特集:アップデートされる交通インフラ

CASE-5 網の目をつらぬく新設工事

工事概要
13号線渋谷二工区土木工事
場所:東京都渋谷区渋谷1丁目〜2丁目
発注者:東京地下鉄
設計:東京地下鉄
規模:開削工事 掘削深さ30m,掘削幅31m,延長108m
工期:2002年7月〜2006年7月
(東京支店JV施工)

新たな交通ネットワークに向けて
 既存線のネットワーク化が進む一方,それらをつなぐ新路線の計画も進められている。現在,2007年度の開業に向けて工事が行われている都市高速鉄道13号線(仮称)はそのひとつだ。
 営団地下鉄時代に計画がはじまった最後の新路線,東京メトロ13号線は,都心部を環状に走る明治通り沿いに池袋から渋谷までの8駅を結ぶルートがとられる。この路線の開通によって,平行するJR線や道路網の混雑緩和が期待されるほか,渋谷駅では東急東横線と,池袋駅では西武有楽町線・池袋線,東武東上線と相互直通運転が予定され,その他の駅でも他路線と連絡するため,首都圏交通ネットワークの利便性はさらに高まることとなる。
 埼玉県南西部と神奈川県横浜市をつなぐこの新路線の計画のうち,当社JVは渋谷駅の開削工事と渋谷〜明治神宮前間のシールド工事を行っている。なかでも渋谷駅の開削は,都内屈指の利用者数を誇る半蔵門線渋谷駅直下にプラットホームを築く,最大の難工事のひとつだ。現在は,その現場となる地下約30m地点を目指し,開削工事が着々と進められている。

 これまで紹介してきた現場では,都市部ゆえの様々な条件から革新的なアイディアが生み出されてきた。都市生活者の生命線とも言える交通ネットワーク。当社では,一施工業者としての役割を超えてその更新作業に高度な技術を提供し続けている。
13号線渋谷駅断面図。2つのプラットホームが半蔵門線直下におかれる「4層5径間ホーム2面軌道4線」タイプ。13号線の計画のなかでは最大規模となる 開削が進む渋谷駅地下部。開削予定の7層分中,現在3層目の開削にさしかかっている
上部から見た13号線渋谷駅前の開削現場(宮益坂交差点付近)。写真左から右上の宮益坂沿いに運行する半蔵門線の直下を,直交する明治通りの2ヵ所から挟むように開削が行われる
池袋〜渋谷をつなぐ東京メトロ13号線の路線図。渋谷・池袋での相互直通運転をはじめとする他路線とのネットワーク化によって,首都圏の鉄道網はさらに便利になる
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INTRODUCTION-0 ネットワークの拡張
CASE-1 運行路線直下の工事
CASE-2 地盤との闘い
CASE-3 深夜の架け替え工事
CASE-4 道路ネットワークのアップデート
CASE-5 網の目をつらぬく新設工事