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建設現場における安全衛生管理

建設業の「ものづくり」は、発注者より依頼を受ける元請がひとつのプロジェクトの全体の工程を考えて、施工方法の検討を行います。そして、計画に基づいて、専門工種に分かれた協力会社の人々の作業が連携し、完成に向かいます。鹿島は、元請として協力会社を選定し、必要に応じて重層構造を構成して進めています。

建設現場では、資機材の調達および協力会社選定が、品質・安全衛生・環境を確保するための鍵となります。

現場における鹿島と協力会社の関係図

現場における鹿島と協力会社の関係

安全衛生方針

安全は企業の能力と良心を示すバロメーターであるとの理念に基づき、管理能力の高い協力会社と連携して建設工事に伴う災害・事故の撲滅を図り、もって社会基盤整備を担う建設業の信頼確保と会社の永続的な発展を目指す。

  1. 三現主義(現場で・現物を・現実に)と現地における指差喚呼を徹底し、ヒューマンエラーによる災害・事故を防止する
  2. 当社と協力会社のコミュニケーションを強化し、人間・機械・設備が相互に協調した安全で快適な職場環境を形成する

鹿島の労働安全衛生マネジメントシステム

鹿島は、「建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)」に準拠して安全衛生管理を行っています。土木部門・建築部門それぞれで、安全衛生・品質・環境の統合マネジメントシステムの一角として、安全衛生活動の仕組みや業務を規定・運用しています。
全社的には、前年度の実績や状況をもとに必要に応じて安全衛生方針の見直しを行い、当年度の安全衛生目標と計画を策定するというサイクルを取っています。また、各支店・各現場では全社方針に則り、各工事にあわせた工事安全衛生方針・目標・計画を立て、鹿島と協力会社がそれらを共有して施工を進めます。工期から見た中長期の見通しから、一日のサイクルまでを緻密に計画した上で、リスクアセスメントを活用し、パトロールなどの点検・評価を繰り返して事前に災害や事故の発生要因を取り除くなど、「計画(Plan)− 実施(Do)− 評価(Check)− 改善(Action)」というサイクルにより、安全衛生水準の継続的な向上を目指しています。

PDCAサイクル図

三現主義

鹿島は安全衛生方針をより一層徹底し、安全な作業環境を確保するための手段として、安全基本行動を定めています。安全基本行動は社員だけではなく、事業主である協力会社の社長や職長を含め現場に携わる人々すべてが一体となって取り組むものです。

安全に作業する環境を構築することが、品質や工程の確保はもちろんのこと、無事故無災害で工事が竣工することにつながります。顧客や社会の信頼に応えるためにも、鹿島は協力会社と日々努力を積み重ね、強固な信頼関係を築き、安全衛生管理に取り組んでいます。

ポスターの画像

「安全基本行動」周知のためのポスター

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労働災害・事故の撲滅に向けて

鹿島では、安全衛生に関する明確な指揮命令系統のもとで本支店・現場間のスムーズな施策の展開・運用を行っています。

安全衛生に関する情報伝達経路と管理体制図

現場においては、安全第一に施工内容全体を検討し、工期から中長期の計画、1週間、1日と細分化した計画を練った上で、日々の作業が行われています。現場の安全衛生管理は、とりまく状況を理解し、品質の確保を前提に、効率的でより安全な作業ができるよう、人・重機・モノの動きを詳細に検討しています。

リスクアセスメントを活用した施工計画

リスクアセスメントとは、施工計画や作業開始時など、あらゆる場面で作業を行うに当たって危険性や有害性を特定し、災害や事故が発生するリスクを見積り、評価する手法です。

危険性や有害性のリスクを評価した後、どのようにリスクを低減し、それらの優先順位はどのようなものかを検討し、対策の実施、さらには記録を残すというプロセスが必要です。鹿島では、特に工事入手時検討会後の、施工計画書作成時や施工準備委員会、鉄骨建方等の施工前検討会などでリスクアセスメントを実施しており、それ以外に本支店が行う安全衛生パトロールなども該当します。多くの人々の知識や経験で事前検討の効果を高めるとともに、より多くの人の目で現場を実際に確認することで、安全衛生管理の確度を高めています。

情報共有と未然防止の活動

現場の一日はその日の作業予定や注意事項を周知する朝礼から始まり、翌日の作業について、専門工種同士の調整をするために作業間連絡調整会議を行うなど、緻密に情報共有の場を設けています。

また現場にいる鹿島の社員や協力会社の職長などがそれぞれ計画された手順で作業を進めているかどうか、不安全な行動や状況がないかなど、実際に目で見て点検し確認をしています。何か気が付いた時には、鹿島の安全基本行動の一つである「一声かけ」を行い、三現主義に基づいた地道な活動で、日々の安全確保に努めています。さらに、本支店からも現場パトロールを実施し、多くの目で確かめることによって、良い緊張感の保持と安全意識の向上を図っています。

緊急事態発生時の対応

万が一、労働災害や事故・火災等が発生した場合には、関連機関への連絡など、社内外と連携の上で迅速な対応をする必要があります。そのために、着工時から緊急連絡先一覧を現場内で共有しています。

災害・事故発生時の情報伝達経路

再発防止対策の立案と展開

災害や事故が発生してしまった場合の再発防止に向けた要因分析方法を2012年度から刷新します。時系列に「事実現象の整理」を行うことで、手順の中で逸脱した点を特定。その後、要因の分析を6つの観点で行い、施工計画等まで踏み込んで予防するために必要であった点を追求します。それらをふまえて、同種災害および類似災害の再発防止対策を立て、必要に応じて全社・全支店に新たなルールを加え、水平展開を図っています。さらに該当する防止対策が実施されている状況をパトロールなどで確認することで再発防止措置を浸透させています。

適正な労働管理の徹底

鹿島では「労災かくし」を撲滅するため、現場内に啓発のポスターを掲示したり、日頃からコミュニケーションを図るよう努めています。

「労災かくし」撲滅啓発ポスター

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災害ゼロの基盤となる安全衛生教育

企業の安全衛生管理は人命尊重に基づくものであり、徹底して行うことが求められます。鹿島は施工技術が進化し現場の労働情勢が複雑化する中、社員ならびに協力会社の職長・作業員が常に自信を持って安全衛生管理を遂行できるよう、教育カリキュラムを構築しています。

社員への安全衛生教育

鹿島では、日頃の業務を見直しながら、社員が「知識」と「経験」に基づいた着実な安全衛生管理を遂行できる能力を身に着けられるようにカリキュラムを構築しています。社員を対象とした安全衛生教育は、法令や社内規定などの知識を整理する「基礎研修」、事例研究等をもとにした実践的な「管理者研修」、リスクマネジメントの観点を組み入れた「元方安全衛生管理者研修」、マネジメントの立場になってからの心構えまでをふまえた「所長研修」など4段階となっています。

  • 基礎研修
    さまざまな法令や社内規則などの基礎的な知識を付与するとともに、現場における災害防止の実務をこなせる能力を養成する。
  • 管理者研修
    ケーススタディを中心に安全衛生に対する問題意識を高め、管理上の知識や能力を養成する。
  • 元方安全衛生管理者研修
    現場所長(統括安全衛生責任者)を補佐する元方安全衛生管理者を養成する。
  • 所長研修
    「責任者は現場の所長である」との認識のもと、現場のトップとしてのリーダーシップ、リスク管理能力および総合判断力を養成する。

所長研修の写真

金子副社長(左)による「訓話(所長研修)」

協力会社への教育支援

協力会社に対して実施している安全衛生管理の教育訓練として、一定の危険または有害な業務に労働者をつかせる時などに実施しなければならない「技能講習」、「特別講習」や、現場において新たに職務につくこととなった職長に対して行わなければならない「職長・安全衛生責任者教育」などがあります。これらは労働安全衛生法により定められた教育であり、協力会社の事業主に実施義務がありますが、鹿島では協力会社に対する支援として、その事業主に代わってこれらの教育を実施しています。

また、鹿島の施工管理水準の維持・向上のためには、優秀な職長を安定的に確保・配置することが重要であることから、鹿島独自の教育プログラムである「職長能力向上教育」を実施しています。修了者は関係部署長の承認により、上級職長と認定されます。

職長・安全衛生責任者教育の写真

九州支店で行われた「職長・安全衛生責任者教育」

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協力会社とのコミュニケーションの強化

鹿島にとって、協力会社は非常に重要なパートナーです。災害防止活動を主な目的とする「鹿栄会」と、相互扶助の精神を基本に各種事業を行う「鹿島事業協同組合」を構成し、鹿島と協力会社が一体となって品質・安全の確保を行えるように取り組んでいます。

サプライチェーンとしての協力会社選定

建設業にとってのサプライチェーンは資機材もさることながら、協力会社を中心とする現場内でともに竣工を目指す人的資源に拠るところが非常に大きいのが現実です。鹿島では、外部機関や独自の制度を活用した協力会社の評価・管理を行い、適正な施工能力のある協力会社を選定して工事を進めています。また、技術者の確保や育成支援を行うことで、共存共栄を目指しています。

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