特集:水といきる−水のある豊かな暮らし−
水といきる−水のある豊かな暮らし
「21世紀は水の世紀」といわれる。近年,地球温暖化にともなう異常気象により局所的な集中豪雨や異常渇水が世界各地で頻発しており,2008年7月に開催された洞爺湖サミット(主要国首脳会議)でも,地球規模の水不足,水汚染,水紛争問題が議題として取り上げられるなど,世界的に水をめぐる関心が高まっている。
毎年8月1日は「水の日」,8月1日から7日までは「水の週間」である。
今月の特集では,飲み水やエネルギーとしての水だけではなく,私たちの暮らしの中での様々な水の活用方法や浄化技術などまで,水について考えてみたい。
地球上の水の量
(注)
1. World Water Resources at the Beginning of 21st Century: UNESCO, 2003をもとに国土交通省水資源部作成
2. 南極大陸の地下水は含まれていない
出典:国土交通省水資源部編「平成19年版日本の水資源」
水資源小国・日本
 地球は「水の惑星」といわれる。地球上の水の総量は約13.9億km3で,このうち海水が約97.5%を占め,淡水は約2.5%。しかも淡水の約70%は氷河や万年雪なので,地下水や河川,湖沼の水などとして存在する淡水の量は地球上の水の約0.8%。さらにこの0.8%の水のほとんどは地下水として存在するため,利用価値の高い河川,湖沼の水は,地球上の水のわずか0.01%に過ぎない。
 日本は世界有数の多雨国で,単位面積当たりの平均年間降水量は1,689mm。世界平均807mmの約2倍。しかし日本は人口密度が高く,平均年間降水量を人口一人当たりに換算すると世界平均のわずか1/5になってしまう。一見,日本は,水資源に恵まれているように見えるが,降水の多くは梅雨時や台風の時期に集中するうえに,多くの河川は規模が小さく,勾配が急で,距離も短いため,雨が降っても水は短時間で海に流出してしまう。日本は多雨国なのに資源としての「水」には恵まれていない水資源“小”国なのである。
 さらに言えば,日本の食料の自給率は約40%で,大量の農作物を輸入に頼っているが,仮に日本国内で栽培しようとすると大量の水が必要となる。日本は,実質的に大量の水=バーチャルウォーター(仮想水)を輸入しているのである。
 私たちの生活水準が向上するにつれて水の需要は増え続けるが,世界の約2割の人たちは安全な飲み水すら利用できずにいる。水が貴重な資源であることを認識しながら,水を大切に使っていかなければならない。
世界各国の降水量等
(注)

1. FAO(国連食糧農業機関)「AQUASTAT」をもとに国土交通省水資源部作成
2. 日本の人口は総務省統計局「国勢調査」(2005年),平均降水量と水資源量は,1976年〜2005年の平均値で, 国土交通省水資源部調べ
出典:国土交通省水資源部編「平成19年版日本の水資源」,水資源協会「日本の水2008」

日本のバーチャルウォーター
  総輸入量:640億m3/年(天水を含む)
(日本の単位収量,2000年度に対する食料需給表の統計値より)
(注)
食料需給表等を用いた沖教授ら東京大学生産技術研究所グループによる算定結果に一部加筆
出典:国土交通省水資源部編「平成16年版日本の水資源」

総輸入量:640億m3/年(天水を含む)
(日本の単位収量,2000年度に対する食料需給表の統計値より)
食料需給表等を用いた沖教授ら東京大学生産技術研究所グループによる算定結果に一部加筆
出典:国土交通省水資源部編「平成16年版日本の水資源」

 Chapter 1 飲み水、農業用水を貯える
 Chapter 2 上水をつくる
 Chapter 3 水の力で電気をつくる
 Chapter 4 ビルの中で活躍する水
 Chapter 5 水辺で動植物と共生する
 Chapter 6 水をきれいにして戻す