ホーム > 企業情報 > プレスリリース > 純木質耐火集成材の新規大臣認定を4社で取得

プレスリリース

[2016/09/09]

795KB

純木質耐火集成材の新規大臣認定を4社で取得

~「FRウッド®」の部材仕様を合理化し、大幅なコストダウンを実現~

鹿島建設株式会社
住友林業株式会社
有限会社ティー・イー・コンサルティング
三井住商建材株式会社

 鹿島建設株式会社(社長:押味至一、本社:東京都港区、以下 鹿島)、住友林業株式会社(社長:市川晃、本社:東京都千代田区、以下 住友林業)、有限会社ティー・イー・コンサルティング(社長:宮林貴美子、本社:東京都荒川区、以下 ティー・イー・コンサルティング)、三井住商建材株式会社(社長:植木啓之、本社:東京都中央区、以下 三井住商建材)の4社は、2012年3月に鹿島が1時間耐火構造の大臣認定を取得した国産スギ材による純木質耐火集成材「FRウッド(※1)」について、難燃薬剤を注入した燃え止まり層の厚さをスリム化するなど部材仕様の合理化を図り、新たに大臣認定を共同で取得しました(※2,3)。

 これにより、従来の「FRウッド」から約4割のコストダウンを実現するとともに、梁部材では、スギに比べ構造性能が優れたカラマツに変更することで大スパン構造も可能となり、様々な建築物でより一層利用しやすくなりました。新たに大臣認定を取得した純木質耐火集成材(以下、新認定の純木質耐火集成材)の販売は、住友林業を販売元とした体制で2016年9月より開始します。

新認定の純木質耐火集成材   

新認定の純木質耐火集成材

開発の背景

 CO2削減といった環境対策や低炭素社会の実現、森林の有する多面的機能(生物多様性の保全、土砂災害の防止、水源の涵養など)の発揮、国内林業や地域経済の活性化、木材自給率の向上等を目的に、2010年10月に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、木造建築へのニーズ、期待が高まっています。
 一方で、従来耐火性能を担保する木質耐火部材は、石膏ボードにより表面を覆い木が見えない仕様が主流であることから、木が持つ本来のぬくもりや優しさを活かすためにも、木がそのままあらわれる新しい木造耐火技術の開発が期待されていました。

 こうした中、純木質耐火集成材「FRウッド」は国立大学法人 東京農工大学(以下、農工大)、国立研究開発法人 森林総合研究所(以下、森林総研)、ティー・イー・コンサルティングと鹿島が共同で開発し、2012年3月に鹿島が大臣認定を取得し、東京都内の飲食店舗「野菜倶楽部 oto no ha Café」に実適用しています。


otonoha内観1


otonoha内観2


●建物概要
・建物名称:野菜倶楽部 oto no ha Café
・建物用途:飲食店舗 ・構造:木造 ・階数:地上3階
・延床面積:243.66m2 ・建物高さ:9.855m
・建築主 基本設計:音羽建物
・設計 監理:鹿島建設
・設計協力:いけはたアトリエ ・インテリア FFE:ILYA
・施工:住友林業(建築) 坂本建設(外構)


 このたび、この「FRウッド」をより一層利用しやすいものとし、かつ開発関係者が関与する物件に限定せずより市場を広げるために、住友林業と連携しながら、農工大、森林総研の助言のもと、コストダウンにつながる部材仕様の合理化を実現しました。

純木質耐火集成材「FRウッド」の特長

 主な特長は、以下の通りです。

  1. 国産スギ材を多く利用した純木質耐火構造部材(柱、梁)
  2. 木材を被覆せずに「あらわし」で、かつ内装材ではなく「構造部材」として利用可能
  3. 荷重支持部の周囲に難燃薬剤を注入した燃え止まり層を配置し、1時間の耐火性能を確保
  4. 薬剤注入前にドリルによるインサイジング処理(孔あけ処理)を行い注入量と注入分布を均一化
  5. 「薬剤注入が容易」というスギの特徴を活かした部材で、日本各地のスギ材利用が可能
  6. 燃え止まり層は石膏ボードなどの不燃材ではなくスギ材のため、より多くの木材利用が可能
  7. ライフサイクルアセスメント評価において、「FRウッド」による木造は鉄骨造より36%、鉄筋コンクリート造より47%の環境負荷低減が可能

今回の改良点

 主な改良点は、以下の通りです。

  1. 下記3点の仕様合理化による約4割のコストダウン
    • 薬剤注入方法の改良により、燃え止まり層の厚さを60mmまたは75mmから「50mm」にスリム化
    • インサイジング処理を1600孔/m2から「800孔/m2」に半減
    • 梁の荷重支持部(無処理層)をスギから、より構造性能が優れた「カラマツ」へ変更
  2. 認定最少断面の縮小および認定最大断面の拡大による設計自由度向上
    (柱断面寸法:240mm×240mm~800mm×800mm 梁断面寸法:240mm×180mm~600mm×950mm)


  3. FRウッドと新認定の純木質耐火集成材

     

    加熱実験の様子  

    加熱実験の様子

    加熱前後の柱部材断面  

    加熱前後の柱部材断面

今後の展開

 本部材の製造工場を2カ所(岩手県、石川県)に設けており、建設地に応じて製造工場の選択が可能です。また、ニーズや流通量に応じて、今後全国に製造拠点を増設していく計画です。
 販売については、住友林業を販売元とした体制で2016年9月より開始します。

 大臣認定を共同取得した4社で連携しながら新認定の純木質耐火集成材を公共施設や教育施設、福祉施設など様々な建築用途を対象に、小規模から大規模な建物まで幅広く展開していきます(※4)。
 また、木造に加えて、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の一部を木造とした混合構造の提案を行い、木材を適材適所に利用することで、より一層の木造化・木質化を推進します。
 さらには、2時間耐火仕様についても、すでに加熱実験により耐火性能を確認しており、今後ニーズに応じて新たに大臣認定を取得し、実用化する計画です。
 純木質耐火集成材の適用により、スギ材を中心とした木材利用による環境対策や低炭素社会の実現、国内林業の活性化に貢献するとともに、火災に強い安全な街づくりを行ってまいります。


※1 「FRウッド®」は鹿島の登録商標です。

※2 純木質耐火集成材の研究開発の一部は農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業(課題番号2009)」、「科学研究費基盤研究(A):課題番号22248019, 26252024」、「平成25年度 林野庁CLT等新製品・新技術利用促進事業」などの支援により実施しました。

※3 【認定番号】
鹿島建設:FP060CN-0603、FP060BM-0387
住友林業:FP060CN-0602、FP060BM-0386
ティー・イー・コンサルティング:FP060CN-0604、FP060BM-0389
三井住商建材:FP060CN-0601、FP060BM-0388
→認定番号はそれぞれ異なりますが、部材としては同一の純木質耐火集成材です。

※4 商品名については、鹿島は従来通り「FRウッド」、住友林業は「木ぐるみ FR」、三井住商建材は純木質耐火集成材を用いた耐火フレーム工法「サミットFR工法」として営業展開を行います。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

ホーム > 企業情報 > プレスリリース > 純木質耐火集成材の新規大臣認定を4社で取得

ページの先頭へ

ページの先頭へ