特集:地震リスクを考える

地震による被害を予測する

 地震動の推定をもとに,地震発生時における地域の被害を予測する。これによって防災拠点の立地や貯水施設の設置など,市街地整備の計画に適切な対応策を提案することができる。当社は,これまで蓄積してきた研究データをもとに,GISやシミュレーション技術を使って,対象地域の地震による建物の被害やライフラインの被害を予測するシステムを開発している。

建物被害の分布例


上水道被害率の評価例


 また最近では,1998年度通産省次世代GISモデル事業の防災分野で,「高精度地震災害評価システムの開発と多面的利用」をテーマとしたコンソーシアムの一員として参画している。このコンソーシアムは,地震動評価・地震被害想定システムをネットワーク場で公開し提供することによって,自治体や一般市民に対する高精度な情報サービスの実現を図ることを目的としている。また,高度な地震被害情報を損害保険業界や建設業界,公益事業体などの各産業分野で共有することで,社会的利便性や経済的波及効果の向上を目指している。当社はこの事業の中で復旧資機材管理システムの開発を進めている。


●津波の予測
 海底地形データ・地震断層データなどから,対象の海岸部での津波波高・到達時間などを計算する。図は,1946年12月21日に発生した南海地震に適用した場合。

津波到達図


●火災の予測
 建物間の燃え移りやすさを確率で表現し,地震発生後の出火件数予測の結果と合わせて,対象地域の焼失比率を評価する。

航空写真





都市防災における当社の取組み
地震の大きさを推定する
|地震による被害を予測する
診断から対応策を提案・提供する
経済的な損失を評価する
インタビュー:地震リスクにおける今後の取組みについて