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Total
Solution
05
品質検証型の
デザイン・技術サービス

シミュレーション技術が導く高品質

建築の企画から設計・施工まで一貫して携わることにより、成果品に求められる品質を一元的に管理し、実現することが可能です。品質管理のベースには当社の総合力を発揮した技術による裏づけが常にあり、高度なレベルでの検証がなされています。構造、空調、音響、照明などに関する先端シミュレーション技術の適用もその一例です。

Case001
音響シミュレーション

五角形の音楽ホールの響きを検証する

写真:五角形の音楽ホールの響きを検証する

軽井沢大賀ホール

音楽家としても知られる大賀典雄ソニー相談役から軽井沢町に寄付された800席の中規模ホールです。大賀氏からの要求は「平行壁面のないホール」。様々な音響シミュレーションを繰り返し、五角形の形状を決定していきました。大賀氏のモノ作りへのこだわりと、当社の総力を結集し、市民に開かれた理想の音楽ホールを生み出すことができました。

長野県北佐久郡軽井沢町 2004年11月竣工

素材の選定

理想的な残響時間を実現するため、内装仕上げの検討を進めました。低音域の豊かな響きを実現するためには重く硬い材料とする必要があります。天井の石膏ボードは21mm×3層張り、壁面はコンクリートへの直接的な高音域の拡散を意図して無垢材堅リブをランダムに固定しました。

理想的な初期反射音

響きの印象は初期反射音によって形成されます。ステージを取り囲む壁の角度や、2階席バルコニーの腰壁の角度を調整しながらコンピュータシミュレーションを繰り返し、初期反射音が理想的な分布となるように計画しています。

写真:軽井沢大賀ホール
図版:音響シミュレーション

音響シミュレーション
(初期反射音分布図/赤:1次反射 黄色:2次反射 緑:3次反射)

Case002
カーテンウォールの
流体解析シミュレーション

オフィスの快適な室内気候をつくる

写真:オフィスの快適な室内気候をつくる

虎ノ門タワーズ オフィスタワー

オフィスの室内気候の制御は、気候、方位、周辺環境などの外部条件、間仕切りや稼動時間などの内部条件により、大きく異なります。設計段階では、ニーズを適切にくみとって仮説を立て、最新の技術を用いて検証を繰り返します。それらのシミュレーションによる性能の可視化によってお客様の判断を支援しながら、快適な室内気候を実現しました。

東京都港区虎ノ門 2006年8月竣工

流体解析シミュレーションによる検証

省エネルギー性能の観点からダブルスキン・カーテンウォールを採用しています。その基本性能の最適化と検証を外装コンサルタントと協同で行いました。二重のガラス面の間の空隙について、温度と風速のシミュレーションを行い、空隙の幅、上下スリットの形状等の最適解を導いています。

温熱感指標による評価

ダブルスキンカーテンウォールについて、各種の温熱感指標による評価を行い、実際の室温とは別に、体感的な温度を多角的にチェックし、計画にフィードバックしています。

図版:カーテンウォールの流体解析の図

カーテンウォールの流体解析の図
温度(左)、風速気流(右) 各図の左側が外部、右側が室内

Case003
半屋外空間のシミュレーション

半屋外空間を生かす

写真:半屋外空間を生かす

慶應義塾大学日吉第4校舎独立館

創立150年記念事業の一環として計画された学生約1万人が使用する講義棟です。学生のアクティビティーが見え隠れする建物の表情は、桜並木やけやき並木と共に日吉キャンパスの新しい姿をつくりだしています。アトリウムとアプローチアベニューは半屋外の街路として建物の中に組み入れ、動線の重なりや視線の交錯を意図的に誘発することで、交流の場としても活用されることが期待されています。

神奈川県横浜市港北区 2009年3月竣工

環境の総合的な整備

前面の道路に面してそそり立っていた擁壁を撤去し、街並みへの圧迫感を軽減しました。また、既存の生態系の保全と共に桜並木をつくり、複雑化していた構内インフラを地下に集約するなど、総合的な環境整備を図っています。

半屋外空間の快適性評価

街とキャンパスを繋ぐアプローチアベニューと、それに連続するアトリウムでは、快適性を評価するシミュレーションにより、明るさ、風、温熱の最適な状態を検証しました。その結果を用い、既存の銀杏並木のような、風がそよぐ木陰をイメージさせる半屋外の空間を創出しました。

写真:半屋外のアトリウム
写真:「明るさ感」の指標とした既存の銀杏並木

半屋外のアトリウム(左)と
「明るさ感」の指標とした既存の銀杏並木(右)

Case004
空調のシミュレーション

スタジオ大空間を効率よく空調する

写真:スタジオ大空間を効率よく空調する

フジテレビ湾岸スタジオ

フジテレビ開局50周年記念事業として計画された、計2,000坪に及ぶ8つの大規模スタジオを二層に積み重ねた、世界にも類を見ない施設です。ドラマ、バラエティ、音楽番組の企画から収録、編集、仕上げまでの一貫制作が効率良く高度なレベルでなされるよう、複雑な要素を明快に整理し、合理的に統合することが課題でした。そのために、外装、構造、遮音、防振など多数の先端技術が適用されています。大スタジオを効率良く空調する技術はその一例です。

東京都江東区青海 2007年3月竣工

人に地球にやさしい建築

スタジオの特性上、24時間活動が続きます。そのため、ダブルスキンの外装、レストランの大空間の自然換気システム、大規模な屋上緑化、BEMSによるエネルギー使用の最適化など、省エネルギーと自然を身近に感じられる工夫が全館にわたってなされています。

壁面に冷気を伝わらせる

「温水を貯めた浴槽の端からゆっくりと冷水を流し込むと、温冷水は急激には混ざらない」という現象を応用した空調計画です。天井高さ10数mの大スタジオ壁面が傾斜していることを利用して、冷気を壁面に沿って流し、下方の居住域に効率良く回す技術を開発し、省エネルギーを実現しています。

写真:スタジオ内部

スタジオ内部

写真:

上方の全域から拡散空調する方式(左)と
傾斜壁面沿いに冷気を流し込む方式(右)の比較

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