所長一人に抱え込ませてはいけない。所長を孤独に思わせないのが,管理部門の力である。現場所長は,現場のために,支店,本社を上手に使うぐらいの気持ちをもってもらいたい。
 ひとたびトラブルが発生した際は,その初期対応,初動報告が重要である。トラブル発生時の対応力,応用力はまさに現場所長の腕の見せ所である。まずはありのままの事実を,真正面から受け止めて頂きたい。それがお客様への信頼回復につながるのである。
 支店や本社も自分の事として対応すべきであり,所長は「ベストを尽くしたか」と自問して欲しい。一人に責任を押し付けるのではなく,辛いことも嬉しいことも,全社一体となって,みんなで分かち合っていくのである。「one for all, all for one(一人は皆のために,皆は一人のために)」の精神で,現場を運営してもらいたい。
 当社の今の地位は,永年の現場所長のすばらしい実績によるものである。「技術の鹿島」は,まさに現場の成果に支えられている。社長としては,現場のため何ができるのか,常に考えていきたい。皆さんの後ろには社長がついているので,誇りをもって業務に邁進して頂きたい。
講話の様子
自ら現場をパトロールする
 中村社長は,「現場と社長は一体である」との思いから,自ら積極的に現場を巡視している。訓示での激励を受け,社員や作業員のモチベーションも向上する。
現場パトロールの流れ
1. 朝礼参加、訓示
朝礼参加者一同は,緊張の面持ちで訓示を聞く。社長はラジオ体操の輪にも率先して加わる
2. 工事概要等の説明
工事の概要や進捗状況,当日の作業内容等について説明を受ける
3. 現場パトロール
現場を巡視。社員や作業員に気さくに声を掛け,現場の状況を確認する
4. 講評
現場での指摘事項について,関係者で対応を協議する
5. 就労ヒアリング
現場によってはパトロールに引き続き,就労ヒアリングも実施される。現場の就労環境について,活発な意見交換もなされた
パトロール実施現場
2007/6/1現在
2005年8月8日 (仮称)九段北プロジェクト新築工事
2005年9月8日 国立新美術館新営工事
2005年9月15日
赤坂薬研坂北地区再開発(1街区)(2街区)新築工事
2005年9月22日
砂町水再生センター東陽系水処理施設その14・15工事
2005年9月27日
(仮称)みなとみらい21地区40街区開発計画新築工事
2005年10月19日
芝浦アイランド南地区新築工事/芝浦アイランドA1街区計画工事/
芝浦アイランドA2街区計画工事
2005年10月28日
川口栄町一丁目12番地区共同ビル新築工事/芝川・大門シールドJV工事/
(仮称)イトーヨーカドー川口並木ショッピングセンター新築工事
2005年11月4日
江波シールドJV工事
2005年11月7日
名古屋第一赤十字病院改築工事
2005年12月9日
石巻赤十字病院移転新築工事/仙空,第1増田川B他工事
2006年3月16日
(仮称)TOC有明計画工事/(仮称)新砂物流センター新築工事/
旗の台駅JV工事
2006年9月25日
(仮称)東京倶楽部ビルディング新築工事/
新霞が関ビルディングリニューアル工事/
霞が関ビルリニューアル工事/虎ノ門三井ビルリニューアル工事
2006年10月27日
(仮称)ニコラスG.ハイエックセンター新築工事
2007年2月26日
臨海道路工事事務所
今後も実施予定
中村社長は,昨年より全国安全週間のポスターに登場している。歴代社長の中では初の試みで,現場からも好評

 社長座談会 安全も品質も「チーム鹿島」で
 トップダウンの安全管理
 安全表彰あれこれ
 協力会社社長に聞く