特集:安全文化を築く

協力会社社長に聞く
「鳥の双翼」の関係にある,当社と主要な協力会社。
当社が造る建設物の品質,施工の安全を直接的に支える協力会社を代表して,
2社の社長に安全への取組みや,考え方について聞いた。
大木組 安全をセールスポイントにできる会社を目指して
大木勇雄 社長 当社では,社員・職長を対象とした「安全衛生協力会議」を3ヵ月に2回,親方や事業主を対象とした「関係請負人会議」を3ヵ月に1回開催しています。社員・職長への安全教育はもちろんのこと,雇用主への教育も徹底するようにしています。取引先の協力会社にも,安全大会を開催のうえ,報告するよう義務付けています。また,リスクアセスメントを取り入れた作業標準も作製し,危険発生の「可能性」や,「重大性」などを数値で表現し,より分かりやすく工夫しています。
 当社は,現場の仮設を担当する職種ですが,足場でも,組立完了時は完全な状態です。ただ,現場は常に動いているものであり,安全設備も常に変化を要求されます。それに応えられるよう,「常に完全な状態」を追求するのが当社の目標です。「うっかりミス」や「ヒューマンエラー」が発生しても,それを設備で補う,これが当社の使命であり,役割です。この思いを現場で実践し,「安全である」ことをセールスポイントにできる会社にしたい。
 安全教育には繰り返し指導することが必要ですから,定着した作業員を継続的に確保していくことも重要です。元請さんには,これからもより一層,職長や作業員を可愛がって欲しいと思います。会社としても彼等が誇りをもって働けるような環境作りに努めます。そうすれば,安全に対する意識もより向上するはずです。
各種表彰受賞の数々
高幸建設 「現場サミット」の開催で,積極的に安全確保に取り組む
岡川 直 社長  当社の安全に関するスローガンは二つあります。一つ目は「ルール遵守の徹底」です。ルール遵守を社内全域に浸透させるのに近道はなく,折に触れ,繰り返し指導することが必要だと考えています。二つ目は「自ら考え,自ら備える」です。他人任せにせず,自分の体は責任をもって自分で守る,という意識を植え付けようとしています。
 具体的な取組みとしては,月1回の「安全会議」,年2回の「安全大会」で安全教育を実施しています。また,各現場には,月に一度必ず「現場サミット」を開くことを義務付けています。現場ごとに当社の社員,作業員が集まり,安全や工程の打合せを行います。元請さんが毎月現場で行う「災防協」の高幸建設版です。サミット開催中は作業が出来ないので,事前に現場所長の了解のもとに開催しておりますが,「ぜひ実のある会議にして下さい」と応援してくださる所長さんもいらっしゃいます。
 当社のセールスポイントは,職長,作業員の殆どが「直傭」であることです。ですから安全に関しても,直接,教育・指導できますので,安全意識も高いです。
 今後はやはり,安全や施工技術面を含めた「人材の育成」が課題となるでしょう。現場での指導に加え,当社独自に技能講習等を実施していますが,各協力会社ごとでは難しい部分もありますので,元請さんと一緒に技能人材を育成していければ,と考えています。
「現場サミット」開催の様子

 社長座談会 安全も品質も「チーム鹿島」で
 トップダウンの安全管理
 安全表彰あれこれ
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