特集:「さいたま新都心」の誕生

首都圏の行政・防災の拠点
さいたま新都心合同庁舎1号館

 当社が施工したさいたま新都心同庁舎1号館は,新都心のほぼ中央に位置し,屋上に50mの通 信用アンテナを備えた地上31階建の超高層ビルだ。直径40mの緊急用ヘリポートを屋上に備える26階建の2号館,7階建の検査棟,平屋の厚生棟を合わせ,庁舎全体には,関東信越国税局や関東財務局など国の14の機関が移転される。移転後は首都圏の行政・防災の拠点として,また,埼玉 県民の情報・交流・文化の拠点として,重要な役割を担うことになる。
 今年1月末に1号館の本体工事を終え,現在,外構工事を残すだけとなった。この4年超の長きに及んだ工事では,様々な施工改善が行われた。特に徹底されたのは工事のユニット化だ。鉄骨,建具,設備配管,アトリウムシャッターなど,できる限りの工事を工場での組立と地組で行うようにした。その結果 ,高所作業と揚重回数の削減により,安全性と品質の向上,工期の短縮,コストの削減を実現した。
 また,建物には最新の技術が導入された。周辺環境へ配慮し,テレビ電波の反射障害対策を施したPC版。非常に大きな変形性能を有し,制振壁として採用した鋼材など。さらに,品質管理ではISO9000シリーズの施工要領をつくる際のモデル工事として国から指定された。 現在,5月の街びらきに向け,官庁の引越しが順次行われている。そして,3月中には全ての業務が開始される。


左から1号館,2号館,検査棟,厚生棟
左から1号館,2号館,検査棟,厚生棟


エントランスホールからの見上げ
エントランスホールからの見上げ
ユニット化された鉄塔部分
ユニット化された鉄塔部分

月のひろばから見上げる
月のひろばから見上げる。手前の建物には新都心のインフォーメーションセンターが開設される。守宮のオブジェは横浜在住の彫刻家による作品で,庁舎の家守となる


さいたま広域合同T工区建築工事
発注者 建設省関東地方建設局
設計・監理 建設省関東地方建設局,
日建・東畑・アールティケーエル共同企業体
規模 S造,一部SRC造・RC造
地下2階,地上31階,塔屋2階
延べ123,015m2
工期 1996年3月〜2000年6月
(関東支店JV施工)