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伝統建築/歴史的建造物の保護・再生

伝統を守り、受け継ぐ

移築・復元

文化財や建築物として重要であるもの、思い入れのある建物を新たな場所で保存・活用することができます。多くは古い建物であるため、設計図が紛失していたり現存する設計図と異なることが多く、解体しながら新たに調査することとなります。材料はなるべく同じものを使用することになりますが、古くて使えないものや解体時にどうしても破損したり、壊れてしまうものに関しては、新しい部材と差し替え、質感をそろえるために、資材を全国に探し求めることとなります。また古い文献を調査をすることもあり、知見のある専門業者と協力しながらの作業となります。

取外し作業

まず建物を施工中の雨・風から守るため、建物全体に素屋根と呼ばれる覆いを設置してから、調査・解体を行います。建物の柱や梁には、元に戻すための番号をつけて丁寧に解体し、部材は洗浄・整理後、詳細に調査を行います。調査結果によっては部材に補強・修復を施し、組立てまで保存します。土壁もこそげ落とした土を保存し、再利用します。

構造用木材を取外している様子

構造用木材を取外している様子

柱や梁に番付する様子

柱や梁に番付する様子

土壁はこそげ落とし、また再利用する

土壁はこそげ落とし、再利用する

改ページ

復元工事

文化財指定の建物以外では、現行の建築基準法に適合した工事扱いとなるため構造材を取替えたり、補強したりする必要が出てきます。復元は古材を使用した新築であるため、架構の材質から断面寸法にいたる詳細な調査が必要です。ただし、取外し作業がある程度進まないとできない調査もあり、復元を開始するまでに必要となる確認申請をスムーズに取得することが必要となります。

素屋根を架設し、雨風から材料を守りながら慎重に組立てる

素屋根を架設し、雨風から材料を守りながら慎重に組立てる

古材を使用した新築工事のため、部材の補修や補強も行う

古材を使用した新築工事のため、部材の補修や補強も行う

日本建築特有のものである軒先

日本建築特有のものである軒先

内法造作うちのりぞうさく(内装)

伝統的な木造建築物はいろいろな細工を取り入れた内装をしつらえています。 木工、漆、竹、欄間、瓦、畳、襖、唐紙などもその表現の一つです。先人が好んだ日本文化や日本人らしさが、匠の技を通して細部に込められています。

床(寄木、パーケットフロア)の移築

床(寄木、パーケットフロア)の移築

天井(網代)

天井(網代)

匠の技術が生かされた竹細工

匠の技術が生かされた竹細工

実施例