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concept

福島水素エネルギー研究フィールド
R&D Center

水素社会へ向けた協創の場

図版

photo: ITイメージング 土戸雅裕

浪江町は福島第一原子力発電所から約10kmに位置し,現在も約8割が帰還困難区域に指定されている。同町に建設された本施設は,「福島イノベーション・コースト構想」の一環として,世界最大規模の水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド」における,実証実験のための研究室,およびその展示を併設するものである。ここでは水素に関わる業種の異なる4社の研究者が集まり,会社の垣根を越えた研究が行われている。

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私たちは,この専門性の異なる研究者が集まり,研究を行うこと自体が本質的な価値と捉え,建物も研究室や展示室の単位空間を集め,余白ある連続的な配置とすることで,その間の空間に研究者や展示のための多様な場が生まれることを目指した。プラントの機能的な表情と対比させた木外装は,木の色むらや節,表面の粗さなどをそのままの姿で素直に表現し,再生可能エネルギー研究の場であることを印象づけている。

一度人々のいなくなったこの地が,次世代のための研究拠点として今後さらなる発展を遂げていくことを設計者として期待している。
(齊藤彰吾,川又 優,宮崎達也)

東日本大震災および原子力災害によって失われた浜通り地域など(浪江町を含む15市町村)の産業を回復するため,当該地域の新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクト

図版:正面入口

正面入口

photo: ITイメージング 土戸雅裕

図版:建物外装にはレッドシダーを使用。色むらや節を残し自然な表情とした

建物外装にはレッドシダーを使用。
色むらや節を残し自然な表情とした

photo: ITイメージング 土戸雅裕

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図版:展示室

展示室

図版:コミュニケーションコリドー

コミュニケーションコリドー

図版:1階平面図

1階平面図

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福島水素エネルギー研究フィールド
R&D Center(福島県双葉郡浪江町)

  • 発注者: 東芝エネルギーシステムズ
  • 設計: 当社東北支店建築設計部
  • 用途: 研究施設
  • 規模: S造 2F 延べ1,330m2
  • 工期: 2021年7月~2022年3月月

(東北支店施工)

写真

齊藤彰吾
(さいとう・しょうご)

東北支店建築設計部
設計主任

主な作品:
  • 東京ポートシティ竹芝
  • イーエヌ大塚製薬
    花巻工場第一製造棟
    (リニューアル・増築)

写真

川又 優
(かわまた・ゆう)

東北支店建築設計部
設計主任

主な作品:
  • ラフィーユ北六番町
  • 千葉商科大学付属高等学校

写真

宮崎達也
(みやざき・たつや)

東北支店建築設計部
設計主任

主な作品:
  • 資生堂グローバル
    イノベーションセンター
  • バイタルネット本社ビル

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