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山岳トンネル技術

4ブームフルオートコンピュータジャンボによる
施工の合理化

専任のオペレータ1名による削孔作業を実現

山岳トンネルの現場では発破孔の削孔位置合わせが自動で行えるドリルジャンボが導入されてきています。しかし、これまでのコンピュータジャンボは作業員がキャビン内の小型画面を見ながらブームを誘導しなければならず、作業員の熟練度に依存するとともに、1ブームあたり1名の作業員が必要でした。

そこで鹿島は、日本初となる4ブームフルオートコンピュータジャンボ(アトラス社製XE4C)を、新区界トンネル(岩手県)の本坑掘削に適用しました。
同機が持つフルオート削孔機能により、専任オペレータ1名による削孔作業を実現し、最新鋭ドリフタの機能向上により、削孔時間が2分の1以下に低減、また、余掘りも40%低減できることを確認しました。

図版:アトラス社製XE4C 4ブームフルオートコンピュータジャンボ

アトラス社製XE4C 4ブームフルオートコンピュータジャンボ

キーワード

急速施工、コンピュータジャンボ、フルオート削孔
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4ブームフルオートコンピュータジャンボの概要

従来のコンピュータジャンボは、作業員がキャビン内の画面を見ながらブームを削孔位置に誘導しなければなりませんでしたが、この4ブームフルオートジャンボのフルオート削孔機能は、あらかじめ入力した削孔位置に機械が自動で位置合わせを行うため、作業員の熟練度に頼らない削孔作業を実現するとともに、4ブームを1名のオペレータで操作することが可能となっています。また、同機は、これまでのジャンボに比べ、ドリフタの削孔性能が向上し、純削孔速度が最大で2倍となっているほか、地山の硬軟に応じて自動的に最適な打撃力に調整されるため、削孔中の孔閉塞が発生しません。

図版:4ブームを1名の専任オペレータで操作が可能

4ブームを1名の専任オペレータで操作が可能

さらに、搭載されている削孔データの自動収集機能により、切羽前方やトンネル周辺の地山評価が可能です。

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4ブームフルオートコンピュータジャンボ(動画:23秒/音あり)

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4ブームフルオートコンピュータジャンボ導入による効果

4つのブームを1名の専任オペレータで

従来は1ブームあたり1名の作業員が必要でしたが、フルオートジャンボは4つのブームを1名のオペレータで操作することができます。これまでは坑夫と呼ばれるトンネル作業員が削孔時にはブーム操作を行っていましたが、専任のオペレータ1名が4つのブーム操作を行うため、他の作業員は次の作業の段取りなど、別な仕事を行うことができ、省力化と効率化が図れます。

削孔に要する時間が従来の半分に

本機はこれまでのジャンボに比べ、ドリフタ(削孔装置)の性能が向上し、純削孔速度が最大で2倍となっていることと、削孔位置への自動誘導機能により、位置合わせ時間が大幅に短縮できるため、削孔時間が従来の半分以下になることを確認しました。

余掘りを40%低減

コンピュータの自動制御により、削孔パターン通りの角度や長さで正確な削孔を行うため、余堀りを40%低減できることを確認しました。

図版:従来機の場合(誘導機能なし)

従来機の場合(誘導機能なし)

図版:フルオートジャンボの場合

フルオートジャンボの場合

削孔データの自動収集で
地山を予測、CIMにも活用

本機に搭載されている削孔データの自動収集機能(Mesurements While Drilling:MWD)により、地山状況に応じて削孔パターンを修正するとともに、切羽前方やトンネル周辺地山の予測評価が可能となることにより適切な支保パターンの選定が行えます。また、これらのデータを蓄積することにより、CIMの地質モデルへの反映ができます。

図版:削孔速度より求めた切羽前方地山の硬軟度分布

削孔速度より求めた切羽前方地山の硬軟度分布

適用実績

図版:宮古盛岡横断道路 新区界トンネル工事(1期)

宮古盛岡横断道路 
新区界トンネル工事(1期)

場所:岩手県宮古市区界~
盛岡市簗川地内

工期:2014年2月~2017年3月

発注者:国土交通省東北地方整備局

規模:本坑L=3,688m(1期)
全体L=4,998m 内空断面積94.9m2
避難坑 L=5,045m 
内空断面積 15.5m2

2ノズル吹付け機「ツインショット工法®

2台の吹付けロボットにより、吹付け時間を半分に短縮

トンネル工事において、崩落性の高い地山では吹付けと支保工によって、早期に地山を補強して安定させる必要があります。最近の工事では、肌落ちや落石防止対策として切羽の全面にコンクリートを吹付けることや、軟弱な地山ではコンクリートの吹付けを厚くすることにより、吹付け作業に多く時間がかかる事例が増加しています。

鹿島では、吹付け・支保工作業時間を大幅に短縮するために、エレクタ付2ノズル吹付け機を開発しました。本機は、2台の吹付けロボットと、支保工を設置するためのエレクタ装置を装備したもので、従来の吹付け機の2倍の吹付け能力を有しています。これにより、急速施工や、崩落防止が早期に必要な軟弱な地山における迅速な補強が可能です。

特許出願中

図版:2ノズル吹付け機

2ノズル吹付け機

キーワード

吹付け、支保工、サイクル短縮、吹付け機、エレクタ、吹付けロボット、コンクリートポンプ 、クリアショット
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機械概要・採用工事

2ノズル吹付け機は、コンクリートを吹付けるための2台のロボットとコンクリートポンプ、支保工を設置するためのエレクタ装置とマンケージ装置を装備しています。本機の使用によって、吹付け作業時間が従来に比べて約半分になるほか、吹付けと支保工設置作業に伴う機械の入れ替えが不要になるため、サイクルタイムの大幅な短縮が可能です。同機にはタイヤ式の他、より軟弱な地山に適した履帯式があり、多様なニーズに対応できます。また、クリアショットを使用した高速低粉じん吹付け工法にも適用可能です。2ノズル吹付け機は、これまでに国交省圏央道山口トンネル(千葉県)、愛知県岩古谷トンネル(愛知県)、三重県矢頭峠トンネル(三重県)、鉄道運輸機構長崎新幹線彼杵トンネル(長崎県)で既に使用されており、サイクルタイム短縮と、軟らかい地山の早期安定化に成果を上げています。

図版:2ノズル吹付け機(タイヤ式)

2ノズル吹付け機(タイヤ式)

図版:2ノズル吹付け機(履帯式)

2ノズル吹付け機(履帯式)

特長・メリットココがポイント

急速施工と地山の早期安定化が可能

2台の吹付けロボットを装備したエレクタ付吹付け機による急速施工、地山の早期安定化が可能です。

  • 従来に比べて2倍の吹付け能力を有しており、サイクルタイム短縮による急速施工が可能です。
  • 崩落性の高い軟弱な地山に対しても、迅速な吹付け作業によって、早期に地山を安定化させることができます。

図版:吹付け状況

吹付け状況

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適用実績

図版:圏央道山口トンネル

圏央道山口トンネル

場所:千葉県市原市

発注者:国土交通省関東地方整備局

規模:内空面積(代表値)65m2 
延長675m

図版:三重県矢頭峠トンネル

三重県矢頭峠トンネル

場所:三重県津市

発注者:三重県津建設事務所

規模:内空面積(代表値)45.5m2
延長1,637m

図版:一般国道473号岩古谷トンネル

一般国道473号岩古谷トンネル

場所:愛知県北設楽郡

発注者:愛知県建設部

規模:内空面積(代表値)76.5m2 
延長1,287m

図版:彼杵トンネル

彼杵トンネル

場所:長崎県東彼杵郡

発注者:鉄道建設・運輸施設整備支援機構

規模:内空面積(代表値)64m2
延長3,520m

SENS

北海道新幹線津軽蓬田トンネルにてSENS適用

津軽蓬田トンネルは、北海道新幹線新青森・新函館(仮称)間の青森県東津軽郡蓬田村から外ヶ浜町に至る延長6,190mシールド外径11.3m の大断面トンネルです。 本トンネルの地質は、未固結な砂を主体としており、土砂崩壊や流砂による切羽の不安定化が予想されました。そのため、安全性、施工性および経済性に優れたSENS(シールドを用いた場所打ち支保システム)による機械化施工が採用されました。

津軽蓬田トンネルは、2009 年11 月から掘進を開始しました。1ヶ月の掘進速度は最大367.5mを記録し、6,000m以上の長大トンネルを35 ヶ月というスピードで到達しました。そして、SENS では日本初となる地上発進・地上到達を成功させました。

特許出願中

図版:地上到達の様子

地上到達の様子

キーワード

SENS、地上発進、地上到達、場所打ち支保システム、高速掘進
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SENSとは

SENS とは、シールド工法の安定性と施工性、NATM の経済性を併せ持った工法です。密閉型のシールドマシンにより切羽の安定性を図りながら掘進を進め、並行してマシンのテール部で一次覆工となる場所打ちコンクリートを打設、一次支保材として地山を保持しながらトンネルを構築します。一次覆工の安定を計測により確認したのち、NATM と同様に、漏水処理工と二次覆工を施工してトンネルを完成させます。

シールド工法と比較して、セグメントが不要となるためコストを低減することができますが、場所打ちコンクリートにて一次覆工を行うため、高度な施工管理が要求されます。工期的にはNATMの倍以上のスピードで施工することができます。

図版:SENS設備配置図

SENS設備配置図

特長・メリットココがポイント

国内初となる大断面シールドマシンの
地上発進・地上到達

同トンネル工事では、大断面シールドマシンとして国内初となる小土被り(5m、掘削外径比0.4D)の地上発進・地上到達を行いました。

地上発進・地上到達工法は、立坑や開削などに必要とされる施工ヤードを最小限におさえることができるほか、工期短縮、コストダウンが可能です。

図版:地上発進の状況

地上発進の状況

含水未固結地山での高速掘進

NATMでは、掘削面が解放されているため、含水未固結地山では安定して掘削ができません。SENSでは、シールドマシンで掘削面を安定させて機械掘削できるため、高速での掘進が可能となります。このため、NATMに比べ、2倍以上の掘進速度で掘削が可能です。

  • 1ヶ月間の最大の掘進速度367.5m
  • 平均掘進速度190m/月

図版:施工概念図

施工概念図

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コスト縮減

シールド工法と比較して、セグメントが不要となるためコストを縮減できます。また、NATMでは掘削面を安定させる補助工法が必要となるため、ほぼ同程度のコストとなります。

  • シールド工法よりも安価
  • NATMと同程度で工期短縮が可能

適用実績

図版:津軽蓬田トンネル

津軽蓬田トンネル

場所:青森県東津軽郡

発注者:鉄道建設・運輸施設整備支援機構

規模:シールド外径11.3m 
延長6,190m

学会論文発表実績

  • 「シールドを用いた場所打ち支保システムにおける一次覆工コンクリートの打設を模擬した大型実験」,土木学会第22回トンネル工学研究発表会,2012年

連続ベルトコンベヤシステム

新世代クラッシャと大容量ベルトコンベヤにより
作業環境と安全性向上

山岳トンネル工事のずり運搬は、ダンプトラックによるタイヤ方式が一般的です。一方、トンネルの長大化に伴い、ダンプトラック台数の増加による坑内環境の悪化、安全性、CO2排出等の課題に対して、ずり運搬に連続ベルトコンベヤを使用する事例が増加しています。しかし、連続ベルトコンベヤを使用する場合、ベルトコンベヤに載せるために発破で発生した岩石を破砕するためのクラッシャの破砕能力確保や、設備の適切な維持管理が、非常に重要となります。鹿島では、破砕能力が高く、維持管理が容易な硬岩対応クラッシャと、大容量ベルトコンベヤを採用した独自の連続ベルトコンベヤシステムを構築し、ずり運搬作業の効率化と作業環境の改善を図ります。

特許出願中

図版:連続ベルトコンベヤシステム

連続ベルトコンベヤシステム

キーワード

ずり運搬、ずり出し、ベルトコンベヤ、クラッシャ、ベルト管理、坑内環境、安全、CO2削減
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システム概要・採用工事

山岳トンネルにおける連続ベルトコンベヤによるずり運搬では、とりわけ地山が硬い場合に、クラッシャの破砕能力が低下して、ずり出しサイクルに影響を与えることが課題となっていました。また、明り工事で多く使用されている大型のクラッシャは、エンジン駆動であるためトンネル内での使用が困難でした。鹿島は、明り工事で多く使用され、硬岩の破砕に定評のあるヨーロッパ製のクラッシャをトンネル仕様として開発し、大容量の連続ベルトコンベヤシステムに適用しました。本システムは、国交省堅苔沢トンネル(山形県)、北海道開発局音威子府トンネル(北海道)、NEXCO中日本新東名徳定トンネル(愛知県)等で使用され、成果を上げています。

図版:システム概要図

システム概要図

特長・メリットココがポイント

硬岩対応の新世代クラッシャ

硬岩対応の新世代クラッシャをトンネル向けに開発しました。

  • 硬岩に対する破砕能力の評価が高いエンジン式クラッシャを電動化することにより、トンネル仕様に適合しました。
  • 油圧式のクラッシャ調整機能、マルチモニタを搭載した新世代クラッシャの優れた操作性により、ダウンタイムを大幅に削減できます。

図版:硬岩対応クラッシャ(トンネル仕様)

硬岩対応クラッシャ(トンネル仕様)

適用実績

図版:東北自動車道堅苔沢トンネル

東北自動車道堅苔沢トンネル

場所:山形県鶴岡市

竣工年:2011年3月

発注者:国土交通省東北地方整備局

規模:内空面積(代表値)74m2
延長1,993m

図版:音威子府トンネル

音威子府トンネル

場所:北海道中川郡

発注者:国土交通省北海道開発局

規模:内空面積(代表値)76m2
延長2,699m

図版:新東名高速道路徳定トンネル

新東名高速道路徳定トンネル

場所:愛知県新城市

発注者:中日本高速道路

規模:上り線568m 下り線576m

長孔発破技術

挿角照射システムを利用した長孔発破による高速施工

山岳トンネルで工費・工期を短縮するためには施工サイクルの短縮が重要であり、その中で、硬岩地山での1発破掘進長(従来はBパターンで2m)を延長する技術の確立が求められています。

しかし、1発破掘進長を延長した場合には、発破孔の削孔精度に起因して余掘りが増加する傾向にあり、これを如何に克服するかが、長孔発破施工を実現する上での課題でした。

そこで、通常トンネル現場にあるトータルステーションを用いて削孔精度を向上させる技術を開発しました。実際の現場にも適用して、余掘りを低減した上で長孔発破を実現できることを確認しました。

特許出願中

図版:長孔発破状況

長孔発破状況

キーワード

長孔発破、挿角照射システム、逢神曽根トンネル
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挿角照射システムの概要

挿角照射システムは、鹿島とソーキが共同開発した技術です。システムを利用した挿角制御の手順は以下のとおりです。

①切羽後方に設置したトータルステーションにより切羽面の削孔位置にスプレーマーキングします。
②ドリルジャンボのビットをマーキング位置にセットします。
③各孔毎に、ガイドセルの後端に備えたターゲット版に向けて削孔角度が正しくなる位置にレーザー照射します。
④ガイドセル後端の位置をセットして削孔を行います。
外周孔(払い孔)に対して上記手順を繰り返して行います。

以上により、外周孔(払い孔)の削孔精度が向上し、余掘りを抑えた長孔発破が実現します。

図版:挿角照射システムの概念図

挿角照射システムの概念図

特長・メリットココがポイント

余掘量の軽減が可能

  • 挿角照射システムを採用することで、6mの長孔発破を施工した区間で、余掘り量を平均200mmに抑えることができました。

図版:余掘り量の実測値(6mの長孔発破)

余掘り量の実測値(6mの長孔発破)

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周辺地山の緩みを最小化

  • 長孔発破施工時には挿角照射システムと同時に、外周孔(払い孔)ではスムースブラスティングを採用しました。その結果、通常の1発破掘進長2mの箇所と比べて6mの長孔発破の箇所では、周辺地山の緩みを同程度に抑えることができました。

図版:坑壁弾性波探査による緩み領域の調査結果

坑壁弾性波探査による緩み領域の調査結果

適用実績

図版:熊野尾鷲道路逢神曽根トンネル

熊野尾鷲道路逢神曽根トンネル

場所:三重県尾鷲市~熊野市

発注者:国土交通省中部地方整備局

規模:延長2,360m
掘削断面積72.5~94.2m2 

学会論文発表実績

  • 「トンネル掘削における6m長孔発破」,火薬と保安,Vol.44,No.2,(社)全国火薬類保安協会,2012年

無水削孔システム「WALDIS®

水を使わず空気を利用した削孔で、地山の緩みを防止

都市部のような地質の悪い場所で山岳トンネル工法を用いてトンネルを構築する場合、地山のゆるみ防止や切羽安定、地表面沈下防止のため、補助工法として地盤に削孔した孔に鋼管等などを挿入してセメントなどを注入することにより地山を補強し安定させます。

この時、通常は大量の削孔水を使用するため、水により劣化しやすい地質では、周辺の地山を緩めたり、予定された直径以上の孔があいてしまうため、注入材が十分充填されなかったり、地山の支保能力を高められないなど品質面の問題がありました。鹿島が開発した無水削孔システム(WALDIS:WaterLess Drilling System)は、水の代わりに圧縮空気を用いることにより、品質の高い補助工法が施工できるため、地山を補強し安定させた状態で安全にトンネルの掘削ができます。

特許登録済

図版:無水削孔施工状況

無水削孔施工状況

キーワード

補助工法、削孔、先受け工、薬液注入、軟弱地山、切羽安定、ゆるみ防止、沈下防止、ドリルジャンボ 
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システム概要・採用工事

一般に補助工法としてドリルジャンボを用いて削孔し鋼管を挿入する場合、鋼管(外側の管)とインナー管(内側の管)の二重管で削孔します。その際、先端の掘削用の刃に土が詰まるのを防止すると同時に、掘削時に発生する土を排出するため、大量の削孔水(毎分約70リットル)を使います。これに対して、本システムでは削孔水の代わりに圧縮空気を使用します。インナー管には圧縮空気を送り込むための装置(スイベル)を装着して、先端部分に送った圧縮空気を逆噴射させ鋼管とインナー管の間を逆流させて排出する仕組みを開発し、逆噴射による強い吸引力により土を吸込み排出するシステムとなっています。このため、設計通りの孔を構築できるので、地山のゆるみ防止や切羽安定、地表面沈下防止が確実に行えます。なお、本システムは、鉄道運輸機構九州新幹線新田原坂トンネル(熊本県)に採用されました。

図版:システム概要図

システム概要図

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特長・メリットココがポイント

水の代わりに圧縮空気を
用いた確実な削孔

  • 削孔水を使用しないため、周辺地盤を緩めることなく、スムーズな削孔を実現します。
  • 設計通りの削孔により注入ロスが減少するため、従来の削孔に比べ高い地盤改良効果が期待できます。

図版:削孔状況の比較

削孔状況の比較

トンネル汎用機械に
簡単に装着可能

  • トンネル汎用機械であるドリルジャンボにWALDIS用アタッチメントを装着するだけでシステムを適用できます。特殊技能を必要としないため、通常の削孔手順で施工できます。

図版:削孔装置

削孔装置

適用実績

図版:新田原坂トンネル

新田原坂トンネル

場所:熊本県鹿本郡

竣工年:2009年9月

発注者:鉄道建設・運輸施設
整備支援機構

規模:内空面積(代表値)65m2
延長2,940m


学会論文発表実績

  • 「無水削孔によるAGF施工の効果について」,土木学会第62回年次学術講演会,2007年

Me-fix(Metal Eco)工法

高摩擦型鋼管を用いて確実に切羽補強

近年、不良地山であっても、大断面で掘削を行い、早期に切羽を併合することで安全に掘削する事例が、多くなっています。不良地山を大断面で掘削するには、長尺先受け工や長尺切羽補助工で、切羽を安定させることが重要です。しかし、従来の通常鋼管を用いた切羽補強工では、地山と鋼管周囲に十分な付着耐力を確保できませんでした。

鹿島が開発した、「Me-fix工法」は従来の通常鋼管を用いた切羽補強工の弱点である付着耐力を、鋼管表面を縞形状とする事で向上させ、確実な地山拘束力が期待できる鋼管切羽補強工です。長尺切羽補強工で切羽を安定させることで、不良地山でも大断面で合理的に施工できるようになりました。

※Me-fixは、株式会社ケー・エフ・シーの登録商標です。

特許登録済及び特許出願中
NETIS KT-080027-A

図版:Me-fix工法

Me-fix工法

キーワード

長尺切羽補強工、鏡ボルト、切羽安定、補助工法、付着耐力
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開発工法の概要

切羽補強工に使用する補強材は、地山の挙動に伴って発生する解放応力にバランスよく抵抗することが必要で、地山と定着材との付着耐力と、定着材と鋼管との付着耐力、および鋼管の継ぎ手部の引張り耐力のバランスが重要な要素となります。

本工法は、従来の鋼管切羽補強工の弱点とされてきた鋼管と定着材間の付着耐力の問題を、ボルトの表面形状を縞鋼板とすることにより解決しました。また、継手部の引張り耐力も、接続部の加工を工夫することにより、従来の補強鋼管(5.2mm)に比べて薄肉(4.5mm)であるにも関わらず、引張剛性は高くなっているのが特徴であり、軽量となったため施工性・経済性の向上にも寄与できる材料です。さらに、鋼管にはスリットを設けてあるため、鋼管切羽補強工法の利点である鋼管と定着材の分別回収を従来よりも容易に行える工法です。

図版:縞付き鋼管の表面形状

縞付き鋼管の表面形状

図版:回収性能を高めるスリット

回収性能を高めるスリット

特長・メリットココがポイント

優れた補強効果が期待できる高い付着耐力

原位置引抜き試験を行い、従来の通常鋼管とMe-fix鋼管の付着耐力を比較しました。定着材にはプレミックスモルタル(一軸圧縮強さ12N/mm2 材令24hr)と3倍発泡のシリカレジン(一軸圧縮強さ4N/mm2)を使用しました。

  • Me-fix鋼管は通常鋼管よりも、プレミックスモルタルでは9~10倍の、シリカレジンでは5倍の付着耐力が得られることがわかりました。

図版:付着耐力

付着耐力

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安全性の高い施工を実現

3次元数値解析によりMe-fix鋼管と通常鋼管の補強効果を比較検証しました。

  • 通常鋼管を用いた従来工法では鏡ボルトを打設後6m掘進した時点で塑性領域がトンネル上方に発達し、地山が崩壊し、1シフト長(9m)の掘進が不可能となりました。
  • 上記のような地山でも、Me-fix鋼管を用いることで9m掘進した時点でも、塑性領域は切羽周辺のみに抑制され、安全な施工が可能となることを確認しました。

図版:3次元数値解析結果

3次元数値解析結果

鋼管と定着材の分別回収が可能

鋼管表面に一定間隔のスリットを設けることで、写真のように鋼管と定着材の分別回収を可能にしました。

  • 鋼管切羽補強工法の利点である鋼管と定着材の分別回収を従来よりも容易に行えます。
  • 産業廃棄物量を抑制できます。

図版:分別回収状況

分別回収状況

適用実績

図版:万日山トンネル

万日山トンネル

場所:熊本県熊本市

竣工年:2011年11月

発注者:熊本県

全延長:884m

図版:さがみ縦貫城山八王子トンネル

さがみ縦貫城山八王子トンネル

場所:神奈川県相模原市

竣工年:2012年3月

発注者:国土交通省関東地方整備局

全延長:7,148m

図版:立江トンネル

立江トンネル

場所:徳島県小松島市

竣工年:2011年4月

発注者:国土交通省四国地方整備局

全延長:954m

図版:北の峰トンネル

北の峰トンネル

場所:北海道富良野市

竣工年:2013年3月

発注者:国土交通省北海道開発局

施工延長:2,928m

学会論文発表実績

  • 「縞付き鋼管による切羽補強工法の開発」,トンネル工学報告集,第20巻,2010年
  • 「遠心模型実験と数値解析を用いた縞付き切羽補強工の補強効果検証」,土木学会論文集F1(トンネル工学)特集号vol.67,2011年
  • "Verification of reinforcing effects of a tunnel face reinforcement method by centrifuge model tests and numerical analysis",12th ISRM International Congress on Rock Mechanics,2011年

アーチ形状の部分固化改良「グラウナーチ®工法」

アーチの構造的優位性で、改良率・コストを低減

軟弱地盤や液状化地盤を対象として深層混合処理工法などで固化改良を行う場合、コスト縮減、工期短縮の観点から、地盤全体ではなく効率的に部分的な改良を行う技術が求められています。

グラウナーチ工法は、構造的に優れた形式として古くから様々な構造物に取り入れられているアーチ形状に着目し、地盤中にアーチ状の改良体を形成する部分固化改良工法です。鹿島の固有技術である高圧噴射系の深層混合処理工法を用いることで、低い改良率においても確実なアーチ効果により優れた改良性能を発揮します。

特許登録済及び特許出願中

図版:グラウナーチ工法の概要図

グラウナーチ工法の概要図

キーワード

地盤改良、深層混合処理工法、部分固化改良、アーチ効果、既設構造物、地下水環境、地震、耐震、補強
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グラウナーチ工法の施工方法と分類

一般にCDM、DJMなどの深層混合処理工法で改良体を造成しますが、グラウナーチ工法では、JACSMAN工法をはじめとする高圧噴射系の深層混合処理を用いることで、確実に一体化されたアーチ状の固化改良体を地中に構築することができます。

固化改良体の形態としては、鉛直荷重に対してアーチ効果を作用させ支持性能を向上させるタイプと水平荷重による側方変位を抑制するタイプに分けられ、前者については、支持層に着底させるタイプと、支持層が深く沈下がある程度許容される場合には非着底とするタイプに分けられます。

図版:施工機械と改良体出来形

施工機械と改良体出来形

図版:固化改良体の形態(上図:鉛直・非着底タイプ、下図:水平タイプ)

固化改良体の形態
(上図:鉛直・非着底タイプ、下図:水平タイプ)

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特長・メリットココがポイント

アーチ効果による優れた耐震性

遠心模型実験と弾塑性FEM解析により、載荷に伴うアーチ状改良体の挙動を評価しました。

  • 荷重増加に伴い、クラウン部にやや引張り応力が発生しますが、圧縮応力が最大となるのは根入れ部よりもやや高い位置となります。
  • 改良体側部の変位も微小ですが、圧縮応力が最大となる深さ付近で大きくなる傾向がみられます。
  • 神戸波600galを作用させても、改良体に大きな変状はみられません。

同様に、アーチ改良体の周辺地盤についての挙動を評価しました。

  • アーチ構造で荷重を支持するため、改良体内外の過剰間隙水圧は非常に小さいことがわかります。
  • 同様に、支持地盤での土圧増加は小さく、地表面沈下も非常に小さい結果が得られました。
  • 神戸波600galを作用させた場合、改良体内部地盤の土圧、過剰間隙水圧は、外部地盤に比較して発生が抑制されることが確認されました。

図版:遠心模型実験の概要

遠心模型実験の概要

図版:アーチ改良体のひずみ分布

アーチ改良体のひずみ分布

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構造安定性の向上等、アーチ効果の期待効果

施工環境・条件に応じたアーチ形状を検討することで、構造安定性の向上、改良率の削減に加え、地盤中の既設構造物を回避して施工することが可能、地下水流を阻害せず流況の保全が可能といった効果も発揮します。

 

図版:周辺地盤の間隙水圧分布

周辺地盤の間隙水圧分布

適用実績

図版:新田原坂トンネル

新田原坂トンネル

場所:熊本県鹿本郡

竣工年:2009年10月

発注者:鉄道建設・運輸施設整備支援機構

規模:改良区間長約450m

図版:常陸太田トンネル

常陸太田トンネル

場所:茨城県常陸太田市

竣工年:2011年3月

発注者:茨城県

規模:改良区間長約75m

学会論文発表実績

  • 「地盤改良におけるアーチ形状効果」,地盤工学会第39回地盤工学研究発表会,2004年
  • 「非着底式アーチ状地盤改良における改良効果について」,地盤工学会第40回地盤工学研究発表会,2005年
  • 「アーチ状地盤改良工法の開発」,鹿島技術研究所年報,Vol.53,2005年
  • 「周辺環境条件を配慮し、新技術を駆使したトンネル工事」,日本トンネル技術協会第62回施工体験発表会(山岳),2008年
  • 「小土かぶり灰土地山をNATMで施工 ──新田原坂トンネル(特集 九州新幹線)」,土木施工52(2),2011年2月

山岳トンネル技術 インデックス

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