[2019/01/17]
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環境配慮型コンクリート「エコクリート®R3」、初の大規模適用
複合施設建設工事の建物躯体に約6,000m3打設
鹿島(社長:押味至一)は、2012年度から環境省環境研究総合推進費(3J153001)による研究助成を受け、3者※1で共同開発した環境配慮型コンクリート「エコクリートR3(アールスリー)」を、神奈川県で施工中の「藤沢公民館・労働会館等複合施設建設工事」に大規模適用しました。建物躯体に約6,000m3を使用する初の本格適用です。
エコクリートR3は、これまで有効な手段がなく廃棄処分していた戻りコンクリート※2(以下、戻りコン)を原材料として再利用し、資源循環を図りながらCO2排出量を抑える画期的な環境配慮型コンクリートです。試算では、本工事で6,000m3使用したことにより、工事期間中に藤沢市で発生する戻りコンの廃棄量を約600トン縮減し、コンクリート製造時のCO2排出量は、一般的なコンクリートに比べ約480トン※3削減しました。
※1 鹿島、三和石産株式会社(神奈川県藤沢市、社長:中田泰司)、東海大学(笠井哲郎教授)
※2 受け入れ検査に使用したものなど、やむを得ない理由から使用されず工場に戻される生コンクリート
※3 樹齢40年の人工スギの森54.5haで、1年間に吸収される量に相当(林野庁HPより)
工事概要
工事名 | : 藤沢公民館・労働会館等複合施設建設工事 |
発注者 | : 藤沢市 |
工事場所 | : 神奈川県藤沢市本町一丁目1224番地1 |
構造 | : RC造、地上5階、地下1階 |
延床面積 | : 7,948m2 |
設計 | : 鹿島建設株式会社、株式会社梓設計 |
監理 | : 株式会社梓設計 |
施工 | : 鹿島建設株式会社 |
工期 | : 2016年6月~2019年2月(予定) |
環境配慮型コンクリート「エコクリートシリーズ」
鹿島は、エコクリートR3をはじめ、様々なニーズに応える環境配慮型コンクリートを「エコクリートシリーズ」として取り揃えており、それぞれ適用事例が拡大しています。
―適用例―◆地上躯体用コンクリート(エコクリートBLS)
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高炉スラグをバランスよく配合することで、CO2排出量を 25%削減。中性化しにくく地上躯体にも使えるなど汎用性が 高く、ひび割れ抵抗性も向上。 ルヴァン雪谷大塚計画新築工事 東京都大田区 適用数量900m3 2019年竣工予定 |
◆地下躯体用コンクリート(ECMコンクリート®)※4
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低発熱の高炉セメントを利用し、大断面部材で発生する ひび割れを抑制し、製造時のCO2排出量を60~70%削減。 東京ミッドタウン日比谷 東京都千代田区 適用数量15,000m3 2018年竣工 |
※4 NEDOプロジェクトにおいて1大学7企業で共同開発したコンクリート
◆CFT柱充填用コンクリート(エコクリートKKC)
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高炉セメントを改良し、製造時のCO2排出量を40%削減。 CFT柱※5の充填に適した高い流動性を有する高強度コンクリート。 順天堂大学キャンパス・ホスピタル再編事業 (仮称)新研究棟建設計画 東京都文京区 適用数量370m3 2020年竣工予定 |
※5 CFT(Concrete Filled Steel Tube)柱:鋼管の内部にコンクリートを充填した柱
(参考)
環境配慮型CFT充填用“KKCコンクリート”の開発
(2014年6月9日プレスリリース)
エネルギー消費とCO2排出量を6割以上削減できるECMセメントを開発
(2014年8月5日プレスリリース)
建物地上部に使える、鹿島の新しい環境配慮型コンクリート「エコクリート®BLS」を開発
(2016年6月8日プレスリリース)
戻りコンを再びコンクリートに、究極の資源循環を実現
(2016年11月24日プレスリリース)
超低炭素コンクリート「エコクリート®R3」が平成29年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞
(2017年12月7日プレスリリース)
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