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いきまち通信 ヤギ・ヒツジの話題

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等々力(とどろき)水処理場工事現場で
「生き物除草®」を実施

2018年10月

鹿島では、環境負荷の少ない除草方法として、ヤギやヒツジを用いた「生き物除草」を様々な場所で実施しています。今回は、神奈川県川崎市にある等々力水処理場の工事現場で8月下旬に5日間実施した、ヒツジによる生き物除草についてご報告します。

工事現場で安全に生き物除草を実施するために

様々な危険が伴う工事現場で生き物除草を実施する際、対象地の植生(生育する植物の種類)やバイオマス量(生物量)といった基本的な項目に加え、安全対策についても綿密に計画する必要があります。

中でも最も注意すべきこととして使用する生き物の脱走対策が挙げられます。工事現場では様々な場所で重機や車両が作業を行っており、生き物が意図しないエリアに入り込むと、工事作業の障害になるばかりでなく、生き物自体が傷つく恐れがあります。そのため、計画時におけるリスクアセスメントと、それに基づいた適切な除草方法の決定が重要となります。

除草方法には大きく分けて「放牧方式」と「繋牧(けいぼく)方式」があります。除草対象地が既に一定の高さのフェンスなどで囲われている場合、あるいは容易に囲うことができる場合には、放牧方式が選択されますが、対象地がそれほど広くなく分散している場合やフェンスなどで囲うことが困難な場合には、手綱で動物を繋ぐ、繋牧方式が選択されます。

写真:放牧方式による工事現場での除草

放牧方式による工事現場での除草

写真:繋牧方式による工事現場での除草

繋牧方式による工事現場での除草

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等々力水処理場工事現場での実施

今回の除草対象地には、仮囲いやフェンスによって仕切ることができ、容易に見回りができる平坦な場所を選び、ヒツジ2頭による放牧方式を採用しました。

対象地にはクズ、メドハギ、セイタカアワダチソウ、イネ科植物等が繁茂していました。この中でヒツジが一番積極的に摂食していたのが、マメ科に属する蔓性(つるせい)のクズ(葛)です。クズは生長が早く、地面に触れるとそこから根を出し、別の株として生長していくため、繁殖力が非常に強い植物です。樹木に巻き付いたり除草の手間を増やすクズですが、デンプンをため込む根から葛粉がとれたり、海外では栄養価の高い葉が家畜の餌として利用される場合もあるそうです。非常に栄養に富むクズはヒツジ達の集中的な摂食により、5日後にはきれいに除草されました。

今回は 限られた面積、期間での試験的な除草でしたが、仮に現場内の緑地1,000m2を対象とした場合、100kg以上のCO2排出量の低減効果があります。

写真:除草対象地

除草対象地

写真:短期間で集中的に除草!

短期間で集中的に除草!

近隣住民とのコミュニケーションツールとしての利用

除草期間中、 小学生と中学生を対象に開催された現場見学会(サマースクール)が行われ、生き物除草のメリットやヒツジの生態に関する説明と、除草動物との触れ合いを実施しました。工事現場とヒツジといった一見アンバランスな組み合わせですが、環境負荷低減効果を直観的に理解してもらうことができます。参加者からは、「工事現場にヒツジがいて驚いたが、理由を聞いて納得した。良い取組だと思う。」との好意的な意見がほとんどで、生き物除草を通じて工事の取組体制への理解を深めることに繋がりました。

また、騒音に配慮しなければならない住宅密集地における工事では、生き物除草は機械音が発生しないのでとても適しています。

写真:サマースクールの様子

サマースクールの様子

一口に工事現場における除草といっても、現場内や周囲の環境、実施期間などによって検討項目や留意事項が異なってきます。現場での生き物除草実施事例が徐々に増えてきており、それら実績に基づき、実施場所に合った最適な除草方法の提案や、地域とのコミュニケーションを目的とした環境プログラムの提案を行っています。特に工事現場では仮設資材の利用や工事用フェンスの活用などが求められ、除草対象エリア毎の条件に応じた工夫が重要です。鹿島では様々なシーンで生き物除草を展開していますので、実施をご検討中の方は是非お問い合わせください。

(担当:A)

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「生き物除草®」のメリットと課題、対策

2018年7月

5月下旬は二十四節気(にじゅうしせっき)の「小満(しょうまん)」にあたり、草木枝葉が繁る時期といわれています。鹿島がグループ企業と共に提供している「生き物除草」は、例年この時期を目安に始動しており、本年度も草の生育に合わせ各地で開始しました。

鹿島では2010年に東京都内の社宅において「生き物除草」をスタートし、それ以来、都市公園や、学校施設、銀座のビル屋上、工事現場などで展開してきました。最近では太陽光発電施設の除草事例も増加し、各方面からの問い合わせも増えています。

そこで今回は、生き物除草のメリットと実施する際の課題と対策を改めてご紹介します。

生き物除草のメリット

トリプルゼロであること

機械による除草と比較して主に以下の3つの環境負荷削減効果が期待できます。

1つ目は、化石燃料を使用しないため二酸化炭素を排出しないこと。これは機械の給油やメンテナンスが不要なことにもつながります。

2つ目は、音が静かであること。生き物除草はほとんど音を発しないため、民家や学校周辺などでも心配なく実施可能です。一方、刈払機は地下鉄の車内と同等の70dB以上の騒音を出すため、除草作業の間、窓を開けることが難しくなります。

3つ目は、刈草が生き物の餌として消費されるので廃棄物が発生しないこと。機械除草の場合、刈草を廃棄物として運搬し焼却処分されることもあり、二酸化炭素のさらなる発生要因となることもあります。

図版:生き物除草のメリット

生き物除草のメリット

安全であること

機械による除草が困難な、急な斜面や屋根緑化(草屋根)は、安全対策を講じた作業員が除草を行いますが、転倒や転落の危険はゼロにはできません。一方、ヤギは切り立った崖を登ることができ、斜面や屋根を難なく移動することができます。岩場に立ち止りながら草を食み刈草を運搬する必要もありません。よって、安全面で配慮が必要となる斜面や屋根などの除草では、生き物除草のメリットは大きくなります。

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フェンスや障害物にも対応できること

フェンスに絡まった蔦(つた)や、太陽光パネルの間にある草などは機械除草では除去が難しく人手で丁寧に対応する必要があります。一方、ヤギやヒツジは、舌を上手に使ってフェンスの蔦やパネルの間の草も除草します。また、ヤギは樹皮を好むため、伐採した樹木をヤギ小屋のそばに置くと、きれいに皮剥ぎしてくれるのもメリットの一つです。

その他、副産物や景観演出も

ヤギはミルク、ヒツジはウールなど副産物が生産できるのも生き物除草の大きな魅力です。また、当社の調査研究(日本造園学会誌ランドスケープ研究75号「都市域における草食動物を利用した緑地管理活動の研究」)においても、ヤギのいる風景に「安らぎを感じる」「景色を良くする」などの好意的な回答が多く、生き物と共生する景観が人々に癒しを与えてくれる可能性を示しています。

図版:ヤギがいる風景に対する近隣住民の印象

ヤギがいる風景に対する近隣住民の印象

生き物除草の課題と対策

全国各地で広がりつつある生き物除草は、多様なメリットがある反面、課題も少なくありません。以下に主な課題と対策を紹介します。

適切な飼育設備の準備

生き物除草には生き物の脱走や健康被害を避けるために、生き物の活動範囲をコントロールする柵やロープ、小屋や水飲み場などの施設が必要になります。これらの施設は、除草面積や導入する生き物の種類や頭数、傾斜や水景の有無、周辺の土地利用状況により仕様を詳細に検討する必要があります。

写真:飼育設備の調査

飼育設備の調査

写真:斜面地の飼育設備

斜面地の飼育設備

生き物の健康管理

ヤギやヒツジは群れで生活する動物のため、ストレスを与えないように最低2頭以上で飼育する必要があります。また、けがや病気の予防のための消毒対策や投薬、削蹄(さくてい:蹄(ひづめ)を削る行為)、中毒症状を起こす植物の除去などを適宜、実施する必要があります。アニマルウェルフェア(動物や家畜の福祉)の視点で、生き物を飼育管理することが重要です。

写真:削蹄の様子

削蹄の様子

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除草量の把握と頭数コントロール

計画地の草量に対し使用動物頭数が少ない場合には刈残しが発生し、多い場合には草量不足による飢えが発生する可能性があります。導入時には現地の植生や除草面積から最適な生き物の種類や頭数、実施期間を検討するだけでなく、導入後もモニタリングを継続し、各サイトに適した頭数・実施時期をコントロールすることが重要です。

写真:植生調査

植生調査

写真:植生調査

植生調査

関連法規や情報提供

家畜伝染病予防法などの関連法規への対応はもちろんのこと、必要に応じて近隣の畜産事業者への連絡や近隣説明を実施する可能性があります。また、生き物除草の普及啓発にむけた環境コミュニケーション活動は重要ですが、ヤギの角による怪我防止など見学者の安全確保も必要となります。

写真:環境コミュニケーション活動

環境コミュニケーション活動

写真:説明用の掲示物

説明用の掲示物

鹿島グループでは生き物除草導入にあたり、導入する生き物の特性や植物に関する知識や資格を有する専門スタッフにより、対象敷地および周辺の植生調査や近隣ヒアリングなどの事前調査を実施しています。また、生き物除草によるCO2排出抑制や植物性廃棄物削減効果などの環境貢献度調査や環境コミュニケーション活動支援など、持続可能な生き物除草の導入支援や運用支援を行っています。生き物除草実施施設の見学も受け付けておりますので、ご希望の方はこちらからお問い合わせ下さい。

(担当:Y)

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生き物除草®隊 奮闘記

2017年11月

那須ちふりメガソーラーではヒツジ除草隊が大活躍

太陽光発電を行っている「那須ちふりメガソーラー」では、鹿島グループが連携して「生き物除草®」の主要サービスであるヒツジ除草に取り組んでいます。今年度は、ヒツジの健康状態や除草状況の確認は、当施設の管理業務実施者である鹿島建物総合管理(以下、鹿島建物)が担当し、ヒツジのレンタルや運搬は、埼玉県朝霞市で「Kファーム」を運営する都市環境エンジニアリング(以下、TKE)が主体となり実施しました。

春先に「Kファーム」から「那須ちふり」へ旅立って活動を開始したヒツジ除草隊は、5月以降、どんどん生長する植物たちに負けじと精力的に除草を行いました。人による機械除草から生き物除草に変えた結果、緑地管理に要する時間が昨年度と比較して、10分の1以下となることがわかりました。

写真:ヒツジ除草開始時の様子

ヒツジ除草開始時の様子

写真:ヒツジ除草終了時の様子

ヒツジ除草終了時の様子

無事、任務を終えたヒツジ除草隊は11月2日に「Kファーム」に戻ってきました。

写真:「Kファーム」第一牧場に戻ってきた時の写真

「Kファーム」第一牧場に戻ってきた時の写真「おかえりなさい」

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生き物除草は、環境に配慮した緑地の維持管理手法であり、二酸化炭素の発生量削減や管理業務に要する時間の合理化など様々なメリットがあります。一方、生き物を扱っているが故に、従来型の除草業務では必要のない手間もあるため、様々な工夫を積み重ね、効率化を図ることが大切です。今年度、那須ちふりで実施した生き物除草においても、今後の除草業務の参考となる貴重なデータを得ることができました。

今回は過去の実績も踏まえ、生き物除草を行う際に直面する主な課題についてご紹介します。

その1 臭いに対するご心配

生き物除草の採用を検討いただいているお客様から“ヤギやヒツジの体臭や糞は悪臭ではないか?”という質問をよくいただきます。一般に動物園など鑑賞や触れ合いを目的として、人工的な環境で飼育されているヤギやヒツジは、濃厚飼料(コーン等穀物主体のたんぱく質の多い飼料)など栄養価の高い飼料を与えられているケースが多いので、体臭や糞の臭いが強くなる傾向があるようです。

鹿島グループでは、ヤギやヒツジ本来の生息環境に近い飼育環境が重要と考え、春から秋には自然に生えている草を、冬には粗飼料(干し草や生草など農耕飼料と比べて栄養価は低いが反芻動物に必須の繊維含量が高い飼料)を主に与えています。そのため、生き物除草の実施場所において、体臭や糞が臭いとの指摘は今のところありません。臭いを心配されるお客様に対しては、過去のアンケート調査の結果などをご説明していますが、実際に除草隊のヤギやヒツジを間近で見たり、触ったりして臭いを確認していただけると、ご安心いただけると思います。

図版:生き物除草に対する周辺住民の意識調査結果

生き物除草に対する周辺住民の意識調査結果
除草開始後、好印象に変化していることがわかる

その2 最適な除草計画

全国各地で生き物除草が広がりを見せている一方で、その効果に期待して、実際にヤギ・ヒツジ除草を導入したが、雑草をほとんど食べず期待した結果が出なかったという事例を聞くことがあります。その原因の一つは生き物除草開始のタイミングと頭数のコントロールが挙げられます。生き物除草を有効に実施するためには、対象となる敷地の形状や面積、植生に応じた導入頭数の検討が重要です。現地の植生が伸び始めるタイミングはどうか、導入する生き物が苦手な植生がないか、土壌の肥沃度の分布はどうか、など、総合的に検討して準備することが重要です。初期導入の頭数が少なすぎると雑草の生長が進み、葉や茎が固くなってしまいます。こうなると、通常は食べる草であっても除草されずに残ってしまい、その後頭数を増やしても対応が難しくなります。逆に初期導入頭数が多過ぎると、草が足りなくなり栄養不足による健康被害や裸地化などの悪影響が生じる可能性が高まります。

鹿島では生き物除草を行うにあたり、導入する生き物の特性や植物に関する知識を有する専門スタッフにより、対象敷地の植生にとどまらず周辺の植生や近隣の農業者へのヒアリングなどの事前調査を実施しています。また、メガソーラー施設に悪影響が生じないように、設計・施工業者や運営事業者と協議を重ね、様々な視点から検討を行い、最適な生き物除草計画を立案しています。

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写真:調査の様子

調査の様子

写真:調査の様子

その3 有毒植物への対応

除草対象となる敷地内に、ヤギやヒツジにとって有毒な植物が生育していることがあります。通常、ヤギやヒツジは本能的に有毒植物を避けますが、多少であれば食べても問題ありません。しかし、過去にはこれらを食べたヤギが下痢・嘔吐を起こすこともありました。そこで、事前調査で有毒植物を確認した場合には、該当植物を事前に除去したり、生育するエリアを除草対象から外すなどの対策を行います。ただし、敷地が広い場合など完全に有毒植物を把握することが難しいケースもあるため、現地スタッフやお客様との連携をし、未然に防ぐための体制を整備しています。

今回ご紹介した課題のほか、各プロジェクトで大小様々な課題に直面します。同じプロジェクトでも異なる条件の場所が存在したり、除草開始後1年目と2年目では植生が変わるなど、経年変化を考慮した対応も必要になります。

鹿島では、様々な課題や問題を丁寧に解決していくことで、生き物除草のノウハウを豊富に蓄積しています。これらノウハウをお客様のプロジェクトに活かし、今後の業務へ展開していきたいと考えています。

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ヒツジ除草開始

2017年6月

ヒツジ除草開始

5月になると植物は一気に成長し、背丈を伸ばします。この時期は陽気のいい日が多くなり、万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めるという意味があります。二十四節気で言う「小満」です。ちなみに、畜産業界では「スプリングフラッシュ」という用語がありますが、フラッシュ(flush)には、何かが急激に増えたり、大量発生したりするという意味が含まれており、「スプリングフラッシュ」の場合、「草」の急激な成長を指します。5月に入ってから庭や畑の雑草取りに追われている読者はよくお分かりかと思います。このスプリングフラッシュに合わせ、ヒツジ除草隊が活動を開始しましたのでご報告します。

那須ちふりメガソーラー

那須ちふりメガソーラーは、鹿島所有の太陽光発電所です。グリーンインフラGr.とヒツジのレンタル先である(株)都市環境エンジニアリングとの連携はもとより、発電所の運営責任部署である開発事業本部、維持管理業務を請負う鹿島建物総合管理(株)も加わり、維持管理に関する新しい技術の確立を目指した長期的な取組みを開始しました。

本年度は、草が伸び始める初夏から秋まで(5月~10月末)鹿島グループ一丸となり、本格的な生き物除草を行います。

写真:那須ちふりメガソーラーにて除草するヒツジ

ヒツジ除草とヤギ除草

以前の記事で、ヒツジとヤギの生態の違いについて紹介しましたが、今回は、ヒツジとヤギの除草後の緑地の仕上がり具合についてご紹介します。

ヒツジ除草の仕上がり

ヒツジは背丈の低い、柔らかい草を好んで食べます。このため、草丈が比較的低い時期に導入することで力を発揮しますが、除草後の緑地は、草丈が短くきれいに整った仕上がりになります。

写真:ヒツジ除草の仕上がり

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ヤギ除草の仕上がり

ヤギは背丈が伸びた植物や繊維が太く固い植物でも旺盛に食べ、食べられる植物種の範囲が広いことが特長です。そのため、長期間放置され草丈が高くなっている緑地でも大いに活躍します。

写真:ヤギ除草の仕上がり

上記のような特性を考慮すると、除草をする場所の状況や目的に応じて、使用する生き物の選択も異なるのが理解いただけるかと思います。今年度はヒツジ除草隊の活躍ぶりを継続してレポートしていきたいと思いますので、ご期待下さい。

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ヒツジ除草隊に仔ヒツジが誕生!

2017年5月

仔ヒツジ誕生

2016年11月に太陽光発電所での「ヒツジを用いた生き物除草業務」をご紹介しましたが、そのヒツジの出産で新たなメンバーが加わりましたのでご紹介します。

生まれたのはオスとメスの1頭ずつ、名前はふぶき君とさくら子ちゃんです。

4月上旬に産まれた当初、よちよち歩きで母親から離れなかった仔ヒツジ達はみるみる大きくなり、今では元気に走り回わるようになりました。大人でも追いつけないほどの速さです。飼育係以外の人が近づくと基本的には逃げ回わりますが、時には寄り添ってくることもあり、その愛くるしい姿を見に来る見学者が日に日に増えています。

写真:産まれた仔ヒツジ達(4月中旬)

産まれた仔ヒツジ達(4月中旬)

写真:さくら子(メス)

さくら子(メス)

写真:ふぶき(オス)

ふぶき(オス)

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品種によって多少の差はありますが、ヒツジの妊娠期間は人間よりも短く、平均147日(145~150日)と言われています。通常、9~11月にかけて種付けを行い、翌春に出産を迎えることになります。今回の出産日から逆算すると、除草業務が終わり、牧場へ引き上げて一息ついた11月中旬ごろに妊娠したことになります。

現在、仔ヒツジ達は、お母さんヒツジの乳を飲んで元気に成長しており、順調に行けば7月頃に除草隊の一員になる見込みです。

写真:除草隊の活動に向けて草を食むさくら子

除草隊の活動に向けて草を食むさくら子

ヒツジ達は初夏から秋にかけて太陽光発電所の除草を行い、それ以外の期間は埼玉県朝霞市にあるKファームの牧場で過ごしています。一般的に草がなくなる冬期の飼育では干草や濃厚飼料を餌として与えますが、Kファームでは、干草に加え地域から発生する野菜くずなどの非食用部を主な餌として与えています。

さらに、副産物として発生するヒツジの糞は回収・堆肥化され、畑に撒いています。

食品廃棄物の中でも、野菜くずなどの非食用部のリサイクルはあまり進んでいないと言われていますが、Kファームでは通常廃棄される野菜くずを再び野菜の生産に利用しており、ヒツジ達はその循環システムの一翼を担っています。

写真:野菜くずなどの非食用部を給餌

野菜くずなどの非食用部を給餌

写真:ヒツジ糞を混ぜた堆肥

ヒツジ糞を混ぜた堆肥

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写真:母親ヒツジと一緒に

母親ヒツジと一緒に

ヒツジ達は太陽光発電所の雑草繁茂の状況に合わせ、随時Kファームから出動していく予定です。今後も仔ヒツジ含めヒツジ除草隊の活躍についてレポートしますので、ご期待ください。

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東御市(とうみし)の太陽光発電所でヒツジ除草を実施

2016年11月

鹿島グループは長野県東御市にある太陽光発電所内、約10,000m2の緑地管理を生き物除草で実施しました。これは2010年からスタートしたヤギやヒツジを使った生き物除草では最大規模です。

新生紙パルプ商事(株)様より「環境に配慮した太陽光発電所の運営を行いたい」とのご依頼があり、鹿島側から提案したところ採用していただきました。

今回活躍したのはヒツジです。発電パネルの上に登ろうとするヤギの特性に対して、地際の草をきれいに食べてくれるヒツジの方が太陽光発電所での除草に向いているからです。

生き物除草は騒音ゼロ、CO2ゼロ、廃棄物ゼロ(トリプルゼロ)を実現するエコな除草方法ですが、今回ヒツジを使ったメリットは他にもあります。

例えば太陽光発電所内で草刈り機を使用した場合、操作中に弾いた小石がパネルに当たって傷をつけたり、誤って電線を切ってしまったりというリスクが考えられますが、ヒツジ除草では、そのようなことはほとんどありません。また、パネルと地面の間が狭い場所、急斜面やつる植物が絡みついたフェンスなど、草刈り機の使用が難しい場所でも、丁寧に隅々まで草を食べてくれます。

さらに、近くに水源があり除草剤等が使えない場合や、防草シートが古くなり雑草が生い茂ってしまった場合にも、ヒツジ除草はとても有効です。1年目は給水設備などに多少コストがかかりますが、維持管理費は安く、長い目で見た場合、人件費がかかる機械除草よりもコストを抑えられます。

以下、ヒツジ達の仕事っぷりをご覧ください。

写真:ヒツジ除草開始前と実施風景の比較

ヒツジ除草開始前と実施風景の比較

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除草風景

開始前、太陽光発電所内に生い茂っていた雑草は、2ヵ月を経過する頃にはきれいに除草されました。

写真:パネル間 開始時、2ヵ月後

パネル間 開始時、2ヵ月後

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写真:フェンスに絡まった雑草への摂食

フェンスに絡まった雑草への摂食

写真:パネル下 除草状況

パネル下 除草状況

ヒツジ除草にはこんなオマケもあります。除草剤・農薬を使わないため、発電所内ではカエル、トンボ、バッタ等、様々な生き物を観察することができます。周辺生態系への配慮という点もメリットの一つです。

写真:ニホンアマガエル

ニホンアマガエル

写真:アジアイトトンボ

アジアイトトンボ

FIT(固定価格買取制度)の導入により太陽光発電所が全国各地に増えています。これらの発電所は20年間の施設運営が必要であり、その中にはもちろん、雑草管理も含まれます。温室効果ガスの排出削減、生物多様性保全に貢献しながら、コストを抑え、のどかな景観で周辺住民にも愛されるヒツジ除草は、環境・経済・社会の側面を考慮したこれからの太陽光発電所の管理手法です!ご関心ある方は是非お問い合わせ下さい。

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狛江CSAレポート

2015年10月

皆さんは“CSA”という言葉をご存知でしょうか。アメリカやヨーロッパなど世界の都市で広がっている取り組みです。“CSA”とは“Community Supported Agriculture”の略で、日本語に訳すと「地域に支えられた農業」となります。CSAには様々な仕組みがありますが、大きな目的は、食の生産地と消費地を繋ぎ、生産者とそれを支持するコミュニティーを結びつけることで、より強固な関係性やパートナーシップを生み出すことです。CSAは元々、年間単位で農産物の料金を前払いし、豊作も不作も農家と消費者が分かち合うような仕組みが一般的でした。今回、鹿島では都市部で発生する生ごみや野菜屑を循環型農業の中で利用することで、都市住民と農業者をつなぐ新しいCSAの仕組みに取り組んでいます。

狛江CSA

鹿島建設と狛江市は狛江市内農業者、飲食店等のご協力の下、今年7月より国交省の「都市と緑・農が共生するまちづくりに関する調査業務」として、狛江版CSAの実証調査を行っています。この実証調査では主に3つの取組みを通じて、農業者と市民の間により良い関係を築き、地域に支えられた狛江の農業を目指しています。ミミズコンポスト、ヒツジ除草、珈琲滓ヒラタケ栽培など新たな循環サイクルを通じて、単に生産者と消費者の関係ではなく、それを超えたつながりが作れないか、調査を行っています。

狛江CSAで行っている主な取り組みは次の3つ

○ミミズコンポスト
農地から発生する野菜残渣、飲食店から発生する調理屑などをミミズによって短期間で堆肥化。ミミズ堆肥を使って農生産を行うことで、生ごみを減量しつつ、地産地消を実現する循環型農業。

○コーヒー滓ヒラタケ栽培
市内飲食店から発生するコーヒー滓を培地として用い、ヒラタケの菌床栽培を実施。収穫したヒラタケを飲食店で使う地産地消の取組みの他、使用済みの菌床は良質な肥料として農地へ戻す循環型農業。

○ヒツジ除草
ヒツジによって市内の農地や緑地の除草を行う他、農地から発生する野菜屑を処理。騒音、ごみ、CO2の排出をなくすトリプルゼロの除草を行いながら、農産物の非食用部の処理も行える循環型の取組み。

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狛江CSAのコンセプト図

狛江CSAのコンセプト図

ヒツジ除草について

現在狛江市のヒツジ除草で活躍しているのは「シロ」、「クロ」、「メリー」の3頭、皆、生まれて1年以内のメスです。

写真:シロ

シロ

写真:クロ

クロ

写真:メリー

メリー

彼女たちは狛江市にあるブルーベリー観光農園として有名なとみなが農園をベース基地に、市内の緑地の除草管理に貢献しています。畑では主に雑草と傷んで商品として出せないような野菜屑や、収穫段階で発生する葉っぱや茎など、いわゆる農産物の非食用部を食べています。そして、市内の緑地で除草の要請があると出動し、除草を行っています。

7月は谷戸橋公園、駅前三角広場、伊豆美神社脇緑地、および市内農家のTAKAGI FARMの敷地内、8月はのびのび公園とベース基地のとみなが農園で除草と環境イベントを実施しました。トラックで移動することもありますが、近所の公園へはヒツジ達と道路をテクテク歩いて移動。すれ違う人や車の運転手はヒツジと気付くと驚いていました。公園に着くとすぐにお仕事開始、すごい勢いで草を食べていました。のびのび公園で除草を実施した際、近所の狛江保育園の児童がヒツジに会いに来てくれました。ヒツジについて知ってもらうため、クイズを行い、5月の毛刈り以降、徐々に伸びてきた毛も実際に触ってもらいました。

写真:近所の狛江保育園の児童がヒツジに会いに来てくれました

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ヒツジクイズ

ヒツジクイズ

ヒント:「ヒツジの毛刈りレポート」を読んでみてね。
※正解は最後で発表します。

はじめは怖がっていた子も他の子が触れ合う姿を見るうちに次第に緊張が解け、最後は積極的に触るようになっていました。みんな触ると「温かい」、「もこもこしてる」などの感想が聞けました。

今回は狛江CSAのヒツジ除草についてご紹介しましたが、次回以降、ミミズコンポストや珈琲滓ヒラタケ栽培についてもレポートしたいと思います。ご期待ください。

狛江CSAについてFacebook ページで情報を発信しています。是非ご覧ください。

クイズの答え

クイズの答え

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ヒツジの毛刈りレポート

2015年6月

2014年10月に鹿島所有のメガソーラー発電所“那須ちふりメガソーラー”で行ったヒツジ除草をご紹介しましたが、先日、その時活躍してくれたヒツジ達と再会しました。とは言っても、ただ会いに行った訳ではありません。実はこの時期、ヒツジにとって特別なイベント、“毛刈り”があるのです。暑い夏に備え、ヒツジ達が待ち望んでいた日がやってきました。除草で活躍してくれるヒツジ達のことをもっと知ろうということで、スタッフ数名で毛刈りに参加してきたのでレポートします。

6年間毛刈りを逃れてきた結果、毛に埋もれたヒツジが少し前に話題になりました。品種や固体にもよりますが、ヒツジの毛は1年で約10cm程度伸びます。一回の毛刈りで取れる羊毛は5kg近くにもなります。
そもそも家畜化される前のヒツジは自然に体毛が抜け替わる「換毛」でした。昔の人はその抜けた毛を集め、フェルトとして利用をしていましたが、より良質な毛を効率良く取るために品種改良が行われ、毛が抜け落ちない現在のヒツジのようになったのです。

皆さんはヒツジの毛刈りをご覧になったことがありますか?毛刈りのショーが存在するぐらい、間近で見るとその「技」に魅了されます。

写真:写真-1 保定のポジション1

写真-1 保定のポジション1

写真-1にあるように、ヒツジが暴れないような姿勢を保つことを“保定(ほてい)”と言い、これが毛刈りを始める際の基本の形となります。「ヒツジの毛刈りは1にも、2にも保定から」という言葉があるくらい、手際良く作業するための重要なポイントとなります。手順としては、写真-1の保定のポジションから毛が少ない胸の辺りにバリカンを入れ、胸、お腹下、後ろ足、お尻周り、首の順番で刈って行き最後に背中となります。背中を刈る際、写真-2のように寝転ばした保定のポジションをとります。

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写真:写真-2 保定のポジション2

写真-2 保定のポジション2

この背中を刈るときが一番の見せ場で、ワンストロークで長く刈ることで綺麗な仕上がりとなります。上級者の指導を受けながら、スタッフ一同、滝のような汗を掻きながら作業しましたが、翌日は腕から肩、背中、腰、下半身に至るまで全身、筋肉痛になりました。

写真:上級者が刈ると毛が一枚のヒツジの形をした絨毯のようになります。

上級者が刈ると毛が一枚のヒツジの形をした絨毯のようになります。

写真:毛を刈ってもらったヒツジはさっぱりとしてうれしそうでした

毛を刈ってもらったヒツジはさっぱりとしてうれしそうでした

農水省によると平成25年現在、日本では約16,000頭のヒツジ(ちなみに、ヤギは約20,000頭)が飼育されていますが、そのほとんどは羊肉を目的としており、羊毛の利用はされていません。刈ったヒツジの毛を利用するためには付着しているラノリンオイルという油や汚れを洗い落とす必要があり、大変な手間とコストがかかります。羊毛産業が盛んだった戦後は専門の洗浄工場がありましたが、化学繊維の普及とともにコストが合わなくなってしまい、多くの工場が閉鎖されました。現在、刈られた羊毛のほとんどは破棄されてしまっている状況です。

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刈った毛の一部を洗濯したらこんなに綺麗になりました。

写真:刈った毛の一部を洗濯したらこんなに綺麗になりました。

国産の羊毛の利用を促進することはなかなかハードルが高いですが、今回は毛刈りを通して、改めてヒツジという動物を身近に感じることができました。今後、メガソーラーだけでなく、ヒツジを使った緑地管理を人間の生活圏に近い場所でも適用していきたいと考えております。

今年度、いくつかの場所でヒツジ除草の計画がありますので、実施状況等についてまたレポートしたいと思います。ご期待ください。

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那須ちふりメガソーラー“ヒツジ除草”を実施

2014年10月

鹿島では2010年より、騒音ゼロ、CO2ゼロ、廃棄物ゼロのヤギによる除草を実施しております。ヤギ、烏骨鶏に続く“いきもの”を用いた緑地管理技術を今回はヒツジを用いて実施しました。場所は那須ちふり湖カントリークラブ内にある鹿島所有のメガソーラー発電所“那須ちふりメガソーラー”です。

写真:ヒツジ除草の様子

写真:那須ちふり湖メガソーラー

那須ちふり湖メガソーラー

なぜ、太陽光発電所でヒツジ除草が必要なのか?これには太陽光パネルならではの理由があります。

その1 “太陽光パネルの一部に影がかかると、そのパネル全体の発電量が減ってしまう”

太陽光パネルを詳しく見るとセルと呼ばれるものが直列で配置されています。「直列」、つまり一本線で繋がっているので、一か所でも影がかかるとその太陽光パネル全体に影響してしまうのです。この為、雑草が伸びてパネルに影がかかると、事業の収入に直接影響を及ぼす発電量が減ってしまいます。

その2 “太陽光パネルの表面が熱くなると発電効率が下がる”

一般的に太陽光パネルは表面温度が高くなると発電効率が下がります。その1の雑草による発電量の低下を避けるため、コンクリートや砕石で地面を覆う方法がありますが、緑がなくなってしまうとパネル周辺の温度が上がり、発電効率の低下によって発電量が減ってしまうのです。

「植物による蒸散作用によってパネル周辺の温度上昇を抑えたい」、「でも雑草が伸びるとパネルに影がかかってしまう」。そこで、人手をかけて、機械除草する方法も考えられますが、環境負荷を抑え、エコな除草をするために登場するのが“ヒツジ”です!

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いきまち通信の読者の中にはここまで読むと「え?!なんでヤギじゃないの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。その答えは、ヤギとヒツジの特徴を比べると見えてきます。

ヤギもヒツジも哺乳綱・ウシ科・ヤギ亜科に属する動物であり、その下にヤギ属とヒツジ属と分かれます。分類学的にも近縁なこの二種ですが、特徴的な違いがあります。ヤギは“山羊”と書く様に高所を好み活発に動きます。それに対しヒツジは平坦な場所を好みます。もし仮にヤギで除草した場合、高い所を好むヤギが太陽光パネルの上に乗り、設備を傷つけてしまう可能性があります。ヒツジは、ヤギと比較すると足が速く、素早い動きをするという印象ですが、高い所に登ろうとすることはありません。今回、太陽光発電所でヒツジ除草を行った最大のポイントです。

余談ですが、ヤギは地際の植生だけでなく、木の芽、木の実、樹皮なども食べる“ブラウザー(Browser)”(本などを拾い読みするという意味もある。ウェブブラウザーの語源)と言われているのに対し、ヒツジは基本的に背の低い草のみを食べる“グレイザー(Grazer)”と言われています。太陽光発電所の除草にはヒツジのような“グレイザー”の方が適しているということになります。

ヒツジ除草メンバー紹介

写真:シロ(メス0歳)

シロ(メス0歳)

写真:セン(メス0歳)

セン(メス0歳)

写真:ボブ(オス0歳)

ボブ(オス0歳)

今回除草を行ったヒツジはコリーデル種の3頭で全て、生後1歳未満の子羊です。白い体に白い首輪が特徴のシロは体も大きいことからメスでありながら3頭の中でリーダー的な存在でした。シロが動くとそれに続き残りの2頭が付いていく光景がよく見られました。センは顔の細長さが特徴のこちらもメス。ボブは紅一点ならぬ白一点のオス。生まれた時期の違いから他の2頭よりひと回り体は小さく、オスにしては大人しいのが印象的です。

ヒツジは群れたがる性質を持っていますが、今回の3頭も常に一緒に行動をしており、何をするのも3頭一緒。他の2頭がいないと不安な様子でした。

除草範囲にはメヒシバ、ヒメジヨオン、イヌタデ、カナムグラ、タチイヌノフグリなどが生えており、3頭はそれらをまんべんなく食べていました。今回は試験的に行った除草だったため、実施期間は3日間と短かったのですが、写真の通り草をきれいに刈ることができました。

写真:初日の様子と3日後の様子

除草期間中、隣接する那須ちふり湖カントリークラブ従業員の方がヒツジ除草を見学に来られました。見学者の方からは「可愛い」、「大人しい」などの感想の他、この取り組みに対し、「機械を使った除草よりいい」、「エコな取組でいいと思う」など好意的なご意見を頂きました。

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写真:那須ちふり湖カントリークラブ従業員の方がヒツジ除草を見学する様子

来年は未年

来年は未年ということもあり、鹿島では太陽光発電所はもちろんの事、様々な緑地でこの“ヒツジ除草”を展開していく予定です。その様子はこのいきまち通信で報告していきますので、ご期待ください。

また、いきまちツイッターでも様々な取り組みの“今”をお届けしていますのでよろしくお願いします。

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桶川市内の工事現場でヤギ除草を実施

2014年10月

鹿島では2010年より、騒音ゼロ、CO2ゼロ、廃棄物ゼロのヤギによる除草を実施しています。今回は、埼玉県桶川市の圏央道の工事現場から依頼を受け、今年最後の除草作業のお手伝いのため、3頭のヤギが出張しました。まだ暑さが残る中、また台風の通過が心配される中、3頭とも良い働きをしてくれました。先月、戸塚の工事現場での除草を行い、しばらく埼玉県羽生市の本拠地で過ごしてから再びの出動。今回も、ツノとその子供のフーヤ・ライヤは現場の方々に暖かく見守られながら、元気に除草に励んでくれたようです。

写真:フーヤ

フーヤ

写真:ツノ母さん(フーヤ・ライヤの母)

ツノ母さん
(フーヤ・ライヤの母)

写真:ライヤ

ライヤ

ヤギ達は約一週間の間、主に現場の仮囲い際に密生したイネ科の雑草を除草した他、現場付近の伐採樹木の葉などを食べました。

写真:現場での除草の様子

除草の初日、朝、羽生を出発したヤギ達は総勢100人程度の保育園児に迎えられ現場に到着。早速、除草の様子を園児達に披露し、すっかり人気者に。

写真:除草の様子を園児達に披露

現場では日除け、雨除けとなる簡易の小屋を建ててもらい、放牧できるようにしっかりと囲いが整えられていました。お陰様でヤギ達は自由に動き回ることができ、好きな草を食むことできる状態に。仮設資材が豊富にあり、場合によっては繋牧用のワイヤー設置なども手軽にできる、工事現場ならではの強みを感じました。

除草の最終日には近隣住民の方々にも現場内で除草の様子を見ていただきました。短い期間ではありましたが、「工事現場とヤギ」という一見接点のないモノを見てもらうことで、環境への取組みについて考えるきっかけができたのではないかと思います。

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写真:近隣住民の方々に除草の様子を披露

今回は鹿島の稼働中の工事現場で行う事例としては2件目となりました。短い期間ではありましたが、現場所長を始め、社員の皆さん、協力会社の皆さんのご協力があり、安全に配慮し、ヤギが快適に除草に励む環境を整えていただきました。近隣の方々にも一見アンバランスな?癒される風景を提供し、大変好評でした。工事現場で行うことのメリットを改めて感じた次第です。

鹿島は、今後も生き物の仕組みを活用した環境負荷の少ない緑地管理を積極的に展開していきたいと考えています。

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横浜市内の工事現場でヤギ除草を実施

2014年9月

鹿島では2010年より、騒音ゼロ、CO2ゼロ、廃棄物ゼロのヤギによる除草を実施しています。今回は、横浜市戸塚区の共同住宅の工事現場から依頼を受け、夏に入り雑草が繁茂しだした朝礼・昼礼の会場の一部を3頭のヤギにより除草しました。厳しい暑さの中、現場の皆様に見守られながら除草を行ったのはツノとその子供のフーヤとライヤです。

写真:フーヤ

フーヤ

写真:ツノ母さん(フーヤ・ライヤの母)

ツノ母さん
(フーヤ・ライヤの母)

写真:ライヤ

ライヤ

ヤギ達は一週間の間、セイタカアワダチソウなどの草や樹木にまとわりついたクズやアレチウリなどの蔦、さらには伐採樹木の葉などを食べました。また、週末の8月24日には現場でサマーフェスティバルが開催され、会場に集まった近隣住民の方々にヤギ除草の様子を見ていただきました。

写真:サマーフェスティバルの様子

サマーフェスティバルは近隣の住民の方々を招いた催し物で、建設関係のクイズやものづくり体験コーナー、会場の皆さんと一体となったダンスや花火大会など、盛りだくさんな内容。今回はその中で、ヤギに関するクイズも実施させていただきました。用意した8問中、全問正解した方への景品を準備していましたが、なんとクイズ中盤で全員脱落。ちょっと問題が難しかったみたいです。敗者復活で途中から仕切り直しとなりました。

写真:ヤギに関するクイズの様子

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ヤギクイズの一部をご紹介します。正解者が少なかった4もんメェ~は、以下。

図版:ヤギクイズ 4もんメェ~:雌ヤギはいつから子供を産めるようになるか?

正解は分かりますか?

ヤギの場合はウマやウシなどの大型の家畜よりも性成熟が早く、生育に問題がなければ産まれた年から種付けを行います。今回、除草を行ったフーヤ(生後5ヵ月)もこの秋、種付けを行う予定です。

図版:ヤギクイズ 4もんメェ~ 正解:0歳(6ヵ月)

8もんメェ~はヤギの肉髭に関するもの。肉髭はついている個体、ついていない個体、片側だけについている個体など様々。いったい何のためにあるのでしょうか?

図版:ヤギクイズ 8もんメェ~:ヤギの肉髭は何のためについてるのでしょうか?

正解は「ぱー」の「どちらでもない」です。ついていたり、ついていなかったりするため、個体の識別には便利ですが、実は何のためについているのか理由は分かっていないそうです。

図版:ヤギクイズ 8もんメェ~ 正解:どちらでもない

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今回は鹿島の稼働中の工事現場で行う初の事例となりましたが、現場社員の皆さん、協力会社の皆さん、また発注者様から「癒される」「かわいい」などとても好評でした。除草範囲の設定や暑さ対策など細々とした配慮が必要となるヤギ除草ですが、エコな除草が行えると同時に、現場の皆さんのコミュニケーションの促進ができたら何よりだと考えています。

今後も環境への負荷の少ない緑地管理、いきものとの触れ合いを通じた環境コミュニケーションを行えるヤギ除草を社内外へ展開していきたいと考えています。

写真:除草の様子

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ヤギ除草プロジェクト(日本たばこ産業株式会社様)

2014年6月

鹿島では2010年より、騒音ゼロ、CO2ゼロ、廃棄物ゼロのヤギによる除草を実施しています。今回は、日本たばこ産業株式会社様からのご依頼を受け、東京都江戸川区の施設においてヤギ除草プロジェクトに協力させていただきました。梅雨入り前の一週間と短い期間でしたが、近隣住民に見守られながら、業務を遂行したのが3頭のヤギ、ツノとその子供のフーヤ、そしてベリンダです。

写真:フーヤ

フーヤ

写真:ツノ母さん(フーヤの母)

ツノ母さん(フーヤの母)

写真:べリンダ

べリンダ

毛色がやや茶色っぽいツノは、出産3回超のベテランお母さんヤギ。貫録も十分で、いつもの住まいと異なる環境も気にせず、どんと構えています。フーヤは、今年の3月に生まれたばかり。常にツノ母さんの行動にあわせて過ごしています。色白のベリンダは、優しい性格で臆病ながら人懐っこい性格です。

写真:ツノ母さんとフーヤ

ツノ母さんとフーヤ

写真:べリンダ

ベリンダ

期間中の土曜日には、除草エリアを一般に解放して「ヤギフェス」を開催しました。これは、都市における身近な緑の中で、人といきものが共存する「生物多様性都市」について考えて貰う機会を作る、環境イベントの一つです。ヤギ除草プロジェクトの説明に加え、ヤギに関するクイズなどを出題し、希望者にはスタッフの安全管理のもと、ヤギとのふれあいを体験してもらいました。

写真:ヤギフェスの様子

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そして、それぞれに個性のある3頭の一週間の成果がこちら。

写真:初日の様子と7日後の様子

当初3頭の存在を隠してしまう程だったヨシやセイタカアワダチソウの背丈が随分低くなりました。この期間、彼女たちが食べていたのは、ヨシやセイタカアワダチソウの他にカラスノエンドウ、ドクダミ、ヤブカラシ、ヒメジョオンやスギナなど。彼女たちにとって毒となるような植物以外は、概ね何でも食べてくれます。当社社有施設でおこなったヤギの除草実験では、外来種のセイタカアワダチソウなどの大型の多年草が減少し、草丈の低い在来種が優占する草地へと変化していくことが確認されています。今回のプロジェクトは、まだ始まったばかりですが、草丈の高いセイタカアワダチソウなどによって日光が遮られ生育できなかった野草類が勢いを取り戻し、多様性のある「はらっぱ」の景色がここにも戻ってくるかもしれません。

今年もヤギプロジェクトにご期待ください。
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長津田みなみ台のヤギ除草プロジェクトに協力

2013年10月

鹿島が実施するヤギプロジェクトは、ヤギによる除草で緑地管理を行い、環境負荷低減に向けた取り組みを行っています。今回は横浜市緑区に位置するオリックス不動産株式会社様の戸建分譲地“サンクタスシティ長津田みなみ台”で実施しました。

昨年から活躍するお母さんヤギの“サラ”と、この春生まれた子供の“ベリンダ”が活躍してくれました。

左がベリンダ、右がサラ。2頭は仲良し親子です。

図版:左がベリンダ、右がサラ。2頭は仲良し親子です。

ヤギによる除草は、植物性廃棄物、騒音、化石燃料由来のCO2がゼロになるトリプルゼロの取組みです。また、都市部では接する機会の少ない“いきもの”との触れ合を提供できる貴重なプロジェクトです。

図版:こちらは初日の様子です

こちらは初日の様子です。普段見ることの少ないヤギを一目見ようと、たくさんの子どもたちが見に来てくれました。
恒例のヤギのクイズも実施。さて、後ろにはまだ草むらが残されていますが、これから10日後の最終日までにどれくらい減るでしょうか?

ヤギ除草の実施期間中の休日には、環境教育イベントを実施しました。みなさんに体験していただいたのは、ヤギがどの草を好むのか実際に餌をあげてみる。また、ヤギに触ってみることで、ヤギの性格やどのように一日を過ごすのかを勉強しました。
動物に触るのが苦手というお子さんが、この環境教育を通してヤギの生態を理解し最後にはヤギと遊べるようになったと父兄の方が嬉しそうに報告してくださいました。

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図版:休憩中のベリンダ

休憩中のベリンダ。子どもたちからたくさん草を食べさせてもらっています。
好きな草はどれかな?

来場していただいた方には、オリックス不動産様からヤギのポストカードやヤギ除草した畑で収穫したニンジンジュースのプレゼントがありました。
また、我々スタッフが手作りしたシュロの葉バッタさんもおみやげとして配布しました。

図版:ヤギのポストカードやヤギ除草した畑で収穫したニンジンジュースのプレゼント

今回のヤギ除草は10日間。途中で台風が来たり、夏日が続いたりと大変でしたが、2頭とも食欲旺盛できれいに除草してくれました。

図版:最終日の様子。初日と比べてみてください!

こちらは最終日の様子。初日と比べてみてください!

ベリンダは子どもらしく好奇心いっぱいでキョロキョロつまみ食い、サラは目の前の草を一心不乱にモグモグ。それぞれの個性も子どもたちはしっかり観察できたようです。
最終日にヤギ達の実家である羽生市のNPO法人雨読晴耕村舎に2頭が帰るときには、多くの方が見送ってくれました。
これからのベリンダの成長も楽しみにしつつ、今回のプロジェクトは無事終了しました。

鹿島では、緑地管理の環境負荷低減や保有緑地を用いた環境コミュニケーションを検討されている企業や学校などを対象としてヤギ除草を展開しています。
御関心のある方はお問い合わせ願います。(お問い合わせフォームへ

また、このブログを通じてヤギたちの様子をレポートしていきますので、ご期待ください。いきまちツイッターもよろしくお願いします!

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都市公園でのヤギ除草と今年最後の参勤交代

2012年10月

調布の社有施設で約1ヵ月間に及ぶ秋の除草を終え、良く働いた2頭のメス山羊“サラ”と“エリー”は本年度最後となる羽生への参勤交代を実施しました。今回もきれいに除草完了です。

写真:実施前

実施前

写真:実施後

実施後

東京から羽生に戻る今回の参勤交代では、東京都豊島区のご協力の下、豊島区立南長崎はらっぱ公園においてヤギの除草試験を行いました。事前に公園内の掲示板にヤギ除草実施の案内を張り出していたため、現地に到着すると既に多数の見学者が集まっていました。

写真:現地に到着すると既に多数の見学者が集まっていました

近隣の子供たちに見守られながら、早速除草開始です。今回は時間が短かったため、除草面積は限られましたが、多くの方に除草の様子を見ていただくことが出来ました。

写真:近隣の子供たちに見守られながら、早速除草開始です

写真:近隣の子供たちに見守られながら、早速除草開始です

その後、はらっぱ公園での作業を終了し、羽生に到着です。羽生の雨読晴耕村舎では、サラとエリーが除草した畑でニンジンや綿花が大きく育っていました。

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写真:サラとエリーが除草した畑でニンジンや綿花が大きく育っていました

写真:サラとエリーが除草した畑でニンジンや綿花が大きく育っていました

今年度の東京でのヤギ除草はこれで終了となりましたが、サラとエリーはこれから、お見合いや妊娠・出産という大事な時期を迎えますので、引き続きこのサイトでレポートします。
ご期待ください!

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学校屋上でのヤギ除草と参勤交代

2012年10月

春と夏の除草を経て、今年第3回目の秋の除草を9月中旬~10月初旬に実施しました。
埼玉県羽生市のニンジン畑でお仕事していたメス山羊2頭(サラとエリー)を東京都調布市の社有施設にヤギカーゴで搬送し、早速仕事開始です。

写真:羽生のヤギ小屋

羽生のヤギ小屋

写真:早速お仕事するエリー

早速お仕事するエリー

ヤギ除草も3年目に入り初年度と比較して植生が大きく変化しました。以前はセイタカアワダチソウやメリケンカルカヤが主体でしたが、現在はイヌタデやメヒシバ主体になっています。

今回の滞在ではヤギ除草の適用範囲を検討するため、調布の除草に加えて都内の中・高等学校の屋上庭園をお借りして除草試験を行いました。屋上にはエレベータにのって移動します。サラもエリーも初めての経験ですがおとなしくしていました。

途中階でエレベータの扉が開いてしまい、待っていた人を驚かせてしまうハプニングがありましたが(申し訳ありませんでした)、無事屋上に到着しお仕事開始です。

写真:エレベータに乗りこむサラとエリー

エレベータに乗りこむサラとエリー

写真:屋上でもきちんと仕事するエリー

屋上でもきちんと仕事するエリー

この学校の屋上にはミツバチの蜜源となるビーガーデンと、芝生広場が設置されています。今回は芝生エリアで草丈の高くなった芝と芝地に侵入したメリケンカルカヤを除草します。 途中昼休みには大勢の生徒さんが見学に来てくれました。皆さん草を食む様子をじっと観察したり、そっと背中を撫でてあげたり、担当者に質問したりと興味津々な様子でした。

写真:生徒さんたちと触れ合うサラとエリー

生徒さんたちと触れ合うサラとエリー

写真:生徒さんたちと触れ合うサラとエリー

写真:メリケンカルカヤを食べるエリー

メリケンカルカヤを食べるエリー

写真:エリー

写真:サラとエリーは機嫌よく帰路につきました

屋上からは渋谷のビル群が一望できたった半日の滞在でしたが、自分たちの人気ぶりにすっかり気を良くしてサラとエリーは機嫌よく帰路につきました。

次回は豊島区の区立公園で実施したヤギ除草の様子をご紹介します。

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ヤギフェス開催

2012年7月

いきものによる除草試験を実施している調布市の当社社有施設において「ヤギフェス」が開催されました。「ヤギフェス」はヤギやニワトリとの触れ合いを通して、いきものと人が共生する都市「生物多様性都市」を一緒に考えるため、年に1~2回開催している環境イベントです。

当日はあいにくの雨模様にも関わらず、子供から大人まで36人もの参加者にお集まりいただきました。まずは、実験の背景や目的を説明し、2頭のメスヤギ、エリーとサラ、そして3羽の烏骨鶏(ウコッケイ)ボンバー、ピピ、チャチャを紹介しました。

皆さんカメラ片手に撮影してくれています。

写真:皆さんカメラ片手に撮影してくれています。

写真:2頭のメスヤギ、エリーとサラ、そして3羽の烏骨鶏(ウコッケイ)ボンバー、ピピ、チャチャを紹介しました

今回の「ヤギフェス」では、東京の地図の上に、いきものを描いていく「いきまち図」作成コーナーと、小麦のストロー作りやヤギの乳製品を味わうコーナーの2つのプログラムを用意しました。

いきまち図では、ヤギの毛で作成した絵筆を用いて草原やヤギやニワトリを描いてもらいました。絵具は、羽生の不耕起水田の土やツユクサの葉っぱから取った汁を利用して作っています。

写真:ヤギの毛で作成した絵筆

写真:絵具は、羽生の不耕起水田の土やツユクサの葉っぱから取った汁を利用して作っています。

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大人も子供も真剣にいきまち図作りに取り組んでくれました。ちびっこ画家たちの活躍もあり用意した巨大なキャンパスが30分ほどで埋まってしまいました。

写真:大人も子供も真剣にいきまち図作りに取り組んでくれました

写真:ちびっこ画家たちの活躍もあり用意した巨大なキャンパスが30分ほどで埋まってしまいました

もう一方のコーナーでは、ヤギ乳からつくるシェーブルチーズやフェタチーズ、羽生産のハーブティーなどを味わっていただきました。小麦の茎で作ったストローも珍しかったようです。

写真:ヤギ乳からつくるシェーブルチーズやフェタチーズ、羽生産のハーブティーなどを味わっていただきました

写真:小麦の茎で作ったストローも珍しかったようです

2つのプログラムを楽しんでいただき、最後は出来上がった"いきまち図"を囲んで皆さんで記念撮影です。 “いきまチ~ズ!”の掛け声で撮影しました。

 

写真:いきまち図を囲んで皆さんで記念撮影

当日は、実際に緑地の管理を担当されている行政やディベロッパー、メーカーの方の参加もあり、所属企業でも取り入れたいとの声も聞かれました。

参加者の皆様からは、“ヤギに触ったら暖かかった。”“烏骨鶏が草を食べるのに驚いた。”“ヤギのいる風景に癒された。”等のご感想を頂きました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!
今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

当日の様子はツイッターで詳しく中継しました。ご興味がある方は下記をフォローしてください。

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ヤギの参勤交代!

2012年7月

今年1回目の除草を春に行ってから約2ヵ月が経ち、そろそろ社宅の草が伸びてきました。サラとエリーが参勤交代する時期です。羽生から東京にある弊社社宅までの移動はヤギカーゴ(籠)を使います。カーゴ(籠)は軽トラックですが、今回はちょっとした演出でヤギカーゴ(籠)のポスターを貼りました。安全運転で社宅までの道のりは約2時間です。

写真:サラとエリー

写真:カーゴ(籠)は軽トラックですが、今回はちょっとした演出でヤギカーゴ(籠)のポスターを貼りました

社宅に到着したサラとエリーは早速仕事を開始。いつもとちょっと違う草がありうれしいのか、勢い良く食べ始めました。これから約1ヵ月間、都会での滞在となります。

写真:いつもとちょっと違う草がありうれしいのか、勢い良く食べ始めました

写真:これから約1ヵ月間、都会での滞在となります

写真:ウコッケイ

図版:やぎか~ごマーク

サラとエリー、そしてウコッケイの除草により、これまでに減ってきたセイタカアワダチソウや草丈の高い外来種のさらなる抑制に期待がかかります。草丈の低いシバ型の草地に変われば、徐々に管理頻度も減り、種の多様性が高まるはずです。3年目になる今年も除草前後の植生モニタリングを継続して行っていきます。

今月はヤギをテーマとした環境教育イベントを行います。ご興味ある方はご一報ください。

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ヤギの里帰り

2012年5月

4月に再開したヤギと烏骨鶏による緑地管理プロジェクトは、約1カ月かけて1000m2の緑地の草刈りを終え、サラとエリーは埼玉県羽生市に帰って行きました。

写真:ヤギの里帰り

いきものによる除草を3年間継続した緑地は、セイタカアワダチソウなど太陽光を遮る背の高い草が衰退し、地表面まで光が入るようになったため、1~2年目には見ることのできなかった野草を多数発見することが出来ました。

たとえば、これは「ノビル」です。そのままでも食べられますし、味噌汁の具にしても美味しい!!

写真:ヤギの里帰り

また、ヨモギやオランダミミナグサなど、おかゆにするとおいしい野草も増加!
果樹や野菜など食べられる植栽が育っている景観をエディブルランドスケープと呼びます。
ヤギプロジェクトは「ヤギ乳」が得られるだけでなく、食べられる野草も出現するようになり2重の意味でエディブルランドスケープであることが、3年目を迎え初めて確認できました。

次にサラとエリーが出張してくるのは6月の予定。夏の除草にも御期待下さい。

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ヤギプロジェクト再開!

2012年4月

鹿島では2010年から社有施設においてヤギと鶏を用いた緑地管理プロジェクトを実施しています。
ヤギによる除草は機械除草と比較して「騒音、二酸化炭素排出、植物性廃棄物」がゼロ、つまり “トリプルゼロ”を目標に研究を進めています。

冬の間は草が無くなるのでヤギは故郷に帰りますが、今年は4月6日からサラ(青い首輪)とエリー(赤い首輪)の2頭のメスヤギによる除草を再開しました。

写真:

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ヤギは原っぱで1日約10m2 程度を除草します。芝刈り機の様な騒音もなく静かに除草し、特有の臭いもないことから住居の直近でも問題なく緑地管理を実施しています。

一方、ヤギの補佐役の烏骨鶏も新しい巣箱の中で働いています。
烏骨鶏はヤギが残したドクダミやヘビイチゴを食べ、庭を除草してくれます。
ヤギがいることで猫やカラスなどの外敵も寄り付かないため、鳥骨鶏は安心して仕事をしています。

写真:

写真:

今年もヤギプロジェクトにご期待ください。

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