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プレスリリース

[2014/06/09]

450KB

環境配慮型CFT充填用 “KKCコンクリート”の開発

CO2排出量削減と同時に強度向上を実現

 鹿島(社長:中村満義)は、一般的なセメントである普通ポルトランドセメントや中庸熱ポルトランドセメントを用いたコンクリートよりもCO2排出量を40%削減でき、粘性を低減させることで設計基準強度(Fc)60N/mm2までの施工を可能とした鹿島環境配慮型CFT充填(KKC※)コンクリートを開発しました。東京都内のCFT工事の現場において、既にFc60N/mm2という高強度での適用を含む4件の実績があります。
 当社は、「環境ビジョントリプルZero2050」を掲げ、CO2排出量削減活動等を積極的に推進していますが、KKCコンクリートの普及展開を図ることで、低炭素社会の実現に貢献してまいります。

※KKC(商標登録出願中)=鹿島(K)環境配慮型(K)CFT充填(C)


 CFT鋼管内(充填)状況

コンクリート打設(充填)状況 模式図

CFT鋼管内(充填)状況

コンクリート打設(充填)状況 模式図


鋼管内カメラによる充填状況のモニタリング管理

KKCコンクリートのスランプフロー(※)状況

鋼管内カメラによる
充填状況のモニタリング管理

KKCコンクリートのスランプフロー(※)状況

(※)スランプフロー:生コンクリートの軟らかさの程度(軟度)を示す指標。通常はスランプコーンを持ちあげたあとの高低差がスランプ値として用いられるが、軟度が高いコンクリートについては、直径の広がりをスランプフローとして測定する。

開発の背景

 建築物を構築する上で不可欠な建設材料であるコンクリートは、セメント、粗骨材、細骨材及び水から構成されています。これらの原材料1トンを製造する際のCO2排出量は、セメント製造に起因するものが747kgに対し、粗骨材が3kg、細骨材が4kg程度です。このことから、圧倒的にセメントのCO2排出量が大きいため、製造時のCO2排出量が少ない低炭素セメントの利用・開発が求められています。
 従来から、低炭素セメントとして高炉セメントB種がありますが、これを用いたコンクリートはFc42N/mm2を超えるような高強度レベルでは粘性が高くなり流動性が低くなってしまうため、鋼管への充填を必要とするCFT充填コンクリートには不向きでした。この課題を解決するため、当社では高炉セメントB種を鹿島独自仕様の環境配慮型CFT充填用セメントへと改良し、これを用いたKKCコンクリートを開発いたしました。

KKCコンクリートの概要

・CO2排出量40%削減
 コンクリートの主原料である普通ポルトランドセメントの一部を高炉スラグ微粉末(高炉で銑鉄を作る際に発生する副産物)と石灰系混和材に置き換えることにより、コンクリート製造時に排出されるCO2を40%削減することが可能となり、普通ポルトランドセメントコンクリートや中庸熱ポルトランドセメントコンクリートに比べて大幅なCO2排出量の削減効果(▲174kg/m3)が得られました。

・粘性低減による圧入施工性向上と強度向上
 KKCコンクリートは、中庸熱ポルトランドセメントコンクリートに比べて見掛けの塑性粘度(粘性の代替特性値)が小さく流動性が高いことから、ポンプ工法を用いた圧入時の施工性が良好となります。これによりFc36~60N/mm2まで適用が可能です。

製造時におけるCO2排出量の比較

製造時におけるCO2排出量の比較

ポンプによる圧入施工性評価

ポンプによる圧入施工性評価

・品質の確保と安定供給体制の整備
 CFT充填コンクリートは大臣認定が必要なため、KKCコンクリートも都内の生コン3工場(北区、江東区、品川区)と共同で大臣認定を取得し、品質が確保されています。CFT構造は、都内の事務所ビルを中心に需要が多く、KKCコンクリートは上記生コン3工場から都区内を網羅した地域に供給できる体制を整備いたしました。また、コストは同一設計基準強度において、中庸熱ポルトランドセメントコンクリートと同等です。
 材料のKKCセメントは(株)デイ・シイ(社長:工藤秀樹 神奈川県川崎市)に製造委託をしています。

適用工事(東京都内)

適用工事(東京都内)

今後の展開

 CFT構造の需要が最も高い都区内におけるKKCコンクリートの供給体制が整備されたことで、鹿島は今後さらなる普及展開を図り、低炭素社会の実現に貢献していきます。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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