特集:台湾の鹿島 ―現場リポート2006秋―

台湾高速鉄道 操車場
台北駅から高雄駅までの345kmを最短90分で結ぶ台湾高速鉄道が,間もなく開通する予定である。
台湾西部の諸都市間の往来が容易になり,旅行やビジネスの利便性が飛躍的に向上する。
燕巣D290総操車場新築工事
―着工から1年という超短工期で部分完成―
所長 横田謙一

所長 横田謙一  高雄市から北へ約20km。さとうきび畑が広がる郊外に,台湾高速鉄道の総操車場が完成しました。沿線にはいくつかの操車場がありますが,ここは車両を維持・補修するための最大の施設です。
 ここもBOT方式で民間企業である台湾高速鉄路公司が当社JVに発注したものです。運賃収入などにより35年間で建設費用を回収して当局に引き渡されます。
 台湾高速鉄道では,計画途中でフランスのTGVシステムから日本の新幹線システムに変更されるなど紆余曲折があり,着工が1年も遅れました。この影響で,着工後1年で建屋内に新幹線車両を収容させたいとの要請があり,非常に厳しい工期となりました。
 一番大きい車両整備工場は間口140m,奥行き350m,延床面積は5万4,200m2あります。このような巨大な操車場を,着工時の4ヵ月と,日本からの新幹線車両収容前の半年間は昼夜兼行で施工し,完成させることができました。
【工事概要】
場所:高雄縣燕巣郷/発注者:台湾高速鉄路/設計:Parsons Brinckerhoff International/規模:車両整備工場―S造,1F 延べ54,200m2 塗装工場―S造,1F 延べ3,650m2 事務所棟―RC造,4F 延べ22,000m2 倉庫,機械,設備施設等全21棟 建築,設備,外構工事/工期:2003年5月〜2006年9月/施工:中鹿営造・中鼎工程・東元電機JV
台湾高速鉄道 操車場
操車場外観 日本の新幹線「のぞみ」をベースにした第一号の車両が格納された


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 台湾高速鉄道 操車場
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 100年をかけて築いたもの