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現在進行中の首都圏中央連絡自動車道工事で,当社は房総半島の3工事(小中,新治,真名),総延長約12.7kmを担当している。現場は起伏が多く,掘削土量は200万m3におよぶ。この3現場で今年1月,土工事の環境負荷を低減するねらいから,建設機械メーカーのコマツの指導員を招いて,油圧ショベルのオペレータを対象に省燃費運転の合同講習会を開いた。
講習会では,まず通常の運転で燃料消費量を計測。その後,運転モードをパワー優先のPモードから燃費優先のEモードへ切替えるなど,“ムダ・ムリ・ムラ”をなくす省燃費操作の講習が行われた。再び作業量あたりの燃料消費量を計測し,実運転で講習前後の燃料消費量を比較した結果,走行時と掘削時でともに平均30%の削減効果が得られた。
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コマツの指導員によると,「重機の性能がアップして,Eモードでも通常操作に十分な動力が出せるようになった。機械の能力を最大限に引き出す操作に慣れれば,CO2排出量は飛躍的に改善されます」という。
たとえば掘削のとき,アームの角度が90度になるように土をかき入れると, 最も有効にエネルギーを伝えることができ,Eモードでもパワー不足を感じることはない。さらに積込みの動作から掘削態勢に戻るときは,車体の旋回とアームの引揚げを同時に行う複合操作によりエネルギー効率が上がるという。
指導員が同乗した実技指導で,オペレータは操作のタイミングやコツを実際に体験。終了後には「これまで無駄な運転をしていたのがよくわかった」「早速実務に生かしたい」といった感想が寄せられた。
最近はこうした講習会のニーズが増え,建設現場の環境意識が高まっている。電気と軽油を併用したハイブリッド建機も各地で導入されはじめ,当社の旧本社跡地で工事が進む建築の現場でも,CO2を30%削減するツインドライブコンクリートポンプ車が導入予定だ。当社は現在国内約1,800ヵ所で建設工事を担当しているが,エコサイト活動の一環として,各現場で重機メーカーや協力会社との連携により省燃費運転や省エネルギー機械の普及に取り組む方針だ。