高層の建物をつくるときに欠かせないタワークレーン。無事工事が終わり、タワークレーンを解体しようにも、タワークレーンのある場所は数十〜数百メートルの高さまで上がった建物の屋上。解体した巨大な部材を地上へと運ぶ手段がありません。そのため、解体するためだけに小さいクレーンをつくり、そのクレーンで解体していきます。
まずは、工事で使われていた大型のタワークレーンを使って、解体用の小型クレーンの部材を屋上まで吊り上げます。吊り上げたら、クレーンを組み立てます。
解体用の小型クレーンが組みあがったら、それを使って工事で使われていた大型のタワークレーンを解体します。
大型のタワークレーンの解体が終わったら、今度はさらに小さなタワークレーンを組み立てて、解体用に組み立てたタワークレーンを解体します。これを何度か繰り返します。
徐々に組み立てる解体用タワークレーンが小さくなり、やがて一つひとつの部品が人力で運べるぐらいの大きさになります。そうなったら、最後に手作業で解体し、部品を工事用のエレーベータなどに載せて、地上へ降ろします。
タワークレーンのマスト(支柱)を、建物の外側につくるマストクライミング方式では、解体方法が異なります。この方法では、まずはマストを少しずつ短くしてタワークレーンの本体を地上近くまで降ろします。地上近くまで降ろしたら、地上にある移動式のクレーンを使って解体します。