バラエティ/ドラマ――スタジオの複層化
バラエティとドラマの制作を目的に計画された当スタジオ。計2,000坪におよぶ8つの大規模スタジオは,バラエティスタジオとドラマスタジオ(各4)を完全に分離し,2層に積み重ねるコンプレックス(積層複合化施設)とした。
スタッフの出入りや大型セットの搬入出が激しいバラエティ番組のスタジオを1階に,出演者と制作者が緊密な関係で番組づくりをするドラマスタジオを上層階に配置している。
「制作・技術・美術・出演者」の効率的・合理的活動空間
フロアのレイアウトは,動線の効率化,円滑な制作コミュニケーション,各種サポート施設の合理的関連性を主眼に設計した。
建物の中心にスタジオを配置し,これを美術倉庫とオフィスやタレント控室が取り囲み,内側から制作・技術,そして出演者がアプローチする「カプセル(内包)型」のレイアウトとした。
長時間にわたる撮影が多いドラマ制作を考慮し,ドラマ系フロアにはスタジオ・副調整室・タレント控室を同一階に配置。スタッフ動線の効率性を考慮した。一方,番組セットの入れ替え率の高いバラエティ系は,付帯設備の充実を図り,副調整室・タレント控室は複層化とした。
建物3面を使用した大型美術倉庫は,番組単位でのセット管理や種類別の資材管理が行え,安全性と機能性が向上。道路から資機材を直接搬入でき,6t積載可能なエレベータ2基の設置で,大型セットを直接スタジオへ搬入することも可能だ。これもスタジオと倉庫が隣接するカプセル型プランの利点なのである。
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