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プレスリリース

[2015/07/08]

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車両運行管理システム「スマートG-Safe®」の機能を強化

狭隘道路での『すれ違い管理』と輸送・出来高管理の自動化の実現

 鹿島(社長:押味至一)は、2010年にGPS機能付き携帯電話を用いた速度監視・注意喚起システムを自社開発して以降、安全な工事車両運行に寄与するため、継続的な改良を続けています。
 このたび、当社保有の車両運行管理システム「スマートG-Safe®」の大幅な機能強化により、山間部等の狭隘な道路における大型工事車両同士の『すれ違い管理』や、土砂等の積載物の輸送・出来高管理の自動化を実現し、大分川ダム堤体建設工事へ導入しました。 本システムにより、大型ダンプをはじめとする工事車両の安全な運行と作業効率の向上を図っています。     

スマートG-Safeイメージ     

開発の背景

 これまで鹿島では、2010年にGPS機能付き携帯電話をもとにした車両の速度監視・注意喚起システム「モバイルG-Safe」を業界に先駆けて自社開発し、多くの工事に導入してきました。 また、東日本大震災復旧工事である石巻ブロック災害廃棄物処理業務では、タブレット端末を利用した「スマートG-Safe」に発展させ、工事車両の位置情報の把握や、運行管理者と運転手の双方向通信を可能にするなど、現場のニーズに応えながら機能向上を続けています。

開発の目的

 山間部のトンネルやダムなどの工事では、大型車両がすれ違うことのできない狭隘な道路を工事車両が通行することがあります。こうした状況においては、一般車両の安全と円滑な施工の両面を確保するために、大型工事車両を適切な場所で待機させ、安全にすれ違いをさせる管理が求められます。
 また、フィルダムなどの掘削土の再利用が必要となる工事や、輸送物の厳格な管理が求められる事業においては、「何を」「いつ」「どこから」「どこへ」「どのくらい」運んだのか、といった積載物の種別に応じた確実なトレーサビリティ管理も求められます。
 そこで鹿島は、狭隘区間で対向する工事車両のすれ違い状況を把握してコントロールする機能、および積載物の輸送・出来高を自動管理できる機能を持たせた新たな「スマートG-Safe」を開発しました。

システムの概要

 本システムでは、情報処理のクラウド化と通信データの簡素化により、車両位置情報の更新頻度を従来の1分間隔から“5秒間隔”に短縮し、リアルタイム性を向上させています。加えて、車載端末で他車の位置情報を把握可能にすることで、『すれ違い管理』を実現しています。
 また、車載端末から作業状況を入力することで、運搬回数や出来高といった施工情報を自動で集計・管理する機能を付加しています。
 新たな機能は以下の通りです。

  1. すれ違い管理
    • 現場事務所に加え、各車両に設置した端末で全工事車両の走行位置をリアルタイムに画面表示(5秒間隔で更新)
    • すれ違い困難な狭隘区間の前後にGPSの位置情報をもとにした仮想の車両検知ゲート(以下、仮想ゲート)と待機エリアを設定
    • 仮想ゲートで車両を検知し、先に車両有無判定区間に進入した車両を優先として対向する工事車両の運転手に警告音とメッセージで待機エリアでの待機を指示
    • 積載物の有無識別と仮想ゲート位置の工夫により、積載車両(実車)を優先できる管理を実現
    • 狭隘区間でのすれ違い管理イメージ     

      狭隘区間でのすれ違い管理イメージ

          
  2. 輸送・出来高管理
    • 「何を」、「いつ」、「どこから」、「どこへ」、「どのくらい」運搬したかを自動記録、集計
    • 集計されたデータから出来高を迅速かつ確実に管理可能
    • 輸送・出来高管理イメージ     

      輸送・出来高管理イメージ

          
  3. 運行管理日報の自動作成
    • これまで手書きだった日報の作成が不要となり、運転手の負担を軽減
    • データはリアルタイムにクラウドサーバへ集約され、いつでも走行履歴や日報の確認・出力が可能
    • 運行管理日報イメージ     

      運行管理日報イメージ

          
  4. 運行効率管理
    • 走行速度、待機時間等のデータをもとに、輸送作業の効率を低下させるボトルネックを把握し、運行計画を改善

現場での適用

 本システムを大分川ダム堤体建設工事に導入し、現場実証を行いました。17台の大型ダンプトラックの運行管理に用い、狭隘区間での『すれ違い管理』が有効に機能するとともに、複数箇所の積込場・土捨場・仮置場における輸送・出来高の管理を確実かつ効率的に行えることを確認できました。

現場事務所で運行状況を確認      

現場事務所で運行状況を確認

今後の展開

 近年、工事規模が大型化しており、より多くの工事車両の管理が求められることとなります。こうした工事において本システムを積極的に適用するとともに、引き続き現場のニーズに応じた機能強化を図ることで、工事車両のスムーズな運行と輸送管理をサポートし、安全性と作業効率の向上、更には環境負荷低減にも寄与していきたいと考えています。

工事概要

工事名  : 大分川ダム建設(一期)工事
工事場所  : 大分県大分市大字下原地先
発注者  : 国土交通省九州地方整備局
施工者  : 鹿島・竹中土木・三井住友特定建設工事共同企業体
工期  : 2013年9月3日~2016年12月28日
工事諸元  : 型式:中央コア型ロックフィルダム、堤高:91.6m、堤頂長:496.2m、
   堤体積3,781,000m3、総貯水容量:24,000千m3


(参考)
  タブレットを利用した車両運行管理システム“スマートG-Safe”石巻ブロック災害廃棄物処理事業で大規模適用開始 別ウィンドウが開きます   (2012年9月5日プレスリリース)

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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