特集:新たな建築生産への取組み

合理化設計施工への取組み ニューNEOS構法

 合理化設計施工を具現化する代表的な手法がニューNEOS構法である。柱は圧縮力に強い鉄筋コンクリート,梁は軽くて曲げに強い鉄骨とし,柱と梁の接合部にはシンプルなNEOS金物を用いる。

 一般に,建物の構造はシンプルな方が望ましい。シンプルなほど,躯体に加わる力の流れが明快で,施工性も良くなる。これにより工期短縮やコスト低減の可能性が生まれる。


ニューNEOS構法概念図

 ニューNEOS構法が目指したのは,シンプルな部材とシンプルな組立てである。鉄筋コンクリート柱は,プレキャスト化され専門の工場において高度な品質管理の下で生産される。当社独自の接合金物は加工が大幅に簡略化されるため,従来とは異なる多様な鉄骨の調達方法によりコスト低減が可能になった。



NEOS金物
柱と梁の接合部に用いるのがNEOS金物。一枚の鋼板から切り出したシンプルな構造が特長である

 現場では,柱・梁を組立てジョイントをつなぐだけで,品質の高い耐震性に優れた躯体を造ることができる。複雑な部材や工程を極力減らして,天候に左右されやすい現場作業を簡易化・省力化し,高い品質管理や工期の短縮を実現している。南洋材型枠を使用せずに済み,廃材や騒音もほとんど発生しないため地球環境にも優しい。

 本構法は建設大臣の一般認定を取得しているため一般的な適用が可能で,当社では,積極的な適用を推進中である。認定取得以来1年余で6件のプロジェクトに採用され施工が進んでいる。現在,これに加え6件のプロジェクトで設計検討中となっている。


工場で鉄筋組立て中のプレキャスト柱



プレキャスト柱の建て方。現場作業は部材の組立てが中心



単純化された梁鉄骨の架設



鉄骨造なみの大スパンによる広々とした空間を実現



廃材や騒音の発生量が少ないのも特長の一つ



ニューNEOS構法を適用した竣工間近の泉新都心ビル(仙台市泉区)




キーワードは「合理化」と「情報化」
|合理化設計施工への取り組み−ニューNEOS構法
合理化設計施工への取り組み−CFT構造
情報化設計施工への取り組み−構造データベースCAD−LINCS