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KAJIMAダイジェスト

社員メッセージ

復興,海外,研究開発と,様々な分野で活躍する当社の社員。
新たな年を迎えて,どんな思いで臨むのか。
それぞれのフィールドで尽力する5名の社員から,メッセージが届いた。

写真:尾中隆文 工事課長

女川町の復興に貢献していきたい

東北支店
おながわまちづくりJV工事事務所
尾中隆文 工事課長

私は現在,東日本大震災で被災した宮城県女川町で復興事業に従事しています。中心市街地100haと離半島部15地区という広範な地域で,宅地造成と道路や水道,橋などのインフラ整備を行う“まちづくり”事業です。この事業では,調査・設計・施工を一体的にマネジメントして,復興事業の早期着手と円滑な事業促進を図るコンストラクション・マネジメント(CM)方式を採用しています。私の業務は,このCM方式に対応すること。国内初となるCM方式の実施段階における仕組みづくりを進めています。

古来より土木事業は,河川の氾濫防止や田畑への灌漑などを通じて人間の営みを支えてきました。この現場に着任して,人々の暮らしを支える大切な仕事に就いていると改めて実感しています。また,事業の基本方針として地域企業に多くの資材・工事を発注することを掲げて,地元企業の活性化に重点をおいています。公共工事としての裾野を広げていることも注目すべき点です。

震災から2年が経とうとする現在でもがれきの山が残り,住民は仮設住宅での生活を余儀なくされています。一刻も早い女川町の復興と活気あるまちづくりに貢献していきたいと思っています。そして,この事業を成功させることで鹿島は施工のみではなく,調査設計を含めた事業全体のマネジメントができることを証明していきたいです。

東京に家族3人を残した単身赴任生活が続いています。できるだけ帰宅する時間をつくって,家庭サービスも忘れないようにしたいですね。

改ページ

写真:石原寛司 課長代理

業務改善で新たなステージへ

エンジニアリング本部
見積調達グループ
石原寛司 課長代理

入社以来医薬品工場建設に携わり,企画提案から設計,機器据付,試運転引渡しまで一通り業務経験を積んできました。昨年4月に現職に着任して,調達業務と本部内業務改善プロジェクトを担当しています。現在行っているのは,設計施工標準の拡充整備からIT,教育など広範にわたり仕掛ける業務改善アクションプランのテーマの企画と推進。エンジニアリング本部内業務のQCDSE全てにおいて改善を狙っていきます。時には,業務フロー・システム自体の改変を行わなくてはいけないこともありますが,事前に個別プロジェクトでシステムの試行とフィードバックを繰り返して完成度を高めています。難しいのは,いかにして新しいシステムを浸透させ,定着させるかということ。アクションプランの活動内容を本部全体会議で全本部員に説明するなど,業務改善の意義を共有する試みを進めているところです。

国内建設市場が縮小を続けていますが,これは,今までの延長の仕事ではなく,現状を打破し,根本的な考え方を変えるチャンスではないかと思っています。「単に建造物を提供するのではなく,高い機能を提供する」という意識を持ち,生産施設の省力・省エネ技術などを提案に盛り込み,付加価値を増やすことがより重要になってきます。年度中に業務改善活動の成果を出して,2013年度は新システムを軌道に乗せてPDCAをまわし,エンジニアリング本部の業務を新たなステージに上げていく予定です。業務改善を通じて技術提案力・生産力・収益力を向上させる取組みを継続していきたいと思っています。

写真:新原雄二 設計長

“洋上風力の鹿島”を目指す

土木設計本部
構造設計部 臨海グループ
新原雄二 設計長

ヨーロッパでは盛んな洋上風力発電ですが,外洋に面した我が国では海上工事が非常に難しく,コスト面でも化石燃料などを使う他の電力に比べ不利なため,これまでは普及してきませんでした。しかし,再生可能エネルギーの大量導入時代に向けて,ポテンシャルの大きい洋上風力発電が大きく注目されています。鹿島は昨年10月,銚子沖の海上に我が国初となる本格的な洋上風力発電の実証試験機を設置しました。そして今年は,我が国の洋上風力は試験段階から商業段階へとステップアップする“洋上風力元年”になりそうです。

洋上風力を我が国に導入するためには,台風,地震,津波といった自然災害に対しても安全で,かつ外洋の厳しい海象条件での難工事を克服することのできる技術が必要になります。私は新入社員で配属された技術研究所では風による構造物の問題を研究していました。また土木設計本部に移ってからは,外洋での難工事となった台湾・龍門原子力発電所工事や,国内最大の海上工事である羽田空港D滑走路工事の設計・施工を経験しました。入社20年目となる今年,これまで自分が培ってきた知識,経験を最大限に発揮して,洋上風力実現に向けた技術開発に取り組んでいきたいと思っています。

鹿島はかつて,大型洋上プラットフォーム「SEP KAJIMA」を建造し,外洋シーバースなどの難工事を多数手掛けた時代がありました。その先人達のDNAを受け継いで,“洋上風力の鹿島”を目指します。

改ページ

写真:岡 史浩 副所長

住民の生活を取り戻す

東北支店
田村市除染等JV工事事務所
岡 史浩 副所長

「住民の方々の生活を取り戻す」。これがいま,私たちが背負っている仕事です。2012年7月に始まった福島県田村市の本格除染工事は,福島第一原子力発電所から半径20km以内に位置する,722軒の建物と道路約76.3km,農地約150ha,森林約270haなどを今年3月中に除染するもので,環境省が直轄事業として行う最初の本格除染です。現在42名のJV職員と1,200名もの作業員が力を合わせ,急ピッチで作業を進めています。

この地域は,「警戒区域」から「避難指示解除準備区域」になり,立入りはできますが,宿泊はできません。住民の方々が生活を取り戻すには,まず除染を完了させる必要があります。地域の方から激励される機会も多々あり,日々責任の重さを感じています。私自身,2005年から近傍の双葉町と南相馬市で鉄道と道路の工事に従事し,多くの知人がいます。避難生活の大変な苦労を聞いており,「安心して生活できる環境を,早くつくりたい」と強く思っています。除染は,これまでに経験したことのない工事です。作業員のなかには建設作業の経験がない人も多くいますが,安全意識を高く持ちながら,確実に作業を進めています。震災後から手入れがされず伸びた草を刈り,除染を進めていくにつれて,少しずつきれいになっていく現場を見ていると,住民の方々が戻ってくる姿が目に浮かぶようで,力が湧いてきます。

写真:若山武彦 所長

世界を股にかけて

カジマ・インドネシア
チカラン営業所
若山武彦 所長

インドネシアで主に日系企業の生産施設の建設に携わり,お客様との工事の調整から建設技術,コスト,スケジュールの管理まで,建設工事にかかわる全てのマネジメントを行っています。現在は,工場を稼働させながら増設を行う複雑な改修工事を担当しており,現地人スタッフ25名と一緒に建物完成に向けて日々励んでいます。この現場は,18年間継続して仕事を頂いている重要なお客様の工事です。長年かけて築かれた信頼を損なうことがないよう,懸命に作業を続けています。

海外で苦労しているのは,言葉や文化,習慣の違いです。“責任を持って仕事をする”“時間を守る”日本では当然のことですが,これが通用しません。常識が異なるのは辛いところです。こうしたなかで日本と変わらぬ品質の建物が完成したときの感動はひとしおです。我々建築技術者にとって,建物が竣工を迎えたときの喜びは無上のものですが,こうしたやりがいが私の大きなモチベーションになっています。日本の企業がグローバル化していく状況に,私も海外で活躍できる技術者になりたいと海外勤務に手を挙げました。世界を股にかけて,国を問わずに仕事ができる“スーパーグローバル現場監督”を目指して,今年も精進していきたいと思っています。

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