特集:防災イマジネーションを高めよう
――いま地震がおきたら・・・
防災イマジネーションを高めよう

巨大地震の発生が切迫しているといわれる。耐震技術を中心とする防災対策は確実に進展し,その有効性も実証されつつあるが,地震への「備え」はこれで万全というわけにはいかない。正確な地震予知が困難である以上,災害を完全に封じ込めることはできないと認めたうえで,その被害を最小限にするにはどうしたら良いか――という視点からの「備え」が注目を集めるようになった。例えば,情報通信技術と構造制御技術の進展を背景としたリアルタイム防災システムの構築,事業継続管理(BCM)と呼ばれる新しいリスク管理手法の策定などが戦略の中枢にある。
その有力なツールとなるのが気象庁の「緊急地震速報」だ。この情報を活用して,当社が構築した「鹿島早期地震警報システム」など,各分野で機能やソフトの開発が進んでいる。こうした災害リスクの管理には,情報を受け取る個人にも適切な対処法が求められる。
大切なのは,それぞれが「いざ」という時を想定した具体的な対処マニュアルを備え,イメージ・トレーニングを積み,訓練と改善を継続することである。防災イマジネーション能力の向上は発災時の行動に直結する。
災害への自覚と備えを促すことにもなる。「あと10秒で地震が来るぞ!」。イマジネーション能力の向上と卓越した技術が,地域を,企業を,そしてあなた自身を救うのである。

※気象庁「緊急地震速報」
全国的に整備された地震観測網によって地震の初期微動を捉え,強い揺れが来る前に各地の予測震度や主要動の到達予測時刻などの情報を伝送するシステム。
2004年12月から気象庁が試験運用をはじめ,今年8月1日から特定利用者に限り正式運用をスタートした。



Chapter 1 企業防災のイマジネーション
Chapter 2 個人の防災イマジネーション
Chapter 3 地域防災とイマジネーション
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