建設現場はひとつの「会社」と同じだと考えれば、
分かりやすいと思います。
その会社で所長は「社長」であり、作業をする職人さんを集めたり、材料を買ったり、仕事の進み具合を監督したり、事故が起きないように注意したりなどと言うとても大きな力(権限)を持っています。
所長は現場で起きている状況を見て判断し、「社員」である現場のメンバーに工事の指示をします。 そして「社長」である所長は大きな権限を持つ一方、現場で起きる全てのことに対して「責任」も持っています。
建物をつくるためには、たくさんの人の協力が必要です。現場によっては常時1000人以上働いており、建物を完成させるという同じ目標に向かって、日夜頑張っています。鹿島の社員はもちろん、協力会社のみなさんと共に、一致団結して工事を進めていかなければなりません。この巨大なチームをまとめあげるのが所長の仕事です。
現場内では毎日たくさんの工事が同時に進んでいて、一つひとつの細かい部分はそれぞれ現場の達人に任せています。常に全体を見渡して、各現場チームがしっかり機能しているか、工事が遅れたりしていないかなど。状況を把握し、時には相談に乗り、具体的な対策を立てて問題を解決していきます。
長い工事期間中には「建物の要(かなめ)」となる重要な場面が何度か出てきます。建物全体の品質を左右する部分になるので、直接出向いて現場を指揮しますが、その際は長年培ってきた経験や知識を活かして状況を判断し、責任を持って建物をつくっていきます。
大切なのはお客様に喜んでいただける「いい建物」をつくること、そして鹿島に仕事を頼んで良かったと思っていただけること。そのためにも工事を始める早い段階から、お客様と何度も打ち合わせを重ねていき、密接な信頼関係を築いています。
できあがった建物はたくさんの人が長年使うものなので、もし問題があったら大変なことになります。「いい建物」をお客様に引き渡すためにも、常に初心を忘れず、日々当たり前のことをしっかりと管理することが重要です。
「いい建物」をつくるためにも、現場内での信頼関係は重要です。所長として皆から信頼を得ることで人間関係が良好となり、皆の仕事も自然とはかどります。とりわけ協力会社のみなさんとの信頼関係は欠かせません。そのためにも、きれいで働きやすい現場の環境づくりを心がけています。
建物が完成したときには、それまでの苦労などを忘れて、「自分がこの建物をつくった」という達成感とやりがいを感じることができます。まさに現場の素晴らしさだと思いますが、工事中は常に仕事に追われ、すべての責任を負う所長の仕事は苦労の連続です。24時間気が休まることはありませんが、様々な苦労を乗り越えて完成したとき、言葉では言いあらわせないほどの大きな喜びを感じます。
所長は、大切なお客様とのやり取りはもちろん、大勢の社員や職人さん達をまとめるのが仕事です。皆からの信頼を得ることで、はじめて所長として認められます。それには、一つひとつの仕事をていねいにきちんと行うこと。そして決して手を抜かない良い仕事をすること。たくさんの人が「この人と仕事がしたい」「この人なら任せられる」と認めてもらうことができれば、所長になることができると思います。