特集:YOKOHAMA BAYSIDE STORY 〜開港150周年の「ミナト・ヨコハマ」を歩く〜
ヨコハマ・ベイサイドめぐり 【みなとみらい地区】
(文中の太字は当社単独または当社スポンサーの施工物件。カッコ内数字は竣工年)
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 開港から12年後の1871(明治4)年,野毛浦海岸の埋立地に日本最初の駅舎「横浜ステイシヨン」が完成した。現在の桜木町駅の場所である。翌春,品川〜横浜間に初めての鉄道が開通,仮営業で陸(おか)蒸気が1日2往復した。直接鉄道工事には関わらなかったが,当社(鹿島組)も線路用砂利を納入,「鉄道の鹿島」への礎を築いた。桜木町駅前には「鉄道発祥の地記念碑」がある。
  みなとみらい地区の表玄関・桜木町駅前に建つ「富士ソフト本社ビル」(2004年)。この駅前広場から高さ296mの「横浜ランドマークタワー」へは動く歩道が延びている。1993年竣工のこの超高層ビルは,当社を含む26社のJVで施工した。ペディストリアンデッキで繋がる「横浜銀行本店ビル」(1993年)も,みなとみらい地区草創期の建物である。ポストモダンの超高層ビル時代の銀行ビルとして先駆的な存在になった。
  みなとみらい地区は,かつて三菱重工業横浜造船所のあった場所を核としている。わが国最初の石造ドックが2基あり,そのうちの2号ドックがランドマークタワーの足元に復原され,憩いの場になっている。
  1991年にみなとみらい地区に最初に完成した「パシフィコ横浜」(会議場・展示場・ホテル)を結ぶクイーンモールの中心部に,当社施工の地下鉄みなとみらい線「みなとみらい駅」(2003年)がある。「船」をデザインモチーフに,巨大な地下空間に露出したカラフルな空調ダクトの造形や丸窓などで,個性的な駅の表情を演出した。
  「横浜国際会議場」(1994年)は「パシフィコ横浜」の中心的施設で,5,000人規模の国際会議が開催できる。同会議場の北西に超高層マンション群が広がり,その中で楕円形の巨大ツインタワー「M.M.タワーズフォレシス」(2008年)が目を引く。隣接して「横浜みなとみらいスポーツパーク」(2006年),Jリーグ横浜F・マリノスの本社および練習施設「マリノスタウン」(同年)がある。
  国際橋を渡れば新港地区。輸入品などの商業施設「横浜ワールドポーターズ」(1999年)を過ぎると,横浜開港150年を記念したイベント「開国博Y150」会場の「ベイサイドエリア」の賑やかな空間が広がる。会場のひとつである横浜赤レンガ倉庫(新港埠頭保税倉庫)は,明治末から大正初期にかけて完成。2002年に広場と公園を兼ね備えた施設として観光整備された。
みなとみらい地区の風景

横浜銀行本店ビル
桜木町駅
復原された2号ドック
横浜ワールドポーターズ
富士ソフト本社ビル
「開国博Y150」の様子
M.M.タワーズフォレシス
みなとみらい駅
横浜国際会議場
マリノスタウン
column  
【開国博Y150】
  横浜開港150周年記念イベントで,テーマは「未来への出航」。横浜市内3つのエリアで開催している。メーン会場は,みなとみらい地区などを中心にした「ベイサイドエリア」で,会期は9月27日まで。直径20mの巨大バルーンに映し出される光と音と映像による地球環境物語「HOME」,高さ12mの巨大アート・マシンの蜘蛛が繰り広げるスペクタクルなどが話題を呼んでいる。
【横浜村】
 横浜村は大岡川と中村川に囲まれた入り海に面していた。この湾内へ山手台地(現在の元町)から,大岡川弁天橋へ向けて岬状の砂地が横たわり,砂州の先端に突き出た岬は「象の鼻」と呼ばれた。寛文年間(1661〜1673年)に内海の一部が埋め立てられ,吉田新田(伊勢佐木町一帯)などの新田が出現したが,開港を前にした横浜村は80戸余りの漁師小屋が並ぶ寒村だった。

横浜と私・・・・・・・・・・・・みなとみらいの街に魅せられて
臨港パークにて
横浜支店 建築設計部 部長 福嶋敏夫
 私は横浜の大学で建築を学び,特に横浜のベイエリアの都市デザインに興味を持っていました。当時,横浜市は都市機能強化を目指した「六大事業」に取り組んでおり,その一つである「都心部強化事業」に,みなとみらい地区は組み込まれていました。学生なりに横浜の都市づくりへの提案に取り組んでいく中で,この地域の将来構想に引かれてゆきました。
  鹿島入社後の1989年,横浜博覧会がみなとみらい地区で開催され,私は企業パビリオンの設計に携わりました。この頃には埋立てによる事業地拡大も進み,ほぼ現在の土地形状となっていました。
  博覧会後は,道路,地下鉄などをはじめインフラ整備が急速に進み,オフィス,商業施設,マンションなども続々と建設されてゆきました。赤レンガ倉庫周辺の変化は印象的で,私が学生の頃は落書きだらけの寂れた一角でしたが,いまは人々の憩いのスペースとなっています。古きよき横浜のシーンを,大切に保存しながら新たな価値を生み出している。学生時代に学んだ都市計画が具現化されていくーー。先を見据えた横浜の都市づくりの素晴らしさを,いま肌で感じています。
  みなとみらい地区は通勤経路なので,毎日街の表情を楽しんでいます。週末には家族と買い物や散策に訪れます。私のお気に入りは,臨港パークから見るミナト・ヨコハマの景色です。皆さんも是非一度ご覧になってみてください。
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