特集:建築施工革命序論

Revolution-0 いまこそ施工革命宣言のとき

 タワークレーンの存在しない超高層の現場──前ページと下の写真は現在,神奈川県海老名市で施工中の超高層マンションの現場だ。
 都市再開発の風景で見慣れているように,部材を吊り上げるタワークレーンは超高層建築の施工現場の象徴でもある。ところが,当社横浜支店の施工する海老名の現場では,超大型の建設用リフトで部材を持ち上げ,最上部にセットされた天井クレーンによって建方を行っている。こうした従来の常識にはない施工方法が,当社の現場に登場しはじめた。
 利益を確保するためのコスト削減・工期短縮の命題は建設業界全体が抱える課題だが,従来の建設手法だけではその圧縮率に限界がある。資材調達や設計の合理化など,工夫すべきさまざまな分野があるものの,職務においても収益源においても建設会社の主役は施工現場だ。
 当社ではいま,施工方法や生産システムの抜本的な改革に取り組みはじめている。コスト削減・工期短縮に最も貢献できるのが施工の創意工夫であり,鹿島の総合力が活用できるポイントだからだ。
 また,製造業などの他業界が日進月歩で変化してきたのに比べると,建設業の現場の風景は数十年前と変化していないといわれるが,それゆえに大きな可能性を秘めているといえるのである。
 建設業界の危機が叫ばれる今日だからこそ,施工革命に挑戦せよ。全社の総力を現場に投入せよ──。
 タワークレーンのいない海老名の現場をみてみよう。
小田急海老名分譲マンション工事最上部の天井クレーンで所定位置まで水平搬送
通常どおりにタワークレーンを使用した当社の別の現場



Revolution-0 いまこそ施工革命宣言のとき
Revolution-1 タワークレーンのいない超高層工事
Revolution-2 座談会:総合力を現場に結集せよ
Revolution-3 躯体工事を攻めるクリエイティヴな現場たち