鹿島建設株式会社 JR東北縦貫線工事事務所 所長
永田 敏秋
東北縦貫線(愛称:上野東京ライン)は、山手線の西側を経由する湘南新宿ラインに加えて、山手線の東側を経由して首都圏を南北に結ぶ輸送ネットワークの構築が可能となるため、鉄道利用者から大きな期待を寄せられているものです。
本工事は東北新幹線の直上に東北縦貫線の構造物を構築して重層化するものです。これまで新幹線上空を横断した工事はありますが、営業中の新幹線の直上を約600mにわたって縦断する工事は例が無く、非常に難易度の高い工事となります。
工事の施工はほとんどが電車の止まる深夜に限られ、万が一工事でトラブルが発生し一晩の予定作業が遅れると、新幹線を初電から運休させなければならなくなり利用者に大変なご迷惑をかけることとなります。このため、綿密な施工計画検討を実施し、日々のサイクルタイムを作成しそれに従った施工を行いながら新幹線の運行確保を最優先にして工事を進めました。
おかげさまで2013年4月に最終のPC桁架設が無事完了し、新幹線に対して一度も運行支障を与えることなく難易度の高い工事を終了する事ができました。