現地報告:震災復旧に全社で対応

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1月17日午前5時46分発生した阪神・淡路大震災は阪神地区に未曾有の大被害をもたらした。 当社は地震発生後直ちに震災対策本部を本社,大阪支店(現関西支店),神戸営業所に設置し,社員の安否,自社の被害状況の把握に努めるとともに,応急復旧に向けての支援体制を整えた。 ここではその経過と概要について紹介しよう。

 震災発生による当社関係の被害はつぎのとおりであった。
 社員の安否については兵庫県の被災地域に居住の社員502名のうち501名の無事が確認されたが,神戸営業所の福田喜夫氏(関電磯辺シールドJV副所長)が奥様とともに亡くなられた。 また社員の住居については全壊,一部損壊合せて205棟に達した。
 神戸営業所が入居する神戸商工貿易センタービルは,神戸で初めて建設された超高層ビルだが,外構に一部被害が出たのと設備関係の機能が停止したほかは構造には全く影響が無かった。 施工中の工事については,被害は無いかまたは軽微であった。
 震災発生直後から当社は被災状況全般についての調査を開始したほか,過去に当社が施工した建物や構造物についても被害の調査を行った。 また同時に得意先からも救援や応急復旧対応の要請が相次ぎ,社員は不眠不休でその対応に当った。 その件数は土木,建築合せて1,000件を越えた。 これらのニーズに対応するため当社では地震発生直後から,本社,他支店から技術系社員を中心とした支援部隊が続々と現地入りし,その数は2月20日現在で221名に達した。 さらに支店機能の一層の拡充強化を目的として,3月1日大阪支店を関西支店に組織変更,常駐役員を2名増員した。 関西地区の社員は今後も段階的に増強される予定である。
 また重機についても1月末時点で150台が現地に搬入され,必要に応じていつでも出動できるよう別途700台を確保した。
 神戸と大阪の間の物資・人の輸送には,チャーターされた専用船が同区間を5往復している。 所要時間は約1時間で,神戸営業所と現地対策本部の兵站を支えている。
 当社は被災地の都市機能の回復と復興に向って,全社を挙げて取組んでゆく方針である。

 チャーター船からの荷揚げの模様

 市内の足を支える単車群

 現地対策本部

 支店内に集積された非常物資



写真は鹿島月報より転載

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