伝統を守り、受け継ぐ
修理・修復
鹿島は、数多くの伝統工法建造物の修理・復元工事に携わってきました。木造、レンガ造、石垣など建築・土木にいたる幅広い伝統建造物の修理・修復工事、伝統木造による城郭などの復元を施工してまいりました。
■ 現代技術と匠の技でよみがえる歴史遺産
「仙台城石垣修復工事」
300年以上の時を経て老朽化した仙台城本丸跡石垣を、文化財としての価値を損なうことなく、石垣と並行して走る市道への安全にも配慮しながら修復しました。 ![]() 石垣断面 |
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石垣修復に際し、構築当時の石垣の設計図などが残されていなかったため、当社は仙台市と共同で3次元CADを用い、現存する石垣の形状から構築当時の形状を推測し、修復図面を作成する手法を考案しました。現場では、この修復図を元にして石垣の勾配を示す丁張りを設置し、石積み作業を行いました。
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修復前の石垣現況図。 赤い線が修復前、青い線が修復後を示し、 緑の線が基準線となります。 |
■ 日本一の茅葺屋根の葺き替え
「正法寺本堂保存修理工事」
岩手県水沢市にある曹洞宗の古刹・正法寺では、本堂の保存修理工事が行われました。2001年より6年の歳月を経て約190年ぶりの「平成の大修理」が終わりました。2006年には日本一の規模を誇る萱葺屋根の葺き替えが完了し、黄金色の大屋根が姿を現しました。今は周囲の自然環境にとけこみ、雄大な姿で人々を迎えています。

外観
![]() 葺き替え前の茅葺き屋根は草や木が生え、傷みが進行していました。 |
![]() 刈り取られた茅。全て茅ではまかなえず、葦(よし)も混合しました。円周1.5mの縄締め1万9,000束が使用されました。 |

49度の急勾配の屋根で作業する職人たち。上から順に仕上げて降りていきます。
文化財をより長く安全に保存するためには、現代の技術でサポートすることも必要不可欠です。
当工事は、約450tある本堂を70台の油圧ジャッキで持ち上げるという大掛かりな基礎工事となりました。巨大寺院を約1m持ち上げて、礎石の入れ替え・据え直し、柱の修理を行いました。
![]() ジャッキアップ工事により |
![]() 礎石の上に乗る修理後の柱。 |
■ 伝統建築をとりまく環境にふさわしいランドスケープデザイン
「庭園修復工事」
歴史を刻んだ、野趣味溢れる和風庭園のリニューアル。

建屋と調和する整備された中庭

庭への入口

再構成された飛石と石灯篭
■ 修理・修復
- 重要文化財・正法寺本堂 修復
- 国宝・姫路城 (素屋根工事)
- 赤坂迎賓館 修復
- 旧台徳院霊廟惣門 修復
- 大日本報徳社大講堂 修復
- 池上本門寺大堂 屋根瓦葺替