[2023/12/06]
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複数の生コン工場で発生した戻りコンから
再生セメント「Cem R3®」を製造する体制を構築
「Cem R3」を用いた環境配慮型コンクリート「エコクリート®R3」を共同住宅の躯体に初採用
鹿島(社長:天野裕正)は、神奈川県内の複数のレディーミクストコンクリート工場(以下、生コン工場)で発生した戻りコン※1から、スラッジ※2再生セメント「Cem R3」(セムアールスリー)を製造する体制を構築しました。
さらに、その「Cem R3」を用いた環境配慮型コンクリート「エコクリートR3」(アールスリー)※3を、当社が神奈川県横浜市内で建設を進めている共同住宅の柱・梁・床に採用しました。 「エコクリートR3」は資源循環を図りながらCO2排出量を抑えることができる環境配慮型コンクリートで、住宅用途建物への採用は初めてです。
鹿島は今後、「エコクリートR3」の採用先の拡大と既開発の環境配慮型コンクリートの環境性能向上をさらに進め、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
※1 受け入れ検査に使用したものなど、やむを得ない理由から使用されずに工場に戻されるコンクリート
※2 戻りコンの洗浄排水から骨材を取り除いて回収したセメント分を多量に含む水を脱水したもの
※3 2012年度から環境省の環境研究総合推進費(3J153001)による研究助成を受け、鹿島、三和石産、東海大学の3者で共同開発
Cem R3の製造体制概要
「エコクリートR3」は、製造工程で大量のCO2を発生するセメントの代わりに、戻りコンから骨材を取り除いた後、脱水・粉砕して製造するスラッジ再生セメント「Cem R3」を、原材料として利用します。
これまで「Cem R3」は、三和石産株式会社(本社:神奈川県藤沢市 社長:中田泰司)の藤沢工場で発生する戻りコンを対象に同工場でのみ製造していました。今般、同社が川崎市臨海部に保有する工場に「Cem R3」の新たな製造拠点を立ち上げ、複数の生コン工場で発生した戻りコンを収集して「Cem R3」を製造する体制を構築しました。
新体制では、周辺の生コン工場で発生する最大7工場分程度の戻りコンの処理に対応できるため、「Cem R3」の製造能力が従来の約7倍程度に向上します。また、戻りコンの受入条件の設定、製造時の品質管理により品質を確保することで、「エコクリートR3」は一般財団法人日本建築総合試験所の技術性能証明(GBRC材料証明 第16-10号 改3)を、各生コン工場では生コンJIS認証を取得しています。
エコクリートR3の採用拡大
新体制で製造した「Cem R3」を原料とする「エコクリートR3」を、鹿島が横浜市内で建設中の共同住宅に初採用しました。
「エコクリートR3」は、「Cem R3」の含有量を調整することで幅広い用途に採用できます。今回は、住宅用途に合わせるべく、法律で規定された基準※4に従って、「Cem R3」の含有量を10%としました。建物の柱・梁・床に採用した結果、施工性も良く、強度も充分であることを確認しました。
※4 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に規定する「表示すべき住宅の性能に関する評価方法基準」
今後の展開
今後鹿島は、「Cem R3」の新たな製造体制のもと、「エコクリートR3」の採用先を様々な用途の建物に拡大していきます。また、新たな環境配慮型コンクリートの開発や、既開発の環境配慮型コンクリートの環境性能をさらに向上させることで、脱炭素社会への移行に積極的に貢献していきます。
工事概要
工事名称 | : (仮称)弁天通3丁目計画新築工事 |
工事場所 | : 横浜市中区弁天通三丁目47番2 |
発注者 | : 神奈川県住宅供給公社 |
設計者 | : 鹿島建設・梓設計設計共同企業体 |
施工者 | : 鹿島建設・工藤建設共同企業体 |
建物用途 | : 賃貸共同住宅・商業施設 |
延床面積 | : 約9,290m2 |
構造 | : RC造一部S造、地上13階、地下1階 |
工期 | : 2022年1月~2024年2月(予定) |
戻りコンを再びコンクリートに、究極の資源循環を実現
(2016年11月24日プレスリリース)
超低炭素コンクリート「エコクリート®R3」が平成29年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞
(2017年12月7日プレスリリース)
環境配慮型コンクリート「エコクリート®R3」、初の大規模適用
(2019年1月17日プレスリリース)
環境配慮型コンクリートの採用により、施工時のCO2排出量を31トン削減
(2023年7月4日プレスリリース)
住宅の品質確保の促進等に関する法律(国土交通省ホームページ)
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