特集:技術研究所50周年
研究開発の成果−土木技術編
土木分野では「どう自然条件を克服するか」が大きなテーマである。いかにして高品質のインフラ構造物を,より効率的に,安全に,ローコストで造るか。このため,材料の研究から,調査・試験・測定技術,解析・設計技術,施工技術,近年では解体・補修・補強技術に至るまで幅広い分野で研究開発を進め,設計や施工の現場に対して技術支援を行っている。また景観にも配慮した環境保全技術やシミュレーション技術等にも力を入れている。
設計や施工等現業部門が直面する技術的問題が早い段階で解決すれば,設計,施工の品質は向上し,工期も短縮することができる。技術研究所の研究開発の成果は,このような技術支援,技術協力を通じて人々の快適で豊かな暮らしや社会の発展に大きく貢献しているのである。
●地下発電所
地下発電所や大断面山岳トンネル等,地下に大空洞を安全かつ確実に建設する技術の確立に大きな貢献を果たしている
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施工中の東京電力葛野川地下発電所
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●長大橋
プレストレストコンクリート斜張橋の風揺れを,風洞で実験する
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秩父公園橋(埼玉県)
橋梁のスパンの長大化も技術研究所が長年取り組んできた重要なテーマの一つ
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●海洋構造物
重力式海洋構造物が着底した際に,波浪によってどのような動揺を示すかを実験し,構造物の設計や施工に反映させている
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●リニューアル技術
既存の橋脚を耐震補強する工法を研究開発し,実施工にフィードバックしている
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既存橋梁の免震化も実験を繰り返し行って実用化している
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●シールド
シールド関連技術は地盤関連技術の研究から始まっている。世界初の3連マルチフェースシールド機を開発・実用化
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3連シールドで施工し完成した大阪市地下鉄「大阪ビジネスパーク駅」
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●ダム
RCD工法等,ダムの合理化施工技術に,技術研究所で培われた研究開発の成果が反映されている
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完成した宮ヶ瀬ダム(神奈川県)
この日本最大級の重力式ダムはRCD工法で施工した
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