特集:温室効果ガスを削減する鹿島の技術![]() |
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LCMにおいて,最も長い時間を占めるのが,保守・運用ステージ。適切な監視と制御の技術が,長期にわたる温室効果ガス削減に効果を発揮する。当社開発のBEMS(ビルエネルギー管理システム)を駆使した環境負荷低減事例を紹介する。![]() |
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最適な運転効率を検証する 東京イースト21(東京都江東区)は,ホテル・オフィスビル・商業施設からなる大規模複合施設。1992年の竣工で,当社グループが開発から建物の設計・施工,保守・運用までを手掛けてきた。 同施設の熱源システムには,電気やガスといった複数のエネルギー源を組み合わせることで省エネを図る『ベストミックスエネルギーシステム』が採用されている。BEMSは,同システムの最適運転による省エネ化の検討に導入された。 BEMSの活用により,蓄熱設備面では,水蓄熱槽の温度プロフィールを作成・分析し,電力の夜間移行率を向上させることで,安価な深夜電力の利用率を高めた。また,コージェネレーションシステムでは,投入したガス熱量と,変換した電力量および回収した排熱量をそれぞれ計量し,検討することで,高効率運転を実現した。 これらの活動の結果,同施設ではエネルギーコストの大幅削減を達成した。 当社のBEMSは,その後開発された『ビルオペレーションドクター』や『エコカルテ』へ発展し,エネルギーリポート作成機能や空調運転性能評価ツールの充実を図っている。運用実態を正確に把握し,環境負荷の低減に貢献するシステムとなっている。 同施設における一連の取組みは,社外でも高く評価され,第4回空気調和・衛生工学会特別賞「十年賞」を受賞している。 |
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環境負荷低減に関するその他の取組み |
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当社は,CDM(クリーン開発メカニズム:Clean Development Mechanism)事業にも積極的に取り組んでいる。CDMとは,先進国が途上国で温室効果ガスを削減する事業を実施し,その削減量を先進国の削減量として加算できる仕組みのこと。途上国などでは独自に実施不可能な事業でも,当社の培った豊富な実績・技術力を活かすことができる。![]() 当社が主体的に取り組み,国連の承認を得たマレーシア・マラッカ市の事業は,廃棄物最終処分場で日常的に発生しているメタンやCO2を主成分とするガスを回収し,燃焼・発電するもの。ほかにも有機性廃棄物の中間処理によるCDM事業,食品工場の廃水処理施設で発生するバイオガスを回収・発電する事業などを手がけており,いずれも温室効果ガス削減に加えて,火災防止,悪臭対策,水質改善,健康被害防止といった地域環境改善にも貢献が期待される。 |
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当社は,次世代環境エネルギー分野にも目を向けている。その一つである当社開発技術の「メタクレス」は,有機性廃棄物を高温メタン発酵し,発生したバイオガスを回収,エネルギーとして利用する技術だ。宮崎県都城市にある霧島酒造の本社工場では,芋焼酎粕からバイオガス約20,000m3/日を回収し,併設プラントの乾燥設備の燃料として使用している。 ほかにも,サミットウインドパワー鹿嶋発電所での風力発電設備建設の実績,太陽光発電の実績など,当社保有技術が様々な分野で環境負荷低減に寄与している。
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■ 環境負荷低減へ向けた
当社の取組みについて ■ 温暖化防止に向けた建設業の視点 ■ 予測・判定する技術 ■ 実現する技術 ■ 監視・制御する技術 |