特集:AQUARIUM

ジンベエザメに会えるサンゴ礁に面した水族館
国営沖縄記念公園 新水族館

 美しいエメラルドグリーンの海とサンゴ礁に囲まれた南国・沖縄。那覇市から車で北に2時間の本部町に,国営沖縄記念公園海洋博公園はある。この公園には,当社が施工した水族館(1975年竣工),熱帯ドリームセンター(1985年竣工)があり,年間約160万人が訪れる沖縄屈指の観光名所となっている。中でも人気の高い水族館の隣地に,現在,新しい水族館の建設が進められている。





●世界最大級のアクリル大水槽
 この新水族館の特徴は世界最大の魚・ジンベエザメとダイバーの憧れ・マンタが雄大に泳ぐ「熱帯への旅大水槽」だ。水槽の大きさは37m×27m,深さは10m,水量は7,500tである。屋内で魚を飼う水槽としては世界有数だ。その大水槽の側面の一面に世界最大級のアクリル板がはめられる。アクリル板は幅22m,高さ7m,厚さは60cmにも及ぶ。重量はおよそ130t。7つに分割して搬入し,現場で重合(接合)し,設置される。その建て込みのために水槽内部に40tクレーンを入れるのだそうだ。

厚さ60cmのアクリル板
厚さ60cmのアクリル板


●豊かな自然と台風銀座のもとで
 この水族館の設備上の特徴は,目の前にきれいな海があるため着水槽から直接水を取り込むことができる点だ。熱帯への旅大水槽では,57機のろ過機により,一日12回水をろ過し,一日4回新しい水を取り込む。つまり,一日に16回水を入れ替えることになり,いつでも透明度の高い水で鮮明に魚を見ることができる。
 工事の苦労を,大野所長は「島特有の天気との闘いです。沖縄の台風は本土と違い,時速5〜10km位 のゆっくりした速さで進むため,風速40m/秒以上の強風が「2泊3日」にわたって吹き荒れます。また,南国特有の突発的な雨にも泣かされます。コンクリートを打っていたら突然のスコール。一方で今日は雨だからと職人を帰したとたん,晴れたり」と語る。
 工事は現在,躯体工事がほぼ終わり,いよいよハイライトのアクリル板の設置工事に入る。建物の竣工は2002年3月。世界が注目する水族館のグランドオープンは2002年秋の予定である。

熱帯への旅大水槽
トップライトが明るい「熱帯への旅大水槽」

海側から望む外観
海側から望む外観

完成予想パース
完成予想パース(海側の透明な部分が現水族館)

1〜2階平面図
1〜2階平面図

国営沖縄記念公園 新水族館建築工事
<工事概要>
場所 沖縄県国頭郡本部町字石川424
発注者 沖縄総合事務局開発建設部
工事監理 国営沖縄記念公園事務局
設計監理 国建
規模 RC造一部SRC造、S造
地上4階 延べ19,199m2
工期 1998年2月〜2002年3月
施工 九州支店JV施工




国営沖縄記念公園 水族館 (1975年竣工 当社施工)

 沖縄特有の熱帯魚が泳ぐサンゴの海や大型のサメやエイなどが見られます。ジンベエザメの餌付けや併設のオキちゃん劇場でのイルカショー,人魚のモデルとなったマナティーに会えるマナティー館も大人気です。
地図

国営沖縄記念公園 水族館
国営沖縄記念公園 水族館




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