ホーム > 企業情報 > プレスリリース > 打設時のスランプロスと材料分離を同時に解消する 「コンクリート運搬・打設システム」を開発

プレスリリース

[2016/10/18]

311KB

打設時のスランプロスと材料分離を同時に解消する
「コンクリート運搬・打設システム」を開発

 鹿島(社長:押味至一)は、高低差のある場所にコンクリートを運搬する際、硬練り、高粘性のコンクリートでも排出可能な「新型バケット」と、打設時の材料分離を抑制できる扁平形状のホース「OKホース®」を開発し、これらの組合せによる新たな「コンクリート運搬・打設システム」を、岩手県で施工中の三陸沿岸道路長部高架橋の橋脚コンクリート工事に試行しました。
 コンクリートのフレッシュ性状が変化せず、材料分離もさせない本システムにより、高耐久なコンクリート構造物を構築することができました。

コンクリート運搬・打設システムを試行した橋脚

コンクリート運搬・打設システムを試行した橋脚

開発の背景

 コンクリートの打設場所への運搬は、コンクリートポンプ車による圧送が多く用いられます。しかし高低差がある場所など距離のある圧送では、スランプの低下による圧送管の閉塞などが課題となります。同様にバケットによる搬送においても、硬練りの場合はバケット内でコンクリートが滑り落ちにくいため排出口が閉塞したり、また通常の円形ホースの中で材料分離してしまうなどの課題がありました。これに対し、単位水量や単位セメント量を増加させるなどの配合変更により流動性を上げて対処すると、コンクリートに乾燥収縮ひび割れや温度ひび割れといった初期欠陥を引き起こすおそれがあります。
 さらに、コンクリートの凍害を防止するためにはコンクリート中に一定の空気量を含むことが重要ですが、圧送によりその空気量が減少することで、凍結融解抵抗性が低下する懸念もあります。
 そこで、スランプ8cm程度の硬練りコンクリートでも配合を変えることなく、スムーズに運搬・打設できる、新たなコンクリート運搬・打設システムを開発しました。

コンクリート運搬・打設システム

 本システムは、スランプ8cmの硬練りコンクリートを排出できる「新型バケット」と、扁平形状の「OKホース」の組合せにより構成されます。

1.新型バケット

 バケットの内部に、傾斜角度を大きくしてコンクリートが滑り落ちやすくするための円錐型のアタッチメントを設置しました。さらに、バケット中央部の小型バイブレータと側面の振動モータにより、振動を加えながら排出することで排出口の閉塞を防ぎます。この新型バケットを用いることで、スランプ8cmの硬練りコンクリートもスムーズに排出することが可能です。

新型バケットの概要

新型バケットの概要

2.OKホース

 OKホースは、ホースを扁平形状にすることで、コンクリート排出時の材料分離を抑制します。OKホースを用いてコンクリートの打設実験を行い、通常の円形ホースと比較したところ、円形ホースの場合は材料分離が生じ粗骨材が飛散する状況が見られましたが、OKホースの場合は筒先からゆるやかにコンクリートが落下し、材料分離することなく、連続的にコンクリートを排出できることがわかりました。また脱型後の表面気泡も少ないことが確認され、表層部が緻密で耐久性の高いコンクリート構造物を構築することができます。

OKホース

OKホース

OKホース円形ホース
コンクリート
打設実験

OKホース打設

円形ホース打設

コンクリート
表面比較

OKホース表面

円形ホース表面




※ OKホースを用いた場合は、筒先からコンクリートが材料分離することなく連続的に排出されている一方で、円形ホースでは、排出時に材料分離が生じ、打込み面で粗骨材が飛散していることが確認できる

フレッシュコンクリートの空気量の比較

フレッシュコンクリートの空気量の比較

実施工での事例

 長部高架橋の橋脚を対象として、コンクリート運搬・打設システムによるフレッシュコンクリートの空気量を、コンクリートポンプ車による圧送時と比較しました。コンクリートポンプ車による圧送では空気量が平均0.7%減少したのに対して、本システムでは空気量の減少がほとんど認められず、凍害防止に対する優位性が確認できました。
 その他にも、OKホースについては複数の現場で使用を始めており、コンクリート構造物の品質向上を確認しています。

今後の展開

 OKホースは、今回のようにバケットに取り付けるだけでなく、コンクリートポンプ車のブームに取り付けるタイプもあり、地下構造物の構築において、地上から直接、地下のコンクリート打設が可能です。
 今後は、本システムおよびOKホースを、橋梁やボックスカルバートなど各種のコンクリート構造物に水平展開し、適用拡大を図っていきます。

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

ホーム > 企業情報 > プレスリリース > 打設時のスランプロスと材料分離を同時に解消する 「コンクリート運搬・打設システム」を開発

ページの先頭へ

ページの先頭へ