特集:地震リスクを考える

診断から対応策を提案・提供する

 地震による被害をさらに具体的な形で見るには,既存の構造物を対象にその耐震性を診断することが必要だ。これによって構造物の補強や防災計画の立案・震災マニュアルの作成など,より具体的な対応策を提案することができる。
 特に,病院や庁舎・学校など防災拠点となる施設は,地震発生時における機能維持が重要になってくるので,その耐震性や防災機能を診断する必要性は高い。
 当社では,構造的な被害だけではなく,設備や機能の被害についても診断するシステムを開発している。また,これまで多くの実績を上げてきた耐震技術をベースに,診断の結果に基づいた最適な技術を提供している。


●病院の防災機能簡易診断システム
 病院のソフト麺である衣料機能について,その防災性を診断する。A4版の質問シートに記入し,データをパソコンに入力すると,診断結果がリアルタイムに出る。診断報告書はレーダーチャート形式で表示され,カラー出力が可能なのでビジュアルにも判りやすい。

病院の防災機能簡易診断システム


●耐震診断
 現地調査や設計図書をもとに構造躯体・非構造部材(仕上げ材など)・建築設備の面から建物の耐震性を判定する

耐震診断の流れ
耐震診断の流れ


●カジマ・リノベイト
 土木構造物の補修・補強・リニューアルの専門会社として1994年に設立。既存の土木構造物の耐震診断から補修・補強の設計および施工方法の提案と施工・新工法の開発などを総合的に行っている。

既存橋梁の免震化工法
既存橋梁の免震化工法


●居ながらリニューアル

制震改修−葛飾区総合庁舎
 葛飾区総合庁舎において庁舎を使用しながらの制震改修工事を行っている。制震装置ハニカムダンパを組み込んだ逆V字型ブレースを外周窓側に設置することで,従来の耐震補強に比べ,補強構面を約2分の1にすることができる。

葛飾総合庁舎 本館
葛飾総合庁舎 本館



免震改修−新潟県村上市庁舎
 新潟県村上市の市庁舎免震改修工事で移転・引越を伴わない「居ながら」の中間層免震構法を提案し,設計・施工を担当している。工事は食堂と機械室がある1階の柱頭部に免震装置の積層ゴムを組み込む中間層免震工法を採用。基礎部分を免震化する方法に比べ大がかりな地下工事が不要でコストの低減,工期の短縮を図ることができ,震度7にも耐えられる構造になる。

村上市庁舎
村上市庁舎





都市防災における当社の取組み
地震の大きさを推定する
地震による被害を予測する
|診断から対応策を提案・提供する
経済的な損失を評価する
インタビュー:地震リスクにおける今後の取組みについて