特集:21世紀の社会資本整備

Chapter4 環境と共生する社会資本


循環型・環境共生型の社会へ向けて


CASE8

周辺はオオタカ保護地区となっており,貴重な動植物が多く生息する  埼玉県の狭山丘陵に位置する山口貯水池は、水道水用の貯水池として1934年に完成したダム湖である。このほど,堤高35m,堤頂長691mのアースフィルダムの耐震補強工事が行われた。工事では,周辺に生息する貴重なオオタカ保全のために,専門家によるモニタリングを行い施工上の様々な工夫を行った。重機音の低減のためにゴム製緩衝材を取り付けるなどした結果,5年連続オオタカの営巣に成功した。
重機音の発生する行為を改善した 現場内に設けた監視小屋 「オオタ6力条」のルールを掲げた


CASE9

 群馬県赤城南麓に広がる約64haの緑豊かな敷地に完成したサンデンの新工場。敷地の造成工事では,設計段階から地形や土地利用に配慮し,多様な生物の生息を可能とする「近自然工法」のコンセプトが導入された。その取組は社会資本整備に繋がるものである。工事では構内道路や法面の線形に直線を避け,周囲の景観に溶け込むようにして,伐採木や自然石の再利用,工事に伴う廃棄物の発生量の削減にも取り組んだ。

サンデン新工場 ビオトープ化した調整池
敷地内に整備し約6kmの散策路には,伐採材をチップ化して敷き詰め,柵,階段,木道の材料としても活用した




|Chapter0 これからの社会資本整備
|Chapter1 民間の力を活用した社会資本整備
|Chapter2 次代に使い継ぐ社会資本
|Chapter3 「都市再生」を促す社会資本
|Chapter4 環境と共生する社会資本