特集:温室効果ガスを削減する鹿島の技術
環境負荷低減へ向けた当社の取組みについて
 京都議定書による温室効果ガスの削減実行期間が4月から始まりました。わが国には,2012年までの5年間で1990年度比6%を削減する目標が課せられています。

 今年7月に開催予定の北海道洞爺湖サミットでは,ポスト京都,すなわち2013年以降の継続的な温暖化対策を見据えた,世界の枠組み構築が主要議題に挙げられています。議長国を務めるわが国には,国際協調に向けたリーダーシップを発揮することが求められています。
 エネルギー資源に乏しいわが国は,世界に秀でた省エネ技術で石油ショックなどのエネルギー問題に対処してきました。今後は,温室効果ガス削減を目途としたさらなる技術革新や意識改革が,企業・個人それぞれのレベルで必要となっているのです。

 建設業に課せられた温室効果ガス削減対策には,自らの事業活動に伴う環境負荷の低減と,お客様の排出量低減へ貢献する環境にやさしい建物のご提案という2つの面があります。前者は環境配慮に重点を置いた建設現場の運営,最新技術の適用であり,後者はオフィスや生産施設といった建物に関する高度な設計・エンジニアリング力による省エネの推進ということになります。
 過去に建設した建物を,現在の社会的情勢やお客様のニーズに沿うかたちで造りかえていくことも,建物のライフサイクル全体に責任を持つ建設業が取り組むべき重要な課題です。その意味において私たちは,建物の長寿命化,既存建物のバージョンアップやリニューアルで機能や資産価値の向上を図り,併せて温室効果ガス排出量の削減を通じて地球環境保全に貢献しなければなりません。

 地球市民共通の課題である温室効果ガス削減と,企業の責務である適切な経済・生産活動の維持。これらの持続的な発展を両立させる最善の策を見出していくこと。鹿島は,これまで培ったノウハウや最先端技術を活かし,常に環境問題に感度の高い企業,社会的責任を果たす企業でありたいと考えています。
代表取締役社長 中村満義

 環境負荷低減へ向けた 当社の取組みについて
 温暖化防止に向けた建設業の視点
 予測・判定する技術
 実現する技術
 監視・制御する技術